日本養豚研究会誌
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簡易給飼法による種豚の長期繁殖試験成績
中島 泰治
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1979 年 16 巻 3 号 p. 219-227

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抄録

繁殖期の種豚に対する簡易給飼法の適応性を確めるため, ランドレース雌種豚6頭を用いて, 初産より6産以上連続して長期間の繁殖試験を行った。給飼法は妊娠前半の54日間は飼料B (TDN64.5, DCP10.5%)を3.0kg/日, その他の時期には飼料A (TDN70.7, DCP12.8%) を3.0kg/日, 妊娠末期18日間と授乳期 (20日間) のうち18日間はAを3.5kg/日給与した。その結果合計44産 (1頭当り平均7.3産) の平均繁殖成績で1産当り生産子豚数10.5, 離乳頭数9.5, 生時子豚総体重14.1kg, 離乳時 (20日令) 体重50.4kg, 1繁殖期間 (離乳翌日より次産の離乳日まで) は162.5±12.9日で年間平均繁殖回数2.26回, 年間離乳子豚数は21.4頭であった。
供試豚6頭の初産次より第6産次までの体重変化では妊娠期間中の増体量は平均64.2kg, 分娩・授乳期間中の体重減少量は51.0kgとなり, 妊娠期の体重増加と分娩・授乳期の体重減少が大であった。
繁殖時期別の飼料摂取量は初産次より第6産次までの平均で空胎期は飼料A87.3kg, 妊娠期はA205.7kg, B142.5kg, 合計348.2kg, 授乳期はA69.2kgで, 1繁殖期間の合計摂取量は504.6kgであった。
以上の結果, 本試験で用いた簡易給飼法は繁殖期の雌種豚への飼料給与法として適当な方法の一種であると考えられた。

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