日本養豚研究会誌
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16 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 椎葉 純一, 河野 建夫, 宮嶋 松一, 稲垣 三郎, 久野 幸三
    1979 年 16 巻 3 号 p. 213-218
    発行日: 1979/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    雄子豚の去勢は, 40~50日齢, 生体重15kg前後で実施されているものが多い。この時期になると豚はかなり抵抗し, 去勢手術は困難であり, 危険である。
    本試験は, 去勢時日齢の差異が発育及びと体形質へ及ぼす影響について検討した。
    3回の試験において, 去勢時日齢の差は, 発育及びと体形質へ有意に影響しなかった。また, 簡易筋肉分離試験において, 筋肉割合, 脂肪割合及び骨の割合に有意な差は認められなかった。
    これらのことから, 雄子豚の去勢は一般慣行の時期より早期に行うことも可能であることが示唆された。
  • 中島 泰治
    1979 年 16 巻 3 号 p. 219-227
    発行日: 1979/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    繁殖期の種豚に対する簡易給飼法の適応性を確めるため, ランドレース雌種豚6頭を用いて, 初産より6産以上連続して長期間の繁殖試験を行った。給飼法は妊娠前半の54日間は飼料B (TDN64.5, DCP10.5%)を3.0kg/日, その他の時期には飼料A (TDN70.7, DCP12.8%) を3.0kg/日, 妊娠末期18日間と授乳期 (20日間) のうち18日間はAを3.5kg/日給与した。その結果合計44産 (1頭当り平均7.3産) の平均繁殖成績で1産当り生産子豚数10.5, 離乳頭数9.5, 生時子豚総体重14.1kg, 離乳時 (20日令) 体重50.4kg, 1繁殖期間 (離乳翌日より次産の離乳日まで) は162.5±12.9日で年間平均繁殖回数2.26回, 年間離乳子豚数は21.4頭であった。
    供試豚6頭の初産次より第6産次までの体重変化では妊娠期間中の増体量は平均64.2kg, 分娩・授乳期間中の体重減少量は51.0kgとなり, 妊娠期の体重増加と分娩・授乳期の体重減少が大であった。
    繁殖時期別の飼料摂取量は初産次より第6産次までの平均で空胎期は飼料A87.3kg, 妊娠期はA205.7kg, B142.5kg, 合計348.2kg, 授乳期はA69.2kgで, 1繁殖期間の合計摂取量は504.6kgであった。
    以上の結果, 本試験で用いた簡易給飼法は繁殖期の雌種豚への飼料給与法として適当な方法の一種であると考えられた。
  • 秋田 富士, 渡辺 昭三, 瑞穂 当, 神部 昌行, 長野 錬太郎, 永田 克幸, 仁昌寺 博, 石井 泰明, 内藤 昌男, 清間 遭
    1979 年 16 巻 3 号 p. 228-236
    発行日: 1979/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    ストレス感受性豚検出の基礎的情報を得るため, 安静時の血清中CPK及びLDH総活性とLDHアイソザイムパタンの分布を7群373頭調査し, 1群については, これらと“肉の特性指”との関係を検討した。
    1) 安静時の血清CPK, LDHt及びLDH5の百分比と活性値は正規分布をしないのでCPK, LDHt及びLDH5の活性値は対数変換を, LDH5の百分比は逆正弦変換をすることが必要である。
    2) 安静時のCPK, LPHt及びLDH5の百分比と活性値は群間に有意差が認められるので, ストレス感受性個体検出に当っては個々の集団の分布を知っておく必要がある。なお, 性差は認められなかった。
    3) 血清CPK, LDHt及びLDH5の百分比と活性値には, 安静時に極端に高い値 (変換値で2σ以上) を示す個体が少数認められ, これらは好ましくない肉の物性値を示す傾向があり, ストレス感受性個体であると考えられた。
    4) 肉の保水力とlogCPK, arcsin√LDH2%, arcsin√LDH5%及びlogLDH5活性との間に|0.271~0.343|の有意の相関が認められ, また, 肉の硬さとlogCPKとの間にも0.299の有意の相関が認められた。Im値とlogCPK logLDHt, arcsin√LDH2%, logH/M及びlogLDH5活性との間に|0.252~0.312|の低いけれども有意の相関が認められた。Imと測定酵素10項目との重相関を求めても単相関に比べ重相関係数の有効な上昇が認められなかった。
  • 江藤 正信, 森下 栄二, 落合 美和子, 渡辺 幸男
    1979 年 16 巻 3 号 p. 237-239
    発行日: 1979/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    1) PPV感染症の移行抗体は, 母豚の抗体価レベルにより持続期間に差がみられた。すなわち, 母豚の抗体価40,960倍を示す子豚の移行抗体は約22週間持続し, 母豚抗体価640倍のものは9週間持続した。
    2) 移行抗体の半減期は, 最長12.7日, 最短8.9日であり, 平均11.1日であった。
    3) 移行抗体の低下と自然感染による抗体応答限界は, 移行抗体価40倍以下であった。
    以上のような事実をもとに, 今後本症の移行抗体レベルと感染との関係をより解明し, 予防対策上の重要なポイントを知るよう, さらに実験を積み重ね検討して行きたい。
  • V. 背部皮下内層脂肪と腎臓周囲脂肪の一般化学的組成および理化学的特性について
    川井田 博, 奥薗 義美, 福元 守衛, 楠元 薩男, 宮内 泰千代, 加香 芳孝, 小島 正秋
    1979 年 16 巻 3 号 p. 240-248
    発行日: 1979/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    鹿児島県畜産試験場養豚部で育成された鹿児島バークシャー (去勢6頭, 雌5頭), アメリカバークシャー (去勢6頭, 雌6頭), ハンプシャー (去勢6頭, 雌6頭) の計35頭の供試豚より得られた腰椎部背部皮下内層脂肪 (HI) と腎臓周囲脂肪 (LF) について, 特に脂肪組織の一般化学的組成および理化学的特性について, 品種別, 性別, と殺体重別に差の有意性べを調るためにF検定を行って比較検討した。
    まず, HIとLFの一般化学的組成について品種別にみるとHIの粗灰分を唯一の例外として, 鹿児島バークシヤーとハンプシャー, アメリカバークシャーとハンプシャーの間に有意差が認められ, 水分, 粗灰分, 粗蛋白質の割合においては, ハンプシャーが最も多く鹿児島バークシャーが最も少ないという傾向が認められた。これに対して粗脂肪の割合は, これとは逆の結果が得られた。以上の結果から推察すると, ハンプシャーは赤肉量が多く脂肪の量が少ない品種であり, 一方鹿児島バークシャー, アメリカバークシャーは脂肪量の多い品種であると言われていることを裏付けているものと思われる。
    性別にみると, HI, LFにおいで3品種とも水分, 粗灰分および粗蛋白質の割合は, 雌〈去勢雄であり, 粗脂肪の割合では逆に雌〉去勢雄であった。
    体重別にみると, 3品種ともHI, LFのいずれも体重の増加とともに水分, 粗灰分, 粗蛋白質は少なくなり, 粗脂肪は多くなる傾向が認められた。これは, 体重の増加とともに水分は脂肪に置換されていくためであると思われる。
    次に脂肪の理化学的特性については, 特徴的な点をあげると, 品種別にみる時鹿児島バークシャーのHIが他の品種よりも沃素価は低く融点は高い値を示し品質として優れていると思われた。またハンプシャーは, HIおよびLFのいずれにおいても融点が非常に低く, 脂肪が軟らかいことが推察される。体重別では, 3品種とも体重が増加するにつれてHI脂肪のケン化価がやや高くなり, HI, LFの脂肪融点は低くなる傾向が認められる。これは体重の増加とともにHI中に低級脂肪酸が多くなり, HI, LFはやや軟らかくなることを示している加様に思われた。今後脂肪酸組成を分析し, さらに詳しく追求していく考えである。
  • 1979 年 16 巻 3 号 p. 249-289
    発行日: 1979/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
  • 丹羽 太左衛門
    1979 年 16 巻 3 号 p. 290-292
    発行日: 1979/12/30
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
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