日本養豚研究会誌
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ランドレース種における安静時の血清骨格筋由来酵素の分布及びこれらの酵素と肉の物性値との関係
秋田 富士渡辺 昭三瑞穂 当神部 昌行長野 錬太郎永田 克幸仁昌寺 博石井 泰明内藤 昌男清間 遭
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1979 年 16 巻 3 号 p. 228-236

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抄録

ストレス感受性豚検出の基礎的情報を得るため, 安静時の血清中CPK及びLDH総活性とLDHアイソザイムパタンの分布を7群373頭調査し, 1群については, これらと“肉の特性指”との関係を検討した。
1) 安静時の血清CPK, LDHt及びLDH5の百分比と活性値は正規分布をしないのでCPK, LDHt及びLDH5の活性値は対数変換を, LDH5の百分比は逆正弦変換をすることが必要である。
2) 安静時のCPK, LPHt及びLDH5の百分比と活性値は群間に有意差が認められるので, ストレス感受性個体検出に当っては個々の集団の分布を知っておく必要がある。なお, 性差は認められなかった。
3) 血清CPK, LDHt及びLDH5の百分比と活性値には, 安静時に極端に高い値 (変換値で2σ以上) を示す個体が少数認められ, これらは好ましくない肉の物性値を示す傾向があり, ストレス感受性個体であると考えられた。
4) 肉の保水力とlogCPK, arcsin√LDH2%, arcsin√LDH5%及びlogLDH5活性との間に|0.271~0.343|の有意の相関が認められ, また, 肉の硬さとlogCPKとの間にも0.299の有意の相関が認められた。Im値とlogCPK logLDHt, arcsin√LDH2%, logH/M及びlogLDH5活性との間に|0.252~0.312|の低いけれども有意の相関が認められた。Imと測定酵素10項目との重相関を求めても単相関に比べ重相関係数の有効な上昇が認められなかった。

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