日本養豚研究会誌
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カルシウム, 燐給与水準が肉豚の増体量, 飼料要求率, と体成績, 骨の性状, 血清中のCa, P含量および脚弱におよぼす影響
森 淳長野 錬太郎
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1981 年 18 巻 1 号 p. 1-13

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抄録

Ca, P給与水準が肉豚の増体量, 飼料の利用性, と体成績, 骨の性状, 血清中のCa, P含量およびアルカリホスファターゼ等ならびに脚弱におよぼす影響等について知るため, 主としてランドレース種77頭を供試し, 試験した。
飼養試験ではCa給与水準はむしろ低い0.25%区がすぐれたが, P給与水準は0.40%以下では成績が劣り, 0.40%以上は必要であり, またCa-Pの割合がバランスのくずれたものは劣り, Ca-Pの割合は1.25-1.00がすぐれた。
と体成績にはCa, P給与水準の影響はみられなかった。
Ca, P給与水準が大腿骨の粗灰分, Ca, P含量におよぼす影響については, それぞれ給与水準が低いと, 粗灰分, Ca, P含量とも低かった。Caの要求量は飼養成績の要求量より高く, 0.65%は必要であった。Pの要求量は, 飼養成績と一致し, 0.40~0.45%で十分であった。
血清中のCa, P含量は, 給与水準が増加するにしたがい, 増加したが, P給与水準を増加した場合, Ca含量は恒常性を示し, P含量と逆の傾向を示すものもあった。飼料中のCa, Pの給与量が不足した場合には, 血清中のCa, P値からある程度判定がつくが, 適量を判定することは困難である。
脚弱とCa, Pの給与水準の関係は給与量が極端に過不足がある場合は脚弱が起こると言えるが通常の水準の範囲ではそれ程影響があるとは言えない。

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