離乳母豚の発情同期化を図る目的で, 分娩後7日目から離乳時までTDN68%, DCP11%の指定配合飼料を不断給与し, 同一日に数頭の母豚を離乳した。離乳前後の減食・絶食を行わず, 授乳期以外は配合飼料1.4kgと粉砕エン麦 (TDN54%, DCP6.3%1.2)kgを1日1回に給与した。
発情の同期化状況はI報で述べており, 本報では母豚の飼料摂取日量, 体重の推移および子豚の発育などについて報告する。
調査母豚数は, L種: 134頭, W種: 87頭, H種: 80頭の計301頭であり, 産次別頭数は1~6産次まで, それぞれ77, 65, 59, 46, 31, 23頭であった。
1 母豚体重は授乳期間中にも増加し, 6産次で3品種ともに15kg以上の増体があったこと, W種1産次の3.0±12.0kgおよびH種3産次の8.7±13.0kgを除くと, L種では3.4~5.3kg, W種では8.1~11.5kg, H種では15.6~18.3kgの増体がみられた (平均値)。
2 不断給与中の, 母豚飼料摂取日量は, 1産次で6.8~7.1kg, 2産次で7.6~8.1kg, 3産次以降はH種6産次の7.7±0.5kgを除くと8.0~9.3kgとなっており, 品種や産次でバラツキはあるものの, かなり多い摂取量であった。従って, 授乳全期間の平均値は, 1産次で6.4~6.6kg, 2産次で7.0~7.3kg, 3産次以降は7.2~8.5kgとなっており, 日本飼養標準よりも約2kg多い摂取日量となった。
3 5週令子豚総体重は, L種3産次の81.7±14.8kgが最大, H種1産次の46.3±13.2kgが最小であった。また, いずれの産次においても, L種がすぐれ, 次にW種, H種はかなり劣っていた。
4 授乳期間中の母豚増体重 (X), 不断給与中の飼料摂取日量 (Y), 5週令子豚総体重 (Z) の間の単相関および偏相関を求めた。
XとYには正の相関があり, γ
XYは6産次を除く各産次, γ
XY・Zはいずれの産次においても有意であった。
XとZには負の相関があり, γ
XZは6産次を除く各産次, γ
XZ・Yはいずれの産次においても有意であった。
YとZには正の相関があり, γ
YZは1, 3, 4, 6産次γ
YZ・Xは全産次において有意であった。
YのXとZに対する回帰式は, どの産次でも類似しており, また, いずれも有意であった。
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