日本養豚研究会誌
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ランドレースの乳頭数の変異と遺伝
椎葉 純一宮嶋 松一河野 建夫高橋 努稲垣 二郎
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1981 年 18 巻 1 号 p. 14-21

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抄録

ランドレースの乳頭数の変異と遺伝について, 107頭の父と823頭の母, その産子6,663頭のデータを分析したところ, 次のような結果を得た。
1 乳頭型の変異は5:5から9:9の範囲にあり, 7:7型の出現率が最も高く, 約半数を占めていた。
2 乳頭数は10個から18個の範囲に分布し, 14個の出現率が51.2%と高く半数を占めていた。しかも, その分布は正規分布に近かった。
3 乳頭数の世付に対する回帰は負の有意な値で, 世代の変化とともに少なくなる傾向にあった。
4 繁殖に供用した親の乳頭数は, 11個から16個の範囲に分布し, 14個が最も多く54.3%であった。親の乳頭数の世代に対する回帰は負の有意な値で, 世代の経過とともに乳頭数が少なくなる傾向にあった。
5 乳頭数の性的差異は認められなかった。
6 乳頭数の多い個体の交配からは, その産子の乳頭数は多くなる傾向があった。
7 乳頭数の遺伝率は高く, 表型選抜によって乳頭数を増加させ得ることが示唆された。

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