日本養豚研究会誌
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妊娠および授乳豚の飼料給与の実態と養分要求量との対比について
眞田 武斉藤 至是羽成 勤
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1981 年 18 巻 3 号 p. 173-178

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抄録

茨城県下の養豚農家137戸 (延179戸) を対象に, 妊娠豚935頭, 授乳豚706頭計1,641頭の給与飼料の実態を調査し, 日本飼養標準による養分要求量と対比をした。
1) 妊娠豚の給与飼料は, 若豚 (未経産) では, 13~16週の妊娠後半に量, 質ともに増加する傾向がみられたが, 成豚 (経産) では, 妊娠中ほぼ一定量を給与していた。日本飼養標準との対比では, 若豚, 成豚ともに120%以上給与しており, さらに高蛋白質飼料を給与している実態が明らかになった。すなわち, 妊娠豚では高蛋白質飼料を多給しており, 飼料の無駄を省くためにも, 飼料の栄養価および給与量の適性化が望まれる。
2) 授乳豚の給与飼料は, 若豚 (1産目), 成豚 (2産以降) ともに授乳日数の進むにつれて増加していたが, 子豚数に伴って増加しているのは成豚のみであった。日本飼養標準との対比では, 若豚, 成豚ともに70%以下の給与量であった。とくに分娩後4日までの期間では, それ以降に比べかなり低い値であったが, これと併行して日本飼養標準がやや多いようにも思われた。授乳中の飼料の不足は, 栄養低下により体の回復が遅れ, その結果繁殖回転率の悪化へと関連して行くものと考えられ, 給与飼料を増加させる必要があると思われた。

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