1985 年 22 巻 2 号 p. 88-93
本報においては, 宮崎県での選抜結果について報告する。
繁殖集団の大きさは世代平均で雄が11.0頭, 雌が44.1頭で, 試験期間中の平均近交, 血縁係数の上昇はそれぞれ7.7%と21.3%と推定された。選抜指数値の標準選抜差は, 世代あたり雄で1.15, 雌で0.61であった。
累積選抜差に対する選抜反応から求めた指数値の実現遺伝率は雄で0.28±0.04, 雌で0.35±0.03で, 岩手県で推定された値と同様に理論上の期待値0.30と良く一致していた。
選抜指数式を構成する4形質の相関選抜反応量の世代あたりの実現値は, 1日平均増体重が-2.59, 背脂肪の厚さが-0.049cm, ロース断面積が0.54cm2, ハムの割合が0.09%であり, 1日平均増体重を除いて期待値を上まわる反応量が得られた。1日平均増体重において選抜反応が見られなかった原因について, 指数式作製に用いた特性値と実際の集団で推定した特性値を比較し検討を加えた。