日本養豚研究会誌
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背脂肪の厚さと脂肪細胞の大きさの品種間差と性差の成長に伴う変化
千国 幸一神部 昌行小沢 忍小石川 常吉吉武 充矢野 信礼
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1986 年 23 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

ランドレース種, ハンプシャー種, デュロック種の去勢と雌より30, 50, 70, 90kg時に背脂肪の脂肪組織を採取し, 成長に伴う脂肪細胞の大きさの変化とその品種間差, 性差の発現時期について検討した。同時に背脂肪の厚さを超音波測定装置によって測り, 厚さの変化についても検討した。
背脂肪の厚さの品種間差は70kg時から有意となり, ランドレース種の背脂肪が他の2品種に比べ厚かった。この品種間差は30kg時から傾向が認められた。
性差は30kg時にはなく, 70kg時から有意な差となった。去勢は雌よりも背脂肪が厚く, 差は成長とともに拡大した。
脂肪細胞の大きさの変化も背脂肪の厚さの変化に似ていた。成長に伴って大きさは増加し, 30kgと50kgの間で最も増加した。
ランドレース種は他の2品種と比べて脂肪細胞が大きく, 品種間差は30kg時から有意であった。またランドレース種内での腹の違いによる差異も30kg時には表われる傾向が認められた。
脂肪細胞の大きさの性差は90kg時の内層にのみ認められ, 去勢が雌よりも大であったが, その他の体重では有意差がなかった。
以上のことから, 背脂肪の厚さの品種間差は脂肪酸合成能の差異により, 成長の比較的初期から脂肪細胞の肥大によって起こると考えられた。性差には細胞数の差異も関与していることが考えられた。

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