1968 年 5 巻 1 号 p. 6-11
1. ランドレースおよびヨークシャーの妊娠豚の体重推移の実態を調査し, 妊娠豚の飼養管理をより合理的にすることを目的として本研究を行なった。
用いた材料は昭和38年11月より41年11月までの期間に得られたランドレース45腹, ヨークシャー57腹を用い, 体重測定値は毎月1日, 15日の月例体測値である。
2. ランドレースにおいて種付月より分娩月までの体重増加率は初産で48.7%で最も大きく, 次いで2~3産の36.6%, 4~5産の33.2%, 6産以上の29.3%と増加率が産次を重ねるにつれ漸減している。種付時体重は産次を重ねるにつれ大きくなっている。
3. ヨークシャーにおいてもランドレース同様に増加率は同じような傾向がみられ, 初産で36.2%, 2~3産で35.9%, 4~5産で23.8%, 6産以上は27.1%増となり, 産次を重ねるにつれ漸減する傾向がある。種付時体重はランドレースと同様に大きくなっているがランドレースが4産以上になっても増体しているのに対し, ヨークシャーでは4産以上になると種付時体重がほとんど増体していない。
4. 両種のうちで分娩月までの増体量の最も大きいのはランドレースの未経産で分娩までの間に67.8kg増体しており, 次いで同じく2~3産の63.9kgとヨークシャーよりランドレースの方が増体量が大きく, ヨークシャーでは2~3産が56.5kgと最も大きかった。また, ランドレース初産の分娩後1ヵ月の体重のバラツキは大きく, 変異係数が15.3であり, 次いで同初産の分娩月の14.5であった。
5. 四季別にみて種付月に対する分娩月の増体比の大きいのは冬期分娩のヨークシャーで39.0%増, 同じくランドレースの31.2%増となっており, 春, 秋の場合より大きかった。夏においても同様な傾向がみられ, 春と秋分娩の離乳月のものはランドレースで夏, 冬の71%から77%ぐらいの減量しかみられず, ヨークシャーにおいても同様な傾向がみられ, 夏と冬の体重の増加と減少の比率が大きかった。