日本養豚研究会誌
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豚の直腸脱手術の簡易法について
中野 優栗原 武
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1968 年 5 巻 2 号 p. 84-86

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抄録
豚の直腸脱の手術を簡易に行なうために竹筒および硬質ゴム管を用いて結紮による方法を試みた。この結果次の知見をえた。
1) 手術用に竹筒, あるいは硬質ゴム管を用いて手術を行なったが, 竹筒による場合は予後不良で, 腹膜炎や再直腸脱をおこし斃死した。また竹筒による場合は結紮がゆるみ, しまりが不充分となりやすかった。
硬質ゴム管による場合は, 何れも予後良好となり, 順調な発育をした。
これは, 竹筒は弾力性がないため結紮が充分でなく, 且つ, ゆるみ易く, 硬質ゴム管は弾力性がるあため, 結紮が充分に行なえるためと考えられる。
2) 直腸脱部が手術により脱落するものは, 8~10日前後であった。
3) 排糞は, 硬質ゴム管を用いた場合, 何れも異常なく行なわれていた。
4) 手術豚の発育は, 硬質ゴム管による場合は何れも順調であった。
以上の所見から, 直腸脱の手術に硬質ゴム管を用い, 肛門に接した部を結紮し, 自然脱落をはかる方法は平易であり, 手術後の発育も良好で, 実用化する価値が充分あるものと判断された。
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