環境温度が子豚の窒素代謝におよぼす影響を検討するため, 生後約5週令の大ヨークシャー種6頭を用い, 環境温度33℃, 23℃, 7℃, 湿度約50%の恒温室で試験を行った。
1) 試験期間 (5日) における発育は, 制限給飼の場合, 33℃区>23℃区>7℃区の順であり, 自由給飼の場合は, 7℃区>33℃区>23℃区の順であった。
2) 飼料要求率は, 制限給飼の場合, 33℃区<23℃区<7℃区の順となり, 自由給飼の場合には, 33℃区<7℃区<23℃区の順となった。
3) 自由給飼の場合の採食量は, 33℃区と23℃区でほぼ同じ量であったが, 7℃区では他の2つの区の約1.5倍であった。
4) 糞中窒素排泄量は, 制限給飼, 自由給飼いずれの場合にも, 7℃区が他の2つの区よりも高い値を示し, その結果, 7℃区の窒素消化率は, 33℃区, 23℃区に比べて低下した。
5) 窒素摂取量, 可消化窒素摂取量に対する尿中窒素排泄量の割合は, 7℃区が最も高く, 23℃区と33℃区の間には著しい差はみられなかった。
6) 可消化窒素摂取量に対する体内窒素蓄積量の割合は, 制限給飼, 自由給飼いずれの場合にも, 7℃区がかなり低い値を示した。
これらの結果は少頭数の試験によるものであり, さらに例数を加えて検討しなければならぬ点が多く含まれており, あくまでも予報としての報告であることを付記する。
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