日本養豚研究会誌
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豚の萎縮性鼻炎の防除に関する試験
超早期離乳について (予報)
森谷 昇一和藤 昇古市 充利
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1968 年 5 巻 2 号 p. 97-104

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抄録

AR清浄豚作出方法の手段として, 子豚が母豚と接触することを可能なかぎりさけ, かつ省力的な子豚育成方法を究明するために, 隔離ほ育を前提とした超早期離乳による育成成績の大要は次のとおりである。
1, 6~10日令離乳 (A区) で市販人工乳を使用した場合
ア, 泌乳量は初日を最高に漸減した。
イ, 泌乳量の推移はほ乳子豚が少ないものほど枯乳が早かった。
ウ, ほ育率は20日令 100.0%, 40日令91.9%と良好な成績を得た。
エ, 発育斉度はおおむね良好であった。
オ, 発育は初期やや遅れたが, 120日 令頃から急速に増体した。
2, 2日令離乳 (B区) でSPF豚用人工乳を使用した場合
ア, 育成率は20日令で84.0%, 40日令で80.0%とA区に比較してやや劣った。
イ, 発育成績は前者と大差なく同様の傾向を示した。
ウ, 母豚との接触回数は, A区の場合に比較すれば1/5以内に減少した。
エ, ほ育労力は, ほ乳のための子豚運搬, 母豚乳房の清拭その他の作業が2日以後なくなるので, 大きく節約できることが確認された。
以上のことから, SPF豚用人工乳を使用した2日令離乳による子豚の育成方法は, AR清浄豚作出方法に関して有効な手段であるものと考えられる。
なお, 今後隔離育成の精度を高めるうえから初乳の搾乳給与等によるほ育方法について検討中である。

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