日本養豚学会誌
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梅山豚の成長にともなう枝肉構成の変化
秋田 富士宮本 進安藤 四郎神部 昌行池田 敏雄山田 豊中井 博康
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1995 年 32 巻 4 号 p. 213-220

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抄録

梅山豚 (M) の枝肉構成が, 30, 60, 90kgの屠殺時体重によってどのように変化するかをランドレース種 (L) とデュロック種 (D) を対照にして比較検討した。供試豚としてM27頭, L15頭, D16頭の去勢雄を使用した。
屠体長の体重の増加にともなう増加量はMがD, Lより小さかったが, 屠体幅ではMがD, Lより大きかった。背脂肪の厚さはM%gt;L>Dの順となり, LとDは成長とともに徐々に増加したが, Mは30~60kgの間に急激に増加し, 成長にともなってMとL, Dとの差が大きくなった。ロース断面積はMがD, Lより小さい上に増加量も少なかった。
枝肉歩留り (%) では, 各屠殺時でMが他の2品種より低かったが, 発育にともなう変化量には品種間で大きな差は認められなかった。枝肉構成の変化ではMはD, Lに比べ30kgでは前躯割合が高く, 後躯割合が低く, 中躯割合は同等であった。30~60kgでMは他の品種より中躯割合が増加した。
枝肉の赤肉割合は, 発育にともなってMが他の2品種より急激に減少し, 逆に脂肪割合は急激に増加した。骨の割合では各屠殺時体重とも, D>M>Lの順で梅山豚特有の傾向は認あられなっかった。また, 枝肉の全赤肉量に占める各種筋肉の割合では, 経済価値の高い胸最長筋でDとLは発育にともない増加の傾向を示したが, Mでは減少した。
以上のような枝肉構成の変化から判断すると, Mの出荷適期は60kg以下であると考えられた。

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