2020 年 29 巻 4 号 p. 208-
(要旨) 本論文では,月縦孔降下中の探査プローブが撮像した複数の時系列画像を用いて,月縦孔側壁形状を3次元再構成することを目的とする.3次元再構成では,Simultaneous Localization and Mapping (SLAM) の技術を援用し,探査プローブの自由落下運動条件をSLAM の各処理過程に組み込むことによって,カメラの回転に頑強なSLAM へと改良した.提案SLAM のシミュレーション検証において,3次元再構成の精度向上を確認した.さらに,探査プローブ搭載カメラの性能の違いによる3次元再構成への影響の検証も実施し,本研究で得られた検証結果から,ミッションシナリオと探査プローブの運動要件,カメラ性能に関する議論を行った.