2022 年 31 巻 1 号 p. 6-17
2010年代において原始惑星系円盤の形成と初期進化の理解は急速に進展した.ALMA 望遠 鏡を中心としたサブミリ波帯での観測が大きく進展し,形成段階にある円盤やその周囲のエンベロープの詳細な構造が明らかになった.この観測の急速な発展に触発され,観測事実を整合的に説明する理論として弱電離ガスと磁場の適切なスケールでの結合,脱結合,再結合過程の重要性が近年認識されてきた.本稿では,この磁場と弱電離ガスが織りなす原始惑星系円盤の形成と初期進化について基礎的な部分から記述する.