日本惑星科学会誌遊星人
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「フロンティアセミナー・テキスト」宇宙での生命の起源,進化,伝播および探査 第2回 生命の起源と進化
山岸 明彦
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2023 年 32 巻 2 号 p. 68-122

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抄録

生命の起源に関して,微小球構造,ベシクルの寄与や代謝を重視する説がある.最初の生命はRNA複製リボザイムをもっていたというRNAワールド説が,遺伝の仕組みが誕生する過程として提案されている.現存する生物遺伝子の解析から全生物の共通祖先は化学合成能をもった超好熱菌であった可能性が高い.真核生物はアスガルド古細菌にアルファプロテオバクテリアが細胞内共生してミトコンドリアとなり誕生した.光合成系IとIIの二つをもつシアノバクテリア誕生のモデルが提案されている.シアノバクテリアが紅藻祖先へ共生することで葉緑体が誕生し,紅藻は緑藻と分岐した.16億年前頃に紅藻と緑藻は他の単細胞真核生物に二次共生した.10億年前には単細胞真核生物の多細胞化が独立して複数回起きた.生命は,遺伝子の変化,形態形成遺伝子の変化によってダーウィン進化してきた.顕生代には何回かの大量絶滅とそれに続く適応放散が起きた.生命の定義や生命構成元素の可能性に関しても紹介する.

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