本稿は、Howard-Grenville et al. (2016) の第4章「習慣の多面性:ルーチン論への示唆」を紹介したものである。第4章は、組織ルーチンを構成する行為者の習慣に焦点を当て、習慣には機械的に行われるものばかりでなく、より有機的な活動が存在することを提言する。行為者の熟考と、状況の変動性という二軸を用いて、習慣を類型化したうえで、組織ルーチン論への示唆を行っている。本稿では、第4章の概要を紹介したうえで、第4章の著者であるTurner and Cacciatoriの考察の背景、および残された課題を論じる。
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