日本先進糖尿病治療研究会雑誌
Online ISSN : 2436-0058
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原著
  • 田中 貴和, 田中 雅彰, 平野 和保, 坂根 直樹, 村田 敬
    2024 年 18 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/06/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス HTML

    【目的】妊娠糖尿病患者に対する対面と遠隔栄養指導の満足度調査の結果を報告する。

    【方法】選択基準は対面および遠隔栄養指導を受けたことのある妊娠糖尿病患者。遠隔栄養指導(1回20分)は電話で行った。出産後のフォロー時に栄養指導の満足度などにつき、アンケート調査を行い、またカルテから情報を抽出した。主要評価項目は妊娠糖尿病患者の対面栄養指導を基準とした遠隔栄養指導の満足度とし、150 mm visual analog scaleで計測した。

    【結果】解析の対象者は30名(年齢34±4.0歳、インスリン使用6.7%、血糖自己測定器使用86.7%)。栄養指導の回数(中央値[四分位範囲])は対面1 [1, 2]回、遠隔2 [1, 3]回であった。対面栄養指導を基準とした遠隔栄養指導の満足度は0.0 [-13.0, 0.0] mmで、対面栄養指導と遠隔栄養指導の間に差を認めなかった(p = 0.411)。身体的負担は-56.0 [-75.0, -22.8] mm (p <0.001)、時間的負担は-49.0 [-75.0, -23.5] mm (p <0.001)、理解度は-2.5 [-39.8, 0.0] mm (p <0.001)であった。満足度と話し足りなさには負の相関が見られ(相関係数 = -0.430、p = 0.018)、満足度と実践への繋がりには正の相関が見られた(相関係数 = 0.455、p = 0.012)。

    【結論】妊娠糖尿病患者に対する遠隔栄養指導の満足度は対面栄養指導と差がない可能性が示唆された。また、遠隔栄養指導では対面栄養指導よりも身体的および時間的負担が少ないものの、理解度が低い可能性があることが示唆された。加えて、対面栄養指導と比較した遠隔栄養指導の満足度は話し足りなさおよび実践への繋がりと関連していることが示唆された。

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