大学ICT推進協議会年次大会論文集
Online ISSN : 2434-9305
ISSN-L : 2186-7127
最新号
選択された号の論文の111件中101~111を表示しています
  • 掛井 将平, 守屋 賢知, 齋藤 彰一, 松尾 啓志
    p. 531-538
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    名古屋工業大学サイバーセキュリティセンターでは,センターの実務者が学内計算機のOS更新状況を確認する手段と,計算機の利用者・管理者がOS更新の要否を確認する手段を提供するためにOS更新状況可視化システムを構築した.構築したシステムを利用してOS更新状況の傾向を分析したところ,新しいバージョンのリリースにあわせて比較的速やかにOSが更新されている様子が確認できた.一方で,本学のOS更新の目安である二か月よりも古いバージョンのOSを利用している計算機が140台前後を推移している様子も確認できた.
  • 鈴木 常彦
    p. 539-542
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    隠れオープンリゾルバ (送信元詐称クエリが到達するDNS リゾルバ) の対策状況を追跡している。2011年春から約10万のリゾルバを追跡調査している。JPでは3割が脆弱であったがこれまでに対策されたのはその36%である。2022年11月の経営情報学会と2023年2月の電子情報通信学会で経過報告を行っているが本報告はその後の状況について特にAC.JPに関して報告するものである。AC.JPでは最初の報告から900日を経過しても約8割が未対策である。
  • 村田 貴司, 矢部 博, 吉澤 敦子, 赤倉 貴子, 小栗 映理, 山﨑 涼, 加古 達也, 鈴木 聡介, 久保田 洋一, 吉川 昌吾
    p. 543-550
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    データ分析ニーズが高まりGenerative AIが急速に普及する現在、情報の扱いに優れた人材の育成が非常に重要となっている。東京理科大学とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下NTT Com)は、2022年度、東京理科大学の経営系を含む学生を対象にICTの学習におけるLMSと市販教材の活用の有効性と課題を検証する共同実験を行った。また、理系学生のICTに対する知識レベルがどれくらいであるかも調査した。 なお実験ではLMSにMoodleを、学習教材にNTT Comが提供するインターネット検定「.comMaster ADVANCE」を採用し、受講生には期初と期末に同レベルの検定試験を受検してもらい、伸びを見ることで教育効果および理系学生の知識レベルを確認した。
  • 比嘉 広弥, 馬場 謙介
    p. 551-553
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,情報系資格試験のうちITパスポート試験について,演習問題を自動的に作成し,利用者に合わせた問題を出題する演習システムの開発を行う.本稿では,演習システムの概要を述べ,主な2つの機能について関連する要素技術と提案手法のアイデアについて説明する.ひとつの機能では,演習問題の自動生成として,意味の類似する語の推定技術を用いて問題の選択肢の自動生成を行う.もうひとつの機能では,利用者に適した演習問題の選択として,大学で開講されている講義と資格試験の分野との関係を推定することにより,講義の履修状況や成績を演習問題の選択の根拠にする.これらのアイデアの実現へ向けて,関連研究の調査結果と予備実験の結果を報告する.
  • 喜多 一, 森村 吉貴, 岡本 雅子
    p. 554-559
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    京都大学では2018年度より全学共通科目としてプログラミング演習 (Python) を開講しており,2019年度からはこの科目での利用を目的に教科書を開発し,以後,毎年改訂している.この教科書は授業時間以上に授業時間外学習が求められる大学の授業とプログラミングの初学者の履修を前提に自学自習に配慮して開発されている.そこでは一方で,初学者が陥りがちな躓きに配慮し,他方で簡単なプログラムを自ら設計、実装、テストできるようになることを目標としている.本稿では教科書開発の背景,編集上の考慮事項,電子化と公開,授業実践を通じた改善,残されている課題などを論じる.
  • 石黒 克也, 佐々木 正人, 遠藤 隆俊
    p. 560-566
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    高知大学では、2016年度よりプログラミング未経験者向けの入門講義「初等プログラミング入門」を共通教育において開講している。主な目的はプログラミングの基本的な考え方を身につけること、およびプログラミングに対する潜在的な苦手意識を弱め、興味を持たせることである。また2020年度より順次開始されている、小中高におけるプログラミング学習を取り入れた新学習指導要領に基づく教育について知ってもらうことも目的の一つである。本稿ではこれまでに「初等プログラミング入門」で実践してきた内容を簡単に振り返り、今年度から始めた統計学を題材にした新しい内容での「初等プログラミング入門」について報告する。
  • 布施 泉, 野口 孝文
    p. 567-573
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    大学の一般教育として、独自開発したプログラミングロボットを用いた授業を2018年度より行っているが、毎年、様々な知識レベルの学習者が履修をしている。授業では、ロボットの基本操作を個別学習で学んだ後、グループの協調学習として、複数のロボットの動きによる作品を企画し、発表会と相互評価を行う。本稿では、本ロボットによる協調学習が知識レベルの異なる学習者に対し、広く興味関心を持つ学習構成になっていることを示すとともに、プログラミング能力の育成と深化をさらに目指す学習構成について考察する。
  • 中園 長新, 千葉 庄寿
    p. 574-581
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、大学生が授業で大学PCや必携PCを利用することに対してどのような意識を持っているか、情報系授業のツールとしてどのような機器の利用を期待しているのか、といった観点から、これからの大学における情報系授業で利用する情報端末に求められる条件を考察した。2年間にわたるアンケート調査の結果、年度による学生の意識の変化は大きくはなく、大学PCや必携PCに対してさまざまな意識を抱いていることが明らかになった。調査と考察の結果、半数以上の大学生がメイン利用機器として必携PCを希望しており、その要件として「使いやすく、慣れ親しんだ端末であること」「可搬性を有し、いつでもどこでも活用できること」「データのやりとりにおいて負担がないこと」「教員の演示と同じ環境で作業できること」「ソフトウェア等の環境や機能が整っていること」の5点が見出された。
  • 飯室 聡
    p. 582-588
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    実験ノートは、日々の研究、実験の記録であるとともに、研究の誠実さの根拠および不正疑惑に対する反論のエビデンスという側面を持つ。従来の紙の実験ノートから電子ラボノートへの切り替えが進みつつある現在、導入にあたって研究者とともに考えるべき課題が大きく2つある。一つはELNを「研究の誠実さの根拠および不正疑惑に対する反論のエビデンス」と捉えるために必要な研究データ管理の考え方である。そこで大切なのは、研究公正という視点である。ただし、本邦においては、研究倫理Research ethicsと研究公正Researchintegrityという2つのコトバが明確な定義なく使われている印象がある。両者は似て非なるものである。もう一点は、ELN導入に際しては前段階での準備がかなり必要であるということである。多くの機関や研究者は「ELNを導入したら研究データ管理が楽になる」と考えがちであるが、実際には事前に多くの検討事項があり、その負荷は決して小さくない。事前にプロジェクト全体を把握し、それを管理できる体制を構築することは、プロセス管理の整備に他ならない。そしてプロセス管理された環境であるからこそ、そこの蓄積されたデータ/メタデータは研究の誠実さの根底となるのである。
  • 匹田 篤, 稲垣 知宏, 長澤 江美
    p. 589-592
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    筆者らが、これまで開発、活用しているウェブベースのSNSシミュレータは、一つの正 解に導くことではなく、他者の回答やコメント記述から、学習者の判断や解釈の多様さに 気がつかせることが大きな特徴である。この学習が、特にSNSの投稿の解釈や発信に自信 を持っているグループに対して態度形成に寄与していることを、シミュレータの前後にお ける学習者の変化から明らかにした。
  • 酒井 博之, 喜多 一, 日置 尋久, 櫻川 貴司, 平澤 明, 加古 達也, 久保田 洋一, 鈴木 聡介, 吉川 昌吾
    p. 593-598
    発行日: 2023/12/06
    公開日: 2025/07/09
    会議録・要旨集 フリー
    新型コロナウイルス感染症の流行を契機としたオンライン授業の急速な普及などにより大学生のICT利用に関する環境は大きく変化したと考えられる。本稿では、主に文科系学部の学生を対象とした一般情報教育の演習科目において実施されたインターネット検定試験の受検者に対するICT利用環境に関するアンケート調査について、2020年度を除く2019年度から2023年度までの結果を比較することにより、コロナ禍期を含む学生のICT利用環境の変化について検証及び考察をおこなった。その結果、下宿や自宅において約8割の学生が安定的な固定回線を使用してインターネット接続していることや、PCやスマートフォンの使用開始時期について、前者はPCの使用開始時期が学校段階を通じて全体的に遅れている可能性があること、後者は開始時期の低学年化が顕著であることなどが示唆された。
feedback
Top