戦略経営ジャーナル
Online ISSN : 2185-8985
ISSN-L : 2185-8985
9 巻, 1 号
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表紙
査読研究論文
  • 日浅 優
    2021 年 9 巻 1 号 p. 1-21
    発行日: 2021/12/25
    公開日: 2022/02/14
    ジャーナル フリー

     組織間関係を対象とするマネジメント・コントロール・システム(MCS)研究で,信頼が成果を阻害するリスクを低減している点で,MCS を補完していることが明らかにされた。組織内MCS 研究でも同様に,上司への信頼(垂直的信頼)やメンバー間の信頼(水平的信頼)が協働を抑制することが議論されている。しかし,垂直的信頼と水平的信頼が同時に,どのようにMCSを補完しているのかは明らかにされていない。本稿では,ホテル業A 社を対象に,MCS として用いられている予算管理と方針管理が協働を促すプロセスに垂直的信頼と水平的信頼がどのような影響を及ぼしているのかを検討した。その結果,垂直的信頼は予算管理が方針管理での議論を促すプロセスに,水平的信頼が方針管理での議論が協働を促すプロセスに正の影響を及ぼすことが明らかとなった。

査読研究ノート
  • イメージ・モチーフの実証実験を通じて
    宮本 文幸
    2021 年 9 巻 1 号 p. 23-38
    発行日: 2021/12/25
    公開日: 2022/02/14
    ジャーナル フリー

     化粧品などの商品カテゴリーにおいて、パッケージ・コミュニケーションを主要因としてヒット商品につながる事例から、それらの共通要因としてイメージ・モチーフが抽出され様々な実証研究がなされている。イメージ・モチーフとは「商品コンセプトを象徴的なビジュアルで表現する具体的なテーマであり、商品の作り手が設定し、パッケージ全体の外観デザインと、商品属性情報(表示)に反映するもの」とされる。これまでの実証研究によって、その効果とメカニズムや化粧品以外のカテゴリーへの適用可能性などが明らかとなってきている。本稿ではイメージ・モチーフの他国における適用研究として、化粧品パッケージによる中国人女性への適用可能性に関する実証研究について報告する。

  • 事業者の収益改善に資する要因分析
    那須野 育大
    2021 年 9 巻 1 号 p. 39-58
    発行日: 2021/12/25
    公開日: 2022/02/14
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は、地域鉄道95社について、複数のグループごとに(1)「収益性に影響を与える要因」を検討した上で、(2) 活性化方策を提案することにある。分析手法として多変量解析を採用する。

     第1 に、クラスター分析を行う。地域鉄道95 社を「自助努力で改善困難な項目」(営業キロ、輸送密度、大都市の有無、観光地の有無)に基づき、複数のグループに分類する。第2 に、当該グループごとに重回帰分析を行う。被説明変数は「鉄道事業営業収益」、説明変数は「自助努力で改善可能な項目」(運賃、列車本数、表定速度、定期外旅客比率)とする。

     第3 に、上記の分析結果を踏まえ、グループごとに活性化方策を提案する。すなわち、①需要希薄型50 社は「沿線客のための列車本数と駅数の増加」と「観光客誘致に向けた外部との連携強化」が、②需要潜在型35 社は「沿線客の潜在需要掘り起こし」と「観光客向けサービスの付加価値向上」が、それぞれ有効であることを提示する。

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