本研究の目的は、地域鉄道95社について、複数のグループごとに(1)「収益性に影響を与える要因」を検討した上で、(2) 活性化方策を提案することにある。分析手法として多変量解析を採用する。
第1 に、クラスター分析を行う。地域鉄道95 社を「自助努力で改善困難な項目」(営業キロ、輸送密度、大都市の有無、観光地の有無)に基づき、複数のグループに分類する。第2 に、当該グループごとに重回帰分析を行う。被説明変数は「鉄道事業営業収益」、説明変数は「自助努力で改善可能な項目」(運賃、列車本数、表定速度、定期外旅客比率)とする。
第3 に、上記の分析結果を踏まえ、グループごとに活性化方策を提案する。すなわち、①需要希薄型50 社は「沿線客のための列車本数と駅数の増加」と「観光客誘致に向けた外部との連携強化」が、②需要潜在型35 社は「沿線客の潜在需要掘り起こし」と「観光客向けサービスの付加価値向上」が、それぞれ有効であることを提示する。
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