日本小児科医会会報
Online ISSN : 2435-9270
Print ISSN : 0912-1781
61 巻
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特集
第10回日本小児科医会乳幼児学校保健研修会
日本小児科医会国際委員会研修会報告
原著論文
  • 樋口 隆造, 青柳 憲幸, 利光 充彦, 中森 幸絵, 月山 聖子, 佐藤 洋一, 深尾 大輔, 大石 興, 鈴木 啓之
    2021 年 61 巻 p. 29-32
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル 認証あり

    和歌山県北部(人口78万,15歳未満9.5万)の夜間休日小児一次救急外来を2009年に集約した和歌山市夜間休日応急診療センター小児科では2011年から2019年まで受診者数,二次紹介患者数は大きな年間変動がなく,それぞれ1日平均48.3人,1.3人であった。二次紹介患者のうち嵌頓包茎は2011–2014年の4年間にはなく,2015年1例,2017年3例,2018年1例,2019年1例であった。年齢は1歳11ヵ月から12歳11ヵ月,平均7歳0ヵ月で,6例中3例が6歳未満の幼児であった。全て包皮翻転手技中に発生し,手技者は本人が3例,母が3例で,目的は亀頭洗浄が3例,包茎治療が3例であった。6例とも紹介した二次病院の泌尿器科医によって徒手整復された。2011–2014年と2015–2018年の4年間で比較すると統計的有意差はなかった(p = 0.0625)が,包皮翻転手技に関連した重症の嵌頓包茎は最近増加の傾向にあると思われ,亀頭洗浄や包茎治療を目的に包皮翻転手技を行うには手技指導,合併症の注意喚起,嵌頓包茎の対策が必要と思われる。

Experience
一筆啓上
小児と医療トラブル No.26
  • 桑原 博道
    2021 年 61 巻 p. 49-51
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/30
    ジャーナル 認証あり

    医療機関においても,車椅子を利用しつつ勤務する例が増えている。本件は,そうした車椅子利用者である医師(後期研修医)と他の医師(小児科医師)との院内事故事例である。具体的には,後期研修医が車椅子を利用して勤務中,小児科医師の白衣の一部が車椅子にひっかかり,車椅子が転倒し,後期研修医が受傷したものである。この事例で,裁判所は,小児科医師と病院運営管理者に賠償を命じている。裁判所は,その判決文の中で,病院では車椅子利用者が多いのだから,医師などの医療従事者は,車椅子の接触等による不慮の事故が発生しないよう,安全を確保すべき注意義務を負っている,としている。また,医療機関としては,車椅子利用者を労働者として受け入れる場合には,関係職員にも障害の特徴を説明して配慮を求める等して積極的に注意を喚起すべきである,とも述べている。後者の点については,個人情報の目的外利用という観点からの配慮も必要である。医療者としては,医療現場で,患者が車椅子を利用している場合だけでなく,他の医療者が車椅子を利用している場合にも,注意を払い行動をする必要がある。

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