日本地下水学会会誌
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22 巻, 2 号
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  • 茶谷 邦男, 加賀美 忠明, 富田 伴一, 清水 通彦, 大沼 章子, 荘加 泰司, 浜村 憲克
    1980 年 22 巻 2 号 p. 63-72
    発行日: 1980/07/31
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    濃尾平野の地下1,5OOm以上の深さに及ぶ堆積層の下部に約50℃の高温の超深層地下水が存在する.その水質の経年変動をみる目的で9ケ所の井戸を選んで,1973年3月から1977年11月までの5年間に亘って,年1回ずつ水質を調査した.
    NaHCO3型の水が4例,NaCl型の水が4例であり,各井戸について5年間に亘る水質主要成分の変動(σ/X)は10%以下であり,水質的には非常に安定した地下水であることが知られた.
    しかし,1例のみは大きな変動を示すことが認められた.この例において,Cl-は101mg/lから488mg/lまで約5倍の濃さになるとともに,その組成がNaHCO3型からNaCl型に変化した.
    NaHCO3型の水が属する帯水層のCl-は122mg/lであり,上層部に位置し,Nacl型のそれは341mg/lであり,下層部に位置することが推定された.
    1例において大きな水質変動が認められたのは,この場合,ストレーナーの延長が約250mに亘っているため,上下2層の帯水層にまたがって揚水していることによる.揚水圧の変化または,ストレーナーの部分的な目づまりのため2層からの揚水量の割合が変ったために,汲み上げられる水の水質に大きな変化が認められたものと思われる.
  • 竹内 篤雄
    1980 年 22 巻 2 号 p. 73-101
    発行日: 1980/07/31
    公開日: 2012/12/11
    ジャーナル フリー
    地すベり活動に直接大きな影響を与える脈状地下水の存在位置と規模を推定する一方法として,流動地下水温と平常浅層地温との差を利用した浅層地温測定による地下水流脈探査法の可能性について検討した.
    第1章では現地観測結果に基づいて水脈のモデルを橿築し,非定常三次元熱伝達式を建て,それを差分法により数値解折した.ついでその結果を現地観測結果と対比し,そのモデルと熱伝達式の妥当性を示した.さらに浅層地温測定によって地下水流脈存在による平常浅層地温の乱れは十分に握えられることを示した.
    第2章では浅層地温測定方法と同調査法の適用時期および調査結果の再現性を中心にのベてある.測定方法は温度差の小さい地温を測定するに適した測定器を用い,郵定は測温体埋設後10分経てから行なうことにした.次に流脈規模を推定するに必要な測点間隔と流動地下水と平常1m深地温との最低必要温度差について検討し,半径5~10mの流脈を探査するには5~10mの測点間隔と±2.5℃以上の温度差が必要であることを示した.三番目に同調査法は流動地下水と平常1m深地温との温度差を利用したものであるため,その適用期間を求める必要がある.現地調査・理論計算によるとそれは9月と3月を中心とした期間であることが示された.最後に同調査結果の再現性は十分にあることを現地調査によって示した.
    第三章では測定値に関与する諸種の因子が検討された.日変化はlm深で地温を測定する限り,測定値への影響は無視できるが,年変化は長期調査を行なう場合はその影響がでるので,必要に応じてそれを補正する.地質の相違による影響は殆んどない.地形の影響は標高差350m程度までは測定値に影響をおよぼさない.さらに地況は±2℃もの影響をおよぼす場合があるので,その補正方法を提案した.
  • 1980 年 22 巻 2 号 p. 102a-
    発行日: 1980年
    公開日: 2012/12/14
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 22 巻 2 号 p. 102b-
    発行日: 1980年
    公開日: 2012/12/14
    ジャーナル フリー
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