目的:本研究は,産業保健活動を行ううえで,看護職が健康情報を適切に取扱うことができるようにするには,どのような課題があるかを知るため,健康情報取扱いにおける看護職の困難の内容を明らかにする.方法:2012年5月から7月にA県内の中規模事業所に勤務して3年以上の看護職10名を対象に,健康情報取扱いにおける困難について半構成的面接を行い,その内容を質的帰納的に分析した.結果:産業看護職の健康情報取扱いにおける困難の内容として106のコードが抽出され,12のサブカテゴリーに集約された.更に,【非効率的な健康情報管理システム】【個人情報取扱いが未熟な職場風土】【重要情報取扱いを左右する管理職との関係】【適切な情報取扱いを阻む看護職の状況】【健康情報を守秘することへのストレス】の5カテゴリーに集約された.考察:産業看護職は,【非効率的な健康情報管理システム】という基盤整備が不十分な物理的環境と,【個人情報取扱いが未熟な職場風土】という職場環境の下で,【重要情報取扱いを左右する管理職との関係】や【適切な情報取扱いを阻む看護職の状況】に向き合い,【健康情報を守秘することへのストレス】を抱えながら,情報取扱いに苦心しているものと推測された.したがって,産業看護職が健康情報を適切に取扱うことができるようにするには,健康情報管理システムの効率化,および,社内全体で健康情報取扱いへの認識を高める取り組みの必要性が示唆された.結論:健康情報取扱いにおける産業看護職の困難の内容は,【非効率的な健康情報管理システム】【個人情報取扱いが未熟な職場風土】【重要情報取扱いを左右する管理職との関係】【適切な情報取扱いを阻む看護職の状況】【健康情報を守秘することへのストレス】であった.
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