日本産業看護学会誌
Online ISSN : 2188-6377
2 巻, 1 号
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原著
  • 今田 万里子, 巽 あさみ
    2015 年2 巻1 号 p. 1-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/10/29
    ジャーナル フリー

    【目的】産業看護職の作業環境管理および作業管理に対する実践能力に関連する要因を明らかにする.【方法】産業看護職513名に自記式質問票を郵送し,206名より回答を得た(回収率40.2%).このうち本研究のテーマに沿って実態がより反映された結果を得るために所属機関が企業の者141名に絞って分析を実施した.【結果】役割認識,実践状況と有意な相関を認めた要因は「作業環境管理および作業管理の活動において社外研修が役立っている」,「作業環境管理,作業管理の活動困難感」など6項目であった.実践能力は役割認識と実践状況を介して各要因から影響を受けていると仮定しパス解析を行った.実践能力は実践状況,OJTが役立っている,から影響を受けており,実践状況は事業主の期待・理解・協力に影響を与えている,というモデルが得られた.【考察】実践能力は作業環境管理および作業管理の実践の蓄積により高められる.またOJTによる教育が重要であること,実践が事業主の期待・理解・協力を得ることにつながることが示唆された.

研究報告
  • 水野ルイス 里美, 高山 直子, 近藤 信子, 畑中 純子, 後藤 由紀, 河野 啓子
    2015 年2 巻1 号 p. 9-15
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/10/29
    ジャーナル フリー

    わが国においては,医療機関で働く保健医療従事者のための産業保健活動は立ち遅れている.その主な理由は,医療機関が保健医療従事者の集団であるがゆえに健康管理を保健医療従事者の自己管理とする傾向にあることである.

    本研究は,全国医療機関における産業看護職の配置を中心に産業看護職の活動実態を明らかにすることを目的とし、100床以上の2573医療機関の看護管理者を対象に,質問紙調査を実施した.649施設からの回答を得た(回収率 25.2%).

    産業看護職の配置については,「専任」36施設(5.6%),「兼任」43施設(6.6%),「配置されていない」568施設(87.5%)であった.産業看護職の配置を考えない理由は,「産業看護職の役割がわからない」が20.0%あり,産業看護職の役割や人材育成の低さの問題が明らかになり,産業看護職の認知度の低いことが示唆された.

資料
  • 藤田 麻理子
    2015 年2 巻1 号 p. 16-23
    発行日: 2015年
    公開日: 2021/10/29
    ジャーナル フリー

    目的:本研究は,産業保健活動を行ううえで,看護職が健康情報を適切に取扱うことができるようにするには,どのような課題があるかを知るため,健康情報取扱いにおける看護職の困難の内容を明らかにする.方法:2012年5月から7月にA県内の中規模事業所に勤務して3年以上の看護職10名を対象に,健康情報取扱いにおける困難について半構成的面接を行い,その内容を質的帰納的に分析した.結果:産業看護職の健康情報取扱いにおける困難の内容として106のコードが抽出され,12のサブカテゴリーに集約された.更に,【非効率的な健康情報管理システム】【個人情報取扱いが未熟な職場風土】【重要情報取扱いを左右する管理職との関係】【適切な情報取扱いを阻む看護職の状況】【健康情報を守秘することへのストレス】の5カテゴリーに集約された.考察:産業看護職は,【非効率的な健康情報管理システム】という基盤整備が不十分な物理的環境と,【個人情報取扱いが未熟な職場風土】という職場環境の下で,【重要情報取扱いを左右する管理職との関係】や【適切な情報取扱いを阻む看護職の状況】に向き合い,【健康情報を守秘することへのストレス】を抱えながら,情報取扱いに苦心しているものと推測された.したがって,産業看護職が健康情報を適切に取扱うことができるようにするには,健康情報管理システムの効率化,および,社内全体で健康情報取扱いへの認識を高める取り組みの必要性が示唆された.結論:健康情報取扱いにおける産業看護職の困難の内容は,【非効率的な健康情報管理システム】【個人情報取扱いが未熟な職場風土】【重要情報取扱いを左右する管理職との関係】【適切な情報取扱いを阻む看護職の状況】【健康情報を守秘することへのストレス】であった.

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