日本ベンチャー学会誌
Online ISSN : 2433-8338
Print ISSN : 1883-4949
24 巻
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寄稿論文
研究論文
  • ―12ケースの質的調査に基づく比較分析―
    古屋 光俊, 東出 浩教
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 経営学
    2014 年 24 巻 p. 11-25
    発行日: 2014/09/15
    公開日: 2019/06/24
    ジャーナル フリー

    インターナルコミュニケーションは、社内コミュニケーションという言葉で広く使われるが、国内の中小・成長ベンチャー企業を対象として、従業員の満足度に焦点を当てて実証的に研究された例は少ない。本稿では、1980年代より米国を中心に発展したインターナルコミュニケーション満足度研究を利用して、国内の中小・成長ベンチャー企業を対象に、企業規模の拡大過程におけるインターナルコミュニケーション満足度を高めるような組織的な取組みとは何かについて、探索的に調査した。12ケースの社長、ミドルへのインタビュー調査と従業員に対するCommunication Satisfaction Questionnaire (CSQ) サーベイを同時並行的に行い、重層的に深く調査し、比較分析した。結果として、社長のコミュニケーション意識や組織的な取組みの違いによって、CSQのディメンジョンスコアに影響があること、ベンチャー企業を急成長させるには、企業規模の拡大に従い、組織的な取組みを変化させていく必要性があることを発見した。

  • ―ソフトバンク株式会社による関係会社創出の分析―
    新藤 晴臣, 秋庭 太
    原稿種別: 研究論文
    専門分野: 経営学
    2014 年 24 巻 p. 27-42
    発行日: 2014/09/15
    公開日: 2019/06/24
    ジャーナル フリー

    本研究は、日本のベンチャー企業の、外部指向型コーポレートベンチャリング(CV)について、仮説構築を行うことを目的とする。特に本研究は、母体企業グループによる関係会社創出とセグメント構成に焦点を当て、議論を行っている。研究方法として本研究は、ソフトバンクグループ(SBG)に関するケーススタディーを行っている。具体的にはセグメント構成、関係会社創出、投資に関するデータベースを作成し、Pajekを用いて分析を行っている。結論として、第1に外部指向型CVのフレームは、背景(戦略的・経済的)、CVの特性(資源の移転、投資アプローチ)、成果(戦略的・経済的)、により構成される。第2に外部指向型CVにおいてはF型(ファンド型)とも呼ぶべき組織形態がとられる。なお本研究の主な限界点としては、単一事例研究である点が挙げられるが、今後は多様な研究方法を導入し、堅牢性を高めることで対処したいと考える。

事例研究論文
  • 山本 聡, 名取 隆
    原稿種別: 事例研究論文
    専門分野: 経営学
    2014 年 24 巻 p. 43-58
    発行日: 2014/09/15
    公開日: 2019/06/24
    ジャーナル フリー

    近年、大手企業の海外展開が進展する中で、国内中小製造業にとっても国際化が重要な課題の一つとなっている。それでは、国内中小製造業はどのように国際化を志向・実現しているのだろうか。本論文では、経営者の企業家行動=企業家要因から、この問いへの回答を試みている。より具体的には、山本・名取(2014)における「国際的企業家志向性(IEO)」を利用した分析視点を踏まえた上で、「市場志向性(MO)」/「輸出市場志向性(EMO)」、「学習志向性(LO)」の分析視点から、近年の国内中小製造業の国際化事例、その中でも輸出による海外市場参入事例を対象として、探索的に分析している。その上で、山本・名取(2014)の分析視点を拡張しながら、「市場情報の収集」という点に着目し、国内中小製造業の国際化プロセスのモデル化を図っている。なお、MO/EMO、LO という概念は日本の中小製造業の国際化プロセスにはこれまでほとんど適用されてこなかった。よって、本論文は既存の中小企業論に対し、大きな貢献をしている。

研究ノート
資料
  • ―Oaraiクリエイティブマネジメントによるコンテンツ利用観光振興事例を中心として―
    福永 晶彦
    原稿種別: 資料
    専門分野: 経営学
    2014 年 24 巻 p. 65-70
    発行日: 2014/09/15
    公開日: 2019/06/24
    ジャーナル フリー

    地域振興の重要性が指摘されて久しく、各地で様々な取り組みが行われているが、そのような活動の成否を左右する要因の一つとして諸活動を企画、実行する組織の組織的な要因がある。本論文ではそのような活動を行っている地域振興組織に注目し、そのマネジメント上の特色を考察する。本論文では企業の形態をとり、その利益をもとに様々な地域振興活動に取り組んでいる茨城県大洗町の株式会社Oaraiクリエイティブマネジメントの活動を考察した。同社の活動で近年注目されているのは同町を舞台にしたアニメーションに連動した観光振興、地域振興活動である。調査の結果、同社がDTPやイベント運営の組織能力を有していることもさりながら、様々なステークホルダーとの信頼関係構築に成功したことが指摘できた。そして信頼関係を構築できた要因として、利益を経営理念に従い大洗町のために新規企画の実行に振り向けていることを指摘した。

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