日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
最新号
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目次
巻頭言
特集 第28 回日本在宅ケア学会学術集会
学術集会長講演
基調講演
公開シンポジウム1:医療的ケア児支援法が施行され2年,子どもたちの生活は?~すべての子どもたちの未来のために~
公開シンポジウム2:まちの元気をプロデュースするお寺の可能性
総説
  • 國丸 周平, 新井 香奈子
    原稿種別: 総説
    2024 年 27 巻 2 号 p. 56-63
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    ジャーナル フリー

    訪問看護師による実習指導の全体像を捉えるべく,訪問看護師の実習指導における取り組み方を明らかにすることを目的に文献検討を行った.医中誌Web,メディカルオンライン,CiNii Researchを用いて「訪問看護師 and 実習」or「訪問看護ステーション and 実習」の検索語と検索式で検索した.選定基準に基づいた選定の後,対象文献に記述されている訪問看護師の実習指導における取り組み方を分析した.結果,取り組み方として【学生が学びを得るための環境を整える】【指導する立場の者として学生に働きかける】【指導する立場の者としての心構えをもつ】の3カテゴリを抽出した.訪問看護師は,実習指導に求められる役割を担い,学生や利用者と家族,事業所,関連部署に対する取り組みを行っていた.実習指導において事業所内外に渡って調整を試み,実習環境を整える行動は訪問看護師の取り組み方の特徴的な部分であるといえる.

原著
  • 小枝 美由紀, 大野 かおり
    原稿種別: 原著
    2024 年 27 巻 2 号 p. 64-74
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    ジャーナル フリー

    目的:研究者らが考案した,与薬に関する訪問看護師とホームヘルパーの連携モデルの有用性の検討とモデルの精錬を行い,本モデルの実践共同体としての機能について検討した.

    方法:訪問看護師,ヘルパー,在宅療養者の3者を1組とし,4組の研究協力者にモデル介入を2ヵ月間実施した.

    結果:介入開始時は,【訪問看護師とヘルパーの各専門職の理解】,【他機関に所属する職種間の関係性の共通理解】,【連携の基盤作り】が行われることに,訪問看護師とヘルパーの関係性構築の特徴があった.1ヵ月後では,【他機関に所属する職種間の関係性の共通理解】の中で《大切なチームの一員としての意識》が芽生えた状態で【情報の共有と統合】が豊富にされるようになった.

    考察:6事例中4事例で適切に与薬ができ,本モデルの有用性が認められた.また,【相互の学びあい】をはじめとする効果があり,実践共同体としても機能することが認められた.

  • 北村 智美, 五十嵐 歩, 野口 麻衣子, 吉江 悟, 山本 則子
    原稿種別: 原著
    2024 年 27 巻 2 号 p. 75-84
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    ジャーナル フリー

    目的:慢性呼吸器疾患患者に対する看護師・理学療法士・作業療法士による在宅呼吸リハビリテーション(在宅呼吸リハ)の実践を記述する.

    方法:訪問看護師6名,理学療法士6名,作業療法士3名に半構造化面接を行った.利用者の特徴と在宅呼吸リハ実践の構成要素をまとめ,質的記述的研究方法を用いて実践方法を示した.

    結果:語られた事例は19名であり,70歳以上が18名,要介護3以上の者が9名だった.全事例にADLトレーニングやセルフマネジメント教育を行っていた.実践方法は,【中長期的な視点で利用者のありたい姿をかなえるためのケアを考える】,【心身の土台作りをする】,【利用者の実生活に即した呼吸法や生活動作の練習をする】,【訪問時以外も呼吸リハビリテーションが行われるよう環境を整える】の4つのカテゴリが抽出された.

    結論:在宅呼吸リハに関する利用者の特徴や具体的な実践が示された.

研究報告
  • 渡辺 忍, 田中 理恵, 鶴見 三代子
    原稿種別: 研究報告
    2024 年 27 巻 2 号 p. 85-96
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/27
    ジャーナル フリー

    インスリン療法を行う要介護高齢者の自己管理が困難となる状況および必要な支援について訪問看護師の視点から明らかにし,在宅ケアでの多職種連携上の示唆を得ることを目的に,自由記載のアンケート調査を実施した.

    その結果,訪問看護師がとらえた自己管理が困難と判断する状況として,インスリン注射の手技,低血糖やシックデイの対処ができないといった直接的な管理上の問題に加え,加齢等による感覚・認知機能・巧緻性の低下,健康状態や生活行動の変化,さらには支援体制の構築が困難な状況をあげていた.また在宅生活を継続するために必要な支援では,可能な限り自己管理ができるよう支援する他,主治医や他の医療機関,介護サービス担当者と対応を検討し支援体制を構築する必要性を指摘していた.さらに,現状の介護保険制度や医療保険制度によるインスリン療法支援の限界と支援拡大の可能性,支援ツール・社会資源の開発への期待が述べられた.

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