アニメーション研究
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19 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 2017 年 19 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
  • アニメーションにおける体現的/修辞的パフォーマンスによる「自己」
    スティービー・スアン
    2017 年 19 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
    アニメーションは命を持たない「モノ」(物理的客体)を動かし、その「モノ」に行為をさせる力が注目されてきた。人間や動物、そしてモノの「体」がどのようにアニメートされるかによって、行為者としての成り立ちが変わってくる。アニメーションにおいて、動きの形式は、特定の行為者性あるいは「自己性」を伴う。ドナルド・クラフトンはアニメーションを分析するためにアニメーションのパフォーマンスを、体現的パフォーマンスと修辞的パフォーマンスに分類して概念化している。本稿では、これらの概念をより詳細に把握し日本のテレビアニメの研究に活用することを目的とする。体現的演技という概念は、キャラクターの表現は、個別化された動きによって生み出され、内部と外部をもつ個人として成り立たせる。他方、修辞的演技は様々な仕草や記号化された表現を通して演技が行われるのである。そして、記号化・コード化された表現に頼るパフォーマンスとしては既存の表現を基にしており、それを異なる文脈で繰り返し採用するのである。これら2つの形式は、それぞれの両端において、「自己」についての異なる概念を制定する。体現的演技は、動きを示す「モノ」に近代的な個人主義の概念を演じさせるのに対し、修辞的演技は「個人主義的な自己」よりも、既存のコードを引用することによる複合構成的なものとしての「自己」を中心に据えるのである。
  • 陳 龑
    2017 年 19 巻 1 号 p. 17-30
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
    中国アニメーションは既に100年近い歴史を辿ってきたが、その「起点」については未だに完全に統一された通説がない。本論文は、入手困難な一次資料の調査と比較分析に基づき、中国最初のアニメーションと言われる『大閙画室』についての再検証を行い、事実に適合する中国初期アニメーション史を究明する。
  • 『妖怪ウォッチ』を事例に
    野口光一
    2017 年 19 巻 1 号 p. 31-44
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
    2000年以降、アニメーション作品の人気1は『ポケットモンスター』、『ドラえもん』、『名探偵コナン』などの作品に固定化していた。しかし、ゲーム主導のコンテンツである『妖怪ウォッチ』がTVアニメーション化され、2014年1月から放映されると、ゲーム、映画、漫画、玩具などを連携させたメディアミックスを一挙に進めることで、人気コンテンツの仲間入りを果たした。  日本のコンテンツ産業における「メディアミックス」については、マーク・スタインバーグらの研究によって国内外に周知されているところだが、本稿では、『妖怪ウォッチ』を取り上げて、近年の進化に注目する。日本のメディアミックスは、アメリカのトランスメディア・ストーリーテリングとは異なり、キャラクター中心のフランチャイズであることは指摘され、議論されている。本稿では、レベルファイブによる『妖怪ウォッチ』のメディアミックスはこれを踏襲しつつも、近年のメディア変革を受けた1970年代半ば以降の角川春樹によるメディアミックスのアップデート・バージョンであると提案する。同じゲーム主導の『ポケットモンスター』と比較し、また角川春樹の戦略との類縁性も再確認しつつ、『妖怪ウォッチ』における新たなメディアミックスの展開を、ハードウェア、ソフトウェア、そして市場面から分析し、考察する。
  • 佐藤壮平
    2017 年 19 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
    映画やアニメーションは連続した静止画から構成されており、そこに我々はスムーズで首尾一貫した動きを見ることができる。本研究ではスムーズに見える動きを評価する方法として、コマとコマの間を時空間周波数領域で分析する手法を提案する。アニメーションが実写動画像よりも少ない枚数で動きを表現できる仕組みについて、これまで客観的な説明がなされていなかった。本研究では時空間周波数領域における動き周波数成分を分析する方法として2次元フーリエ解析を採用した。これにより動きの時空間周波数成分を可視化することが出来、動きにおける物理的な差分を定量的に比較することが可能となる。本研究では、実写動画とアニメーションにおける動きの円滑さを左右する物理的要因について検討するとともに、リミテッドアニメーションの技法における滑らかな動きの知覚について考察する。
  • キム・ジュニアン著『イメージの帝国:日本列島上のアニメーション』より
    奥田浩司 , 米村みゆき
    2017 年 19 巻 1 号 p. 53-57
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
    本稿は、キム・ジュニアン著『イメージの帝国:日本列島上のアニメーション』を日本語訳した 一部である。「アニメーション研究」(第15巻第1号A)(第15巻第2号)では、順に、第2章3、4、5節、同章1・2節を掲載した。これらの前稿では日本のアニメーションにおける歌舞伎および絵巻などの伝統文化や、私小説からの影響関係、ジャパニメーションと無国籍の関係性について考察した。本稿では引き続き、同2章6節「演出、監督そして作家」を取り上げる。ここでは、ジャパニメーションにおける監督の位置や、原作および作家主義の問題について考察している。監督の仕事では、個性的な表現の追求というよりも制作を管理することが重要視されていること、作品のオリジナリティという点では原作であるマンガ作家にゆだねられているケースについて述べている。私たちは、アニメーション映画を考察するとき、監督名からのアプローチを試みるが、ジャパニメーションにおいては、長らく作家主義とはかけ離れたところに監督が位置してきており、また今日では、その名はブランドネームのように濫用されている現実があると述べている。
  • 清水知子
    2017 年 19 巻 1 号 p. 59-75
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
    2016年10月30日、映画『はちみつ色のユン』(2012年)の原作者・監督のユング・エナン氏の来日を機に、法政大学国際文化学部オープンセミナーとして「ハイブリッドアニメーション『はちみつ色のユン』:映画上映と学際トーク」が開催された。当日はユング監督と89名の参加者によって活発な議論が展開された。以下は学際トーク及びユング監督の講演の採録である。
  • キム・ジュニアン
    2017 年 19 巻 1 号 p. 77-79
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
  • 2017 年 19 巻 1 号 p. 86
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
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