【目的】X線computed tomography(CT)において画像内のノイズ分布は一様ではなく,撮影条件に応じて変化すると考えられる.本研究では,撮影条件のうち管電圧,ボウタイフィルタ(bow-tie filter: BTF),ファントムサイズを変化させて画像内ノイズ不均一性を評価することを目的とした.【方法】管電圧は80, 100, 120, 135 kVの4種類,BTFはLとMの2種類,ファントムとしては直径240, 320, 400 mmの円形水ファントムを使用し,再構成法はfiltered back projection(FBP)を使用した.画像内ノイズ不均一性の評価は,画像中心部から周辺部に向かって6個のregion of interest(ROI)を設定し,このROI内standard deviation(SD)値の画像内分布を測定してノイズ不均一性指標(noise nonuniformity index: NNI)を算出することにより実施した.【結果】ノイズSD値はどの撮影条件においても常に画像中心部のほうが周辺部より大きく,ノイズ不均一性はNNIで最大32.1%であった.NNIの差は,管電圧によって最大5.5ポイント,BTFによって最大7.8ポイント,ファントムサイズによって最大8.2ポイント,それぞれ変動した.【結語】CT画像内ノイズ不均一性を定量的に評価し,撮影条件依存性は小さいことを明らかにした.
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