【目的】三次元(3D)CTデータから体軸方向のnoise power spectrum(NPS)を算出するために,さまざまな方法が用いられている.そこで,それらの体軸方向NPSと3D-NPSの関係を中央断面定理に基づいて明らかにする.【方法】ノイズデータ(3D-Noise(x, y, z))から3Dフーリエ変換により算出したNPSを3D-NPS(fx, fy, fz)とした(fx, fy, fzはx, y, zに対応する空間周波数).中央断面定理に基づくと,次の三つの関係が成り立つ.①3D-Noise(x=0, y=0, z)から算出した体軸方向NPSは,3D-NPS(fx, fy, fz)のfx, fy方向への投影と一致する.②3D-Noise(x=0, y, z)のy方向への投影から算出した体軸方向NPSは,3D-NPS(fx, fy, fz)のfx方向への投影のfy=0におけるプロファイルと一致する.③3D-Noise(x, y, z)のx, y方向への投影から算出した体軸方向NPSは,3D-NPS(fx=0, fy=0, fz)と一致する.これらを検証するために,円柱型水ファントムの3Dノイズデータから算出したNPSを比較した.【結果】①,②,③の関係について,体軸方向NPSと3D-NPS(fx, fy, fz)から得られたプロファイルは一致した.【結語】中央断面定理に基づき,体軸方向NPSと3D-NPSの関係を明らかにした.この関係を理解したうえで,体軸方向NPSの算出方法を検討することが不可欠である.
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