日本放射線技術学会雑誌
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早期公開論文
早期公開論文の9件中1~9を表示しています
  • 森 一也, 土田 拓治, 関口 諒
    論文ID: 2022-1254
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/07/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】DRLs 2020によりIVRの線量管理は,装置表示線量が用いられることとなった.RDSRによる線量管理の有用性が報告されているが,施設によっては導入が困難である.今回,システム構築が簡便である放射線科情報システム(RIS)を活用した線量管理ソフトウェアを開発し,IVRにおける線量管理の有用性について検証を行った.【方法】2020年7月から9月までに実施した当院のIVR(心臓領域141件,その他領域149件)を対象とした.解析項目は,患者基本情報(身長,体重,BMI),患者照射基準点線量,および面積空気カーマ積算値とし,診療放射線技師12名による解析を行った.解析方法は,手作業による解析およびソフトウェアによる解析とし,各対象における解析時間を比較した.また,ソフトウェアの解析精度の検証も行った.【結果】心臓領域およびその他領域における解析時間は,手作業で,4180.25±1161.79 s, 4366.92±1393.19 s,ソフトウェア使用で,36.25±15.32 s, 38.08±17.34 sとなり,有意な解析時間の短縮を認めた(p<0.05).また,心臓領域およびその他領域におけるソフトウェア使用時の解析精度は,96.30%,98.89%であった.【結論】IVRにおける線量管理において,RISを活用したソフトウェアは有用である.

  • 谷 憲樹, 三尾 素平, 豊福 竜生, 前田 利宏, 井上 敏朗, 中村 裕範
    論文ID: 2022-1262
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/27
    ジャーナル フリー 早期公開

    脳主幹動脈狭窄および閉塞性疾患においてstretched exponential modelが脳循環予備能(cerebrovascular reserve: CVR)を評価しうるかどうかを明らかにするため,われわれはstretched exponentialパラメータとsingle-photon emission computed tomography(SPECT)を比較した.本研究では,片側性脳主幹動脈狭窄および片側性閉塞性疾患患者29名が解析された(男性25名,女性4名;平均年齢,69±11歳).患者はNormal CVR(CVR≥30%),Moderate CVR(10%≤CVR<30%)およびSevere CVR(CVR<10%)に分類された.Stretched exponential modelからdistributed diffusion coefficient(DDC)とα,monoexponential modelからapparent diffusion coefficient(ADC),SPECTからCVRと安静時cerebral blood flow(CBF)が両側中大脳動脈領域で計測され,患側/健側比はそれぞれの画像から算出された(rDDC,rα,rADCおよびrCBF).rDDCはNormal CVRと比較してSevere CVRで有意に高かった(P=0.003).rDDCは患側CVRと有意な負の相関が認められた(rho=−0.31, P=0.009).rDDCは安静時rCBFと有意な相関が認められなかった(P=0.34).われわれは,rDDCの上昇が障害されたCVRと関連することを示した.Stretched exponential modelを用いた拡散強調画像は血行力学的障害を評価する可能性がある.

  • 津田 規吏, 三井 宏太
    論文ID: 2022-1247
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/21
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は,逐次近似再構成(IR)法CT画像の解像特性と不均一領域におけるスライス面内のノイズ特性を評価することである.【方法】複数コントラストの信号(不均一領域)を有するファントムのCT画像を撮影線量を変えて取得し,異なる逐次強度設定で画像再構成した.同一条件で連続スキャンした画像の差分画像を用いてnormalized noise power spectrum(nNPS)を測定し,均一領域と不均一領域におけるノイズ特性を評価した.また,差分前の信号からtask transfer function(TTF)を測定し,解像特性とノイズ特性の関連を調べた.【結果】TTFが優れたタスク設定(高い撮影線量,弱い逐次強度,高いコントラスト)では,nNPSの高い空間周波数成分の相対的な増加を認め,解像特性とノイズ特性の関連がみられた.TTFが低下したタスクではタスクの違いによるnNPSの高い空間周波数成分の変化は小さくなる傾向を示した.【結論】測定したnNPSは各タスク設定下のTTFに依存した変化を示し,IR-CT画像の不均一領域におけるスライス面内のノイズ特性と解像特性は線形な画質特性に似た相関を有することが示唆された.

  • 下郷 智弘, 奥平 訓康
    論文ID: 2022-1257
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/20
    ジャーナル フリー 早期公開

    電子線による放射線治療では,低融点鉛合金を使用したカットアウトブロックで照射野を作成する.ブロックは鉛板を遮蔽体として代用される場合もある.このとき,遮蔽体の材質や厚みが異なることで,線量分布に影響が出ることが予想される.本研究では,モンテカルロシミュレーションで電子線の照射状況を再現し,各遮蔽体を使用し3×3 cm2以下の照射野における線量分布を比較し,エネルギーフルエンス分布を解析することで,線量分布差の原因を調査することを目的としている.低融点鉛合金と鉛板の照射野による深部量百分率の差は,1.6–6.8%であった.また,角度分布の差は,最大で11.34%であった.電子エネルギーフルエンスは,鉛厚が薄くなるほど低エネルギー成分が増加し,ビルドアップ領域に影響を与えている.その影響は,高エネルギー電子線ほど大きかった.モンテカルロシミュレーションによって,低融点鉛合金と鉛板による照射野の違いから散乱線の変化を評価できた.

  • 成田 啓廣, 岡本 和樹, 豊永 健吾, 大久保 真樹
    論文ID: 2022-1222
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/16
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】実際のcomputed tomography(CT)装置で得られる画像を模して,コンピュータ上で画像を生成するCT画像シミュレーションを簡易に実施する手法を考案する.【方法】考案法では,CTのデータ収集および画像再構成の過程を数値計算により再現することで,被写体を想定して作成した線減弱係数マップからシミュレーション画像を生成した.これは従来のCT画像シミュレーションと同様の手順であるが,考案法では新たに計算過程に調整パラメータを導入した.これはX線管陽極やボウタイフィルタによる減弱の量などを調整するものである.調整パラメータの値は,水ファントムを想定したシミュレーション画像が実際のCT画像と類似するように最適化した.人体ファントムのシミュレーション画像とCT画像を比較し,考案法の妥当性を検証した.【結果】人体ファントムのシミュレーション画像はCT画像とよく類似した.空間分解能とノイズ特性もよく一致したことから,考案法の高い精度が示された.【結語】従来の手法ではさまざまなCT装置の情報が必要であったが,考案法では取得が難しい情報に代わり,調整パラメータを導入した.これにより,考案法は従来の方法よりも簡易に実施できると考える.

  • 尾上 迪也, 山本 真矢, 魚住 秀昭, 亀崎 亮佑, 中村 祐也, 池田 龍二, 白石 慎哉, 冨口 靜二, 坂本 史
    論文ID: 2022-1260
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/16
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】18F-FDG-PETと連続して撮影されたCT画像を用いてPET画像の部分容積効果補正を行い,MRI画像を用いた補正と比較し,CT画像による補正の有用性を検討する.【方法】臨床的に正常な9名を対象とし,各被験者のCTおよびMRI画像それぞれについてセグメント,標準化を行った.PET画像は各形態画像にcoregister後,標準化を行った.各被験者の標準化後形態画像を用いて脳アトラスをマスキングし,部分容積効果補正を行った.各脳領域について,カウントの比較,CT, MRI補正群間の2群間検定および相関分析を行った.【結果】補正の結果,2群間で多少の誤差を認めた.2群間検定では一部領域で有意差を示し,相関分析では多くの領域で強い正の相関を示したが,一部領域では弱い相関がみられた.有意差を認めた領域では,2群間で強い正の相関を示し,また弱い相関を示した領域では誤差が小さい傾向を示した.【結論】CTによる補正では,MRIと比較して多少の誤差が生じるが,同等の精度で補正が可能であることが示唆された.

  • 鹿島 啓佑, 福島 康宏
    論文ID: 2022-1167
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/13
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    本研究の目的は,相対アーチファクトインデックス(relative artifact index: AIr)を用いて,血管撮影装置のcone beam CTにおける金属アーチファクト低減処理(metal artifact reduction: MAR)の効果と,管電圧による違いを評価することである.まず,水ファントムを撮影しノイズ画像を取得した.次に,水ファントム内の中央部にプラチナ合金製の塞栓用コイルを設置した場合と,中央部と辺縁部に塞栓用コイルを設置した場合で,アーチファクト画像を取得した.管電圧は70, 109 kVとし,MARの有無で合わせて4種類のアーチファクト画像を取得して,それぞれから同じz方向10枚の画像を取得した.画像に関心領域を設定しAIrを求め,撮影条件間で多重比較を行った(有意水準p<0.05).AIrはMARを使用することで有意に低値となり,管電圧にかかわらず金属アーチファクトを有意に低減させることができた.Cone beam CTのMARは金属アーチファクトを91%以上低減でき,MARを使用した場合,管電圧による違いはなかったことが明らかになった.

  • 伊地知 哲也, 松島 昌敏, 古賀 絵莉子, 河原 優菜, 谷 憲樹, 三尾 素平, 尾畑 麻美, 益元 智也, 加藤 伸一
    論文ID: 2022-1256
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/09
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】散乱線補正処理における撮影後の設定撮影距離の変更が,胸部ポータブルX線画像の画質に与える影響について検討する.【方法】FPDに入射する直接X線量が同等となる三つの実撮影距離とmAs値の組み合わせで胸部ファントムを撮影した.撮影後に設定撮影距離を実撮影距離に変更しなかった群(A群)と変更した群(B群)に分類した.物理評価としてコントラスト比と粒状性(SD)の測定を行った.視覚評価としてコントラスト,粒状性,総合評価の三つを評価項目としたシェッフェの一対比較法と肺野内の模擬結節影を信号としたROC解析を行った.【結果】A群ではコントラスト比とSDが変化したが,B群では変化は小さかった.一対比較法ではすべての評価項目においてA群で有意差が認められたが,B群では有意差が認められなかった.ROC解析では有意差は認められなかった.【結語】撮影後の散乱線補正処理の設定撮影距離の変更により,実際の撮影距離が変化した場合でも,胸部ポータブルX線画像のコントラストと粒状性を一定に維持できる可能性が示された.

  • 成田 啓廣, 大久保 真樹, 大杉 勇輝, 酒井 健一, 深谷 貴広, 能登 義幸
    論文ID: 2022-1267
    発行日: 2022年
    [早期公開] 公開日: 2022/06/03
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    【目的】三次元(3D)CTデータから体軸方向のnoise power spectrum(NPS)を算出するために,さまざまな方法が用いられている.そこで,それらの体軸方向NPSと3D-NPSの関係を中央断面定理に基づいて明らかにする.【方法】ノイズデータ(3D-Noise(x, y, z))から3Dフーリエ変換により算出したNPSを3D-NPS(fx, fy, fz)とした(fx, fy, fzx, y, zに対応する空間周波数).中央断面定理に基づくと,次の三つの関係が成り立つ.①3D-Noise(x=0, y=0, z)から算出した体軸方向NPSは,3D-NPS(fx, fy, fz)のfx, fy方向への投影と一致する.②3D-Noise(x=0, y, z)のy方向への投影から算出した体軸方向NPSは,3D-NPS(fx, fy, fz)のfx方向への投影のfy=0におけるプロファイルと一致する.③3D-Noise(x, y, z)のx, y方向への投影から算出した体軸方向NPSは,3D-NPS(fx=0, fy=0, fz)と一致する.これらを検証するために,円柱型水ファントムの3Dノイズデータから算出したNPSを比較した.【結果】①,②,③の関係について,体軸方向NPSと3D-NPS(fx, fy, fz)から得られたプロファイルは一致した.【結語】中央断面定理に基づき,体軸方向NPSと3D-NPSの関係を明らかにした.この関係を理解したうえで,体軸方向NPSの算出方法を検討することが不可欠である.

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