【目的】Computed tomography(CT)における被写体の位置がリバース型人工肩関節に対するキヤノンメディカルシステムズ製の金属アーチファクト低減処理(single energy metal artifact reduction: SEMAR)の効果に与える影響について検討する.【方法】リバース型人工肩関節を固定した自作ファントムをガントリ(XY面)の4カ所の位置(on-center,on-centerからX軸のマイナス方向に50 mm,100 mm,150 mm)で撮影を行い,SEMARを用いていない画像とSEMARを用いた画像を取得した.Artifact index(AI)による物理評価とシェッフェの一対比較法(浦の変法)による視覚評価を行った.【結果】SEMARを用いることで各ファントム位置のAIは有意に低下した.ファントム位置がon-centerから離れるほどAIは高くなり,一対比較法では視覚的に金属アーチファクトが増加する傾向を示した.【結語】SEMARは被写体の位置にかかわらず金属アーチファクト低減効果を認めたが,被写体の位置がon-centerから離れるほど金属アーチファクトが増加する可能性がある.
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