日本放射線技術学会雑誌
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早期公開論文
早期公開論文の10件中1~10を表示しています
  • 勝又 翔太, 高橋 俊行, 西村 柊子, 本寺 哲一, 安田 光慶, 加藤 京一
    論文ID: 2024-1449
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/06/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    背景抑制広範囲拡散強調画像(diffusion-weighted whole body with background body signal suppression: DWIBS)は,通常Transverse(Tra)方向で全身撮像するのが一般的であるが,撮像するステーション数が多く,撮像枚数も多いため,撮像時間が長くなる.また,ステーション間でコイル感度による信号差が生じる欠点もある.撮像時間の短縮を目的にCoronal(Cor)撮像も実施されているが,画像歪みによる影響が大きくなることが知られている.Sagittal(Sag)撮像においては報告例がない.そこで本検討ではSag撮像に着目し,撮像時間や画像歪み,脂肪抑制効果,ステーション間の連続性について検討を行った.ファントムによる検討において,撮像時間はCor撮像が最も短く,Sag撮像が最も長い結果となった.歪みの評価では,Tra撮像とSag撮像において歪みの影響を抑制することが可能であった.脂肪抑制効果に関しては,撮像方向による差はみられなかった.健常ボランティア10名における検討においても同様の結果を得ることができ,Sag撮像ではステーション間の連続性が最も良い結果となった.

  • 吉田 誠, 佐伯 悠介, 宮井 將宏, 城野 弘樹, 加藤 勝也
    論文ID: 2024-1447
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/06/07
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】大腿骨頚部不顕性骨折の単純X線画像所見とされる骨硬化像の視認性が向上する周波数強調処理について検討すること.【方法】骨盤ファントムを用いて,0.7, 0.9, 1.1 mm径の骨硬化像を作成した.撮影した単純X線画像に対して,周波数強調処理タイプおよび高濃度側強調係数を低周波数強調RF-A(1.0, 2.0),中周波数強調C(2.0, 4.0),メーカ推奨処理D(1.0),高周波数強調H(2.0, 4.0)に変化させた.物理評価では,骨硬化像部分と背景骨組織の信号値の差を比較し,視覚評価ではシェッフェの一対比較法を用いて嗜好度を比較した.【結果】すべての骨硬化像において,RF-C(4.0)で信号値の差が最大となり,最も嗜好度が高い結果となった.【結語】周波数強調処理RF-C(4.0)を用いることで,骨硬化像の視認性が向上することが示唆された.

  • 瀧澤 知世, 関本 道治, 児玉 直樹
    論文ID: 2024-1448
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/05/30
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】診断参考レベルの効果的な設定と適用には,放射線装置および放射線測定器の精確な管理と,放射線量の正確な測定に伴う不確かさの評価が不可欠である.本研究では,乳房用X線装置の品質管理における平均乳腺線量(average glandular dose: AGD)の不確かさを詳細に評価し,放射線診療の精度と安全性を向上させるための推奨事項を提供した.【方法】AGD評価の不確かさ評価においては,半価層,入射空気カーマ,変換係数の各測定における相対標準不確かさを考慮し,最終的に拡張不確かさとして表現し,その区間を明確に定義した.【結果】2種類の線量計を用いたAGD評価から,不確かさの主要な要因は線量計の校正定数および変換係数の不確かさであることが判明した.【結語】不確かさを低減するためには,定期的に校正された線量計の使用が有効であり,信頼性の高い測定が可能である.2種類の線量計は一般的に使用されるため,本研究の結果は医療施設で品質管理におけるAGD評価の不確かさの参考値として役立つと考えられる.

  • 土田 拓治, 根岸 徹, 髙橋 将斗, 森 一也, 西村 竜子
    論文ID: 2024-1442
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/05/22
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究は,画像類似度を指標とした自動マンモグラフィ乳房構成判定ソフトウエアを開発した.四つの乳房構成に分類した画像データベース(右内外斜位方向[mediolateral oblique: MLO]症例240枚)と,評価対象症例(両側MLO症例741枚)をイメージマッチングした.画像間の類似度として正規化相互相関を使用した.使用したすべての画像は,あらかじめ主観的評価によって乳房構成カテゴリーに分類された結果を正解とした.画像データベース内で最大正規化相互相関値を示した症例の乳房構成と,主観的乳房構成分類結果との一致率,Cohenの重み付けkappa係数について評価した.また,各乳房構成間で最大正規化相互相関値が同じ場合,撮影乳房厚30 mm未満は脂肪性側に分類するようにした.その結果,主観的乳房構成分類との一致率は78.5%,重み付けkappa係数は0.98であった.当ソフトウエアは,主観的乳房構成分類結果との一致率も高く,廉価なコンピュータシステムでも解析可能なソフトウエアである.

  • 伊地知 哲也, 田畑 成章, 河原 優菜, 尾畑 麻美, 富永 雅也, 中村 裕範, 井上 敏朗
    論文ID: 2024-1456
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/05/21
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】Computed tomography(CT)における被写体の位置がリバース型人工肩関節に対するキヤノンメディカルシステムズ製の金属アーチファクト低減処理(single energy metal artifact reduction: SEMAR)の効果に与える影響について検討する.【方法】リバース型人工肩関節を固定した自作ファントムをガントリ(XY面)の4カ所の位置(on-center,on-centerからX軸のマイナス方向に50 mm,100 mm,150 mm)で撮影を行い,SEMARを用いていない画像とSEMARを用いた画像を取得した.Artifact index(AI)による物理評価とシェッフェの一対比較法(浦の変法)による視覚評価を行った.【結果】SEMARを用いることで各ファントム位置のAIは有意に低下した.ファントム位置がon-centerから離れるほどAIは高くなり,一対比較法では視覚的に金属アーチファクトが増加する傾向を示した.【結語】SEMARは被写体の位置にかかわらず金属アーチファクト低減効果を認めたが,被写体の位置がon-centerから離れるほど金属アーチファクトが増加する可能性がある.

  • 田畑 成章, 伊地知 哲也, 板井 宏孝, 立石 賢, 北 健斗, 尾畑 麻美, 河原 優菜, 園田 梨紗, 加藤 伸一, 井上 敏朗, 井 ...
    論文ID: 2024-1446
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/05/17
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】一対比較法における観察者の1人を深層学習に置き換えることが可能か,ヒトと深層学習による観察結果を比較した.【方法】観察画像は,CTにてファントムを撮影した.撮影条件は,120 kVp, 200 mAを基準とし,管電流を160 mA, 120 mA, 80 mA, 40 mA, 20 mAと変化させた計6種類とした.一対比較法は経験年数10年以上の診療放射線技師14名にて浦の変法で行った.深層学習モデルは,VGG16およびVGG19モデルをベースにして組み合わせて使用し,学習後モデル精度をAccuracy,Recall,Precision,Specificity,F1valueで評価した.また,検証用観察結果を基準観察結果と定め,深層学習モデルによる観察結果を含めた場合の平均嗜好度および画像間の有意差検定結果と比較した.【結果】ヒトの観察結果の最頻値とAI観察者の最頻値はほぼ同じ値を示した.深層学習モデルの平均正解率は82%であり,基準平均嗜好度との差は最大0.13, 最小0, 平均0.05であった.また,有意差検定では,管電流160 mAと120 mAの画像ペアおよび,200 mAと160 mAの画像ペアにおいて,一部実際の観察者をAI観察者に入れ替えたことにより有意差検定結果に違いがみられた.【結語】ファントムを限定した一対比較法(ノイズ7段階評価)では,深層学習を観察者の1人として使用できる可能性が示唆された.

  • 堀田 昇吾, 作田 裕美, 五十嵐 隆元, 岩永 秀幸, 市田 隆雄, 奥田 保男, 白石 順二, 上野 寿子, 太田 勝正, 草間 朋子
    論文ID: 2024-1394
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/04/23
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    【目的】放射線業務従事者に対する放射線防護教育のあり方・やり方を検討するために病院における防護教育の実態に関する情報を収集する.【方法】全国の200床以上の精神科単科病院を除く1,883病院(全数)を対象にWebによるアンケート調査を実施した.【結果】回答が得られた186病院を分析対象とした.放射線業務従事者に対する定期的な防護教育は141病院(75.8%)において実施されていたが,防護教育が実施されていない病院が13病院(7.0%)あった.医師の防護教育の受講率が看護師や診療放射線技師の受講率に比べて低い病院が多かった.定期的に実施されている防護教育の頻度は年1回(94.3%の病院),1回あたりの教育時間は1時間以内(85.1%の病院)であった.教育内容は90%以上の病院で,放射線の人体影響,職業被ばくに関する教育を行っていた.70%の病院の防護教育の講師は,診療放射線技師であった.【結語】本調査により,病院によって定期的な放射線防護教育の実施状況が異なること,医師の防護教育の受講率が他の職種に比べて低いことが明らかになった.調査結果から,施設管理者及び放射線業従事者を対象に防護教育に関連する法令規定の周知を図ると共に,効果的・効率的な放射線防護教育モデルを学会等が中心になり検討していく必要性が示唆された.

  • 荒木 隆博, 立石 敏樹, 小林 隆幸, 田浦 将明, 松田 夏枝, 赤木 信裕, 金沢 勉
    論文ID: 2024-1425
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/04/17
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】われわれは,感染症対策に使用する種々の消毒薬が医用画像や医療機器に与える影響について検討した.【方法】CT・マンモグラフィ(mammography: MMG)・一般撮影系において消毒薬の残存が医用画像に及ぼす影響について調査した.各種消毒薬を添付したアクリル円板を各撮影装置にて撮影し,視覚的評価ならびに画像信号値の変化を評価した.また,各メーカに対し医療機器の清拭方法に関するアンケート調査を実施した.【結果】CT・MMGにおいては画像上で視覚的に残存消毒薬を確認できた.一般撮影系ではその確認ができなかったが,一般撮影系の画像信号値は統計解析により有意差を確認できた.これは一般撮影装置における短時間撮影領域での非直線性の影響が大きく関与していることが考えられた.また,各医療機器メーカへのアンケート調査の回答から,医療機器取扱説明書に記載が及ばない詳細な清拭方法について把握することができた.【結語】放射線検査領域における医療機器の感染症対策に関する認識には差異があり,誤った管理方法を実施することで感染リスクの上昇や機器の腐食を招く恐れがある.また,消毒薬が医用画像に与える影響はモダリティごとで異なることが示唆されるため,感染症に対する放射線医療機器管理の再認識が必要と考える.

  • 鈴木 宏明, 森島 貴顕, 太田 丞二, 荒井 一正, 佐藤 久弥, 石川 栄二
    論文ID: 2024-1450
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/04/08
    ジャーナル フリー 早期公開
    電子付録

    【目的】病院放射線部門の災害時停電対策に関するアンケート調査を行い,各施設の現状を明らかにする.【方法】全国の医療機関600施設に対してWebによるアンケート調査を行った.調査内容は災害時における放射線部門への電力供給状況,放射線部門診療機器への停電の影響など全34項目とした.【結果】242施設(回収率:40.3%)からアンケートの回答が得られた.停電時に55.8%~68.2%の施設がCT装置,一般撮影装置,血管撮影装置を自家発電機で使用可能であった.医療情報システムについては,28.1%~40.7%の施設においてすべての検査室で使用不可であった.また,停電により81.4%の施設が放射線部門診療機器の動作不良を経験していた.【結語】放射線部門診療機器と医療情報システムに対する自家発電機による電力供給状況が明らかとなった.また,停電により多くの装置の動作不良が生じており,停電によるさまざまな状況を想定した訓練を実施しておくべきである.

  • 大﨑 洋充, 久保田 千裕, 石川 一磨, 佐藤 充, 安本 佳章, 深井 翔平, 坂下 哲哉
    論文ID: 2024-1451
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/04/04
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】177Luイメージングによる線量評価において副作用の予測や投与量の最適化を行うには高精度な定量的SPECT画像が求められる.われわれはモンテカルロシミュレーションにより,さまざまな撮像条件時の177Luイメージングにおける定量値の精度および変動性を検証した.【方法】SIMINDを用いて7.4 GBqの177Lu-DOTATATE投与後6時間の肝内腫瘍を模擬したNEMAボディファントムのSPECT画像をコリメータとエネルギーウインドウの組み合わせを変えて取得した.変動性評価では撮像時間ごとにポアソンノイズを付加した30個のSPECT画像を作成した.精度は相対誤差,変動性は変動係数を評価した.【結果】BG領域の相対誤差は10%以下の精度であった.Hot球の精度はMEGP 208 keVが最も高く,腫瘍径に依存して低下した.変動性は撮像条件により変化し,撮像時間の延長により改善した.【結語】モンテカルロシミュレーションにより177LuイメージングのSPECT撮像条件ごとの定量値の精度と変動性を明らかにした.

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