日本放射線技術学会雑誌
Online ISSN : 1881-4883
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早期公開論文
早期公開論文の3件中1~3を表示しています
  • 津田 規吏
    論文ID: 2024-1441
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/07/18
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】眼窩外耳孔(orbitomeatal: OM)ラインに対する設定チルト角を変更したときの頭部computed tomography (CT)画像の頭蓋底部におけるアーチファクトを評価した.【方法】評価試料は,チルト角度を0度から20度まで5度ずつ設定し,ヘリカル・ノンヘリカルスキャンそれぞれで取得した頭部ファントムのCT画像を用いた.測定用の関心領域(region of interest: ROI)はファントム画像の小脳,側頭葉,前頭葉,大脳基底核に設定した.アーチファクトは,ROI間の平均CT値の変動係数(coefficient of variation: CV)とGumbel法の位置パラメータ(β)により評価した.【結果】ヘリカル・ノンヘリカルともにチルト角度が増加すると,前頭葉部ではCV値とβ値は上昇したが,小脳部ではいずれも低下した.側頭葉と大脳基底核部ではチルト角度による変化の傾向はみられなかった.【結語】OMラインに対してチルト角を大きくすることで前頭葉部のアーチファクトは増加し,小脳部のアーチファクトは減少した.

  • 衞藤 路弘, 小野 泰司, 中渡 智文, 花宮 大輔, 畑中 裕司
    論文ID: 2024-1477
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/07/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究では,動画像から人間の姿勢を推定する技術(以下,姿勢推定手法)とRGB画像を取得できる2台のカメラを組み合わせ,ポジショニング時の体位を取得することで,頭部X線撮影をシミュレートするシステムを提案する.【方法】カメラで撮影したポジショニング後の正面と側面の画像から姿勢推定手法を用いて正中矢状面(median sagittal plane: MS),体軸断面(axial plane: AX),眼窩耳孔線(orbitomeatal baseline: OM)の角度を取得し,結果に応じたX線画像を表示する.【結果】姿勢推定手法で取得した特徴点の座標データをもとに,ポジショニング時の頭部の傾きを判定することができた.人体を模擬患者とした撮影実験では,頭部の傾きが大きくなると測定誤差は大きくなったが,正しくポジショニングされたときの各軸の測定誤差の平均値は,MS 0.9°,AX 0.8°,OM 1.5°であった.【結語】姿勢推定手法を用いることで,X線撮影時のポジショニング精度を評価でき,シミュレータシステムとしての可能性が期待できる.

  • 伊地知 哲也, 田畑 成章, 河原 優菜, 尾畑 麻美, 富永 雅也, 中村 裕範, 井上 敏朗
    論文ID: 2024-1456
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/05/21
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】Computed tomography(CT)における被写体の位置がリバース型人工肩関節に対するキヤノンメディカルシステムズ製の金属アーチファクト低減処理(single energy metal artifact reduction: SEMAR)の効果に与える影響について検討する.【方法】リバース型人工肩関節を固定した自作ファントムをガントリ(XY面)の4カ所の位置(on-center,on-centerからX軸のマイナス方向に50 mm,100 mm,150 mm)で撮影を行い,SEMARを用いていない画像とSEMARを用いた画像を取得した.Artifact index(AI)による物理評価とシェッフェの一対比較法(浦の変法)による視覚評価を行った.【結果】SEMARを用いることで各ファントム位置のAIは有意に低下した.ファントム位置がon-centerから離れるほどAIは高くなり,一対比較法では視覚的に金属アーチファクトが増加する傾向を示した.【結語】SEMARは被写体の位置にかかわらず金属アーチファクト低減効果を認めたが,被写体の位置がon-centerから離れるほど金属アーチファクトが増加する可能性がある.

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