Oncoplastic Breast Surgery
Online ISSN : 2432-4647
ISSN-L : 2432-4647
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総説
  • 素輪 善弘, 棚倉 健太, 吉村 浩太郎
    原稿種別: 総説
    2024 年 9 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー

    乳房領域への自己脂肪注入術 (Autologous Fat Grafting : AFG) の需要が高まるなか, 本邦での実用例は他国に比較してまだ少なく, 手術適応や施行後合併症の実態など不明確な点も多い。最近になって, 海外では乳房への AFG の有効性や安全性についての質の高いランダム化比較試験やシステマティックレビューがみられ, 国内でも AFG についての研究報告が増えている。今後, 本邦においても AFG が有効な乳房再建法の一つの手術オプションとして標準化されることが期待される。そのためには, これまで蓄積されてきたこれらのエビデンスを基に日本の社会的医療事情と照らし合わせながらその安全性と有効性を改めて正しく理解し, 総括することが必要と思われる。本稿では, AFG の歴史的背景を振り返りながら, その安全性と効果, そして今後の展望について, 国内外で示された科学的な根拠に基づいて解説する。

原著
症例報告
特集 脂肪移植
  • 素輪 善弘, 吉村 浩太郎
    原稿種別: 特集 : 脂肪移植
    2024 年 9 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー

    19世紀の終わりころより行われ始めた自家脂肪移植 (Autologous Fat Grafting : AFG) は, 比較的安定的な効果が得られるまで, 紆余曲折の歴史的背景があった。その間, 多くの研究者によって生着原理が明らかにされ, 医療技術が進歩し, 医療器具も発展してきたことで治療成績の向上が得られてきた。そして, 乳房領域においても徐々に患者の負担やリスクを上回る明らかな有効性が確認されつつあり, 現在は実用化の時代に至ったように思われる。本稿では, AFG の紆余曲折の発展の過程から現在に至るまでの歴史的背景を解説する。

  • 菅 浩隆
    原稿種別: 特集 : 脂肪移植
    2024 年 9 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー

    脂肪移植を理解するために必要な基礎知識について, 解剖, 生着機序, 幹細胞に分けて概説する。脂肪組織は毛細血管に富んだ組織であり, その血管周囲に張り付く形で脂肪由来幹細胞 (CD31陰性 / CD34陽性) が存在している。移植する脂肪組織は, その採取の過程で一部の細胞が死滅していること, 移植後はさらに中心部が壊死に陥ることが知られている。脂肪移植における生着率を高めるためには, 移植する時点での細胞死を最小限にすること, できるだけ小さな塊で多くの層に広く均等に移植することなど, その手技が非常に重要である。移植される脂肪組織に含まれる脂肪由来幹細胞は, 肝細胞増殖因子や血管内皮増殖因子, 各種インターロイキンなど, さまざまなサイトカインを分泌することが知られている。そのため, 脂肪移植においてはボリューム補充による形態的改善の効果のみならず, 機能的改善の効果も期待できる。

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