日本緬羊研究会誌
Online ISSN : 2186-1013
Print ISSN : 0389-1305
ISSN-L : 0389-1305
1990 巻, 27 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 出岡 謙太郎, 庄司 好明, 寒河江 洋一郎
    1990 年 1990 巻 27 号 p. 1-5
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/04/22
    ジャーナル フリー
    泌乳前期母羊の粗飼料としてアンモニア処理稲わら (ARS区), 無処理稲わら (RS区) および乾草 (H区) を自由摂取させ, 飼料摂取量と体重変化に及ぼす影響を検討した。
    分娩後4日目のサフォーク種母羊12頭を4頭ずつ上記の3処理に配し, 分娩後42日目まで飼養した。いずれも双子授乳羊であり, 母子羊1組ずつの単飼とした。母羊の濃厚飼料給与量は乾物で体重の1.4%とした。アンモニアの添加量は稲わら乾物重量の3%とした。
    アンモニア処理に供した稲わらは栄養価の低いものであったが, アンモニア処理によって栄養価が向上した。粗飼料の乾物摂取量の体重に対する割合はARS区1.02%, RS区1..0%およびH区1.38%で, 区間に有意差は認められなかった。泌乳前期母羊の粗飼料として, 栄養価の低い稲わらから調製したアンモニア処理稲わらは, 標準的な栄養価の稲わらや, 乾草に匹敵する採食性を示した。
    母羊のCPおよびTDN摂取量はRS区 (269gおよび1.21kg), H区 (303gおよび1.40kg), ARS区 (324gおよび1.48kg) の順に高くなる傾向があり, RS区とARS区のCP摂取量において有意差を認めた。
    この間の母羊の日増体量はARS区-0.43kg, RS区-0.26kgおよびH区-0.2.kgで, また, 子羊の日増体量はARS区0.27kg, RS区0.24kgおよびH区0.24kgであり, いずれも区間に有意差は認められなかった。
  • 八巻 邦次, 大内 望, 紺野 朋夫, 稲葉 紀雄
    1990 年 1990 巻 27 号 p. 6-11
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    日本の面積の67%を占める森林の未利用資源でめん羊生産が可能であるかをみるために牧草区と林間区にサフォーク (SF) コルデール (CO), チェビオット♂×コリデール♀のF1 (CC) の3品種を配置して, その成長と放牧行動を調べた。体重は測定値が正確な月齢体重になるように補正された。林間区 (約1ha) では野草の自然植生のままで, 一切の補助飼料を与えなかった。林間区はほぼ4ヵ月齢で林間の実験区に移されたが, 放牧区の各品種もこの時期に増体の伸びが停滞する傾向を見せた。これに対して, 林間区ではSFが極端に体重が減る傾向を見せたが, CCとCOは増体する傾向にあった。生時体重では品種間, 実験区間の差は見られなかった。離乳時体重では品種間差がみられSFはCO, CCよりもそれぞれ3.71, 3.67kg重かったが, 実験区の有意差は認められなかった。7ヵ月齢時では品種間, 実験区間の有意差は認められなくなり, SFはCO, CCよりもそれぞれ3.27, 4.21kg少なく, 牧草区は林間区よりも2.83kg大きくなる傾向を示した。また, 離乳前増体では品種間差に, 離乳後7ヵ月齢までの増体では品種間, 実験区間のいずれも有意差が認められた。これらの結果は林間放牧では, その立地条件や環境に見合った品種を適地, 適作方式で考える必要性を示唆した。
    採食, 反芻, 庇陰, 歩行距離の何れの行動にも品種間による有意差はなかったが, 実験区間, 月別, 時間別による有意差が認あられた。とくに, 8月から9月にかけての行動パターンの変化は顕著であった。また, 時間別による要因は高度に有意であり, これが行動を規定する重要な要因であることを示した。また, 庇陰行動は太陽の直射熱を避けるために行なわれているものと考えられた。この実験での時間による差異は, これらの行動が日照, 気温, その他の流動的な環境要因によって生じたものであった。
  • 戸苅 哲郎
    1990 年 1990 巻 27 号 p. 13-18
    発行日: 1990/12/20
    公開日: 2011/04/22
    ジャーナル フリー
feedback
Top