近年,航空機等の構造部材として炭素繊維複合材料(CFRP)の適用が急速に拡大している.今では航空機のみでなく軽量化への要 請の高まりから,自動車等の一般輸送機器などへの応用が進められている.CFRP の実用化において,構造,組織,繊維の強度,樹脂の 強度など様々なことを検討する必要がある.その中でも衝撃,熱による CFRP 内部の亀裂やボイド(空隙)が起こりやすく,数多くあ ると実用化において疲労により破壊しやすくなってしまう恐れがある.また層間に起こる剥離も CFRP の強度を大きく変える要 因の一つである.(1) 本研究では無吸湿性熱可塑性樹脂(TPX)を用いた CFRP(TPX および TLN)の内部構造をマイクロ X 線 CT で撮影し評価する.そ の中でも内部欠陥を検証し,空隙率を算出する.さらにマイクロ X 線 CT の解像度を 2.0μm/pixel, 1.0μm/pixel, 0.5μm/pixel と解像度 を変えて撮影し,解像度による空隙率の違いについても報告する.
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