消化器疾患のなかでも門脈圧亢進症ほど治療法の変遷を経たものは数少ない.すなわち, 門脈圧亢進に対する外科療法では脾腫に対する脾摘術に始まり, 門脈圧亢進症の病態の検索とともに数多くの外科手術法が編み出され, 病態の解明および長期予後評価の結果, いくつかのものが完成された術式となった.現在, 主流となった内視鏡的硬化療法は, 多くの内視鏡治療のなかでもごく初期に登場した.約60年前の報告から一時消え去ったかにみえた治療法が, 機器と手技の改良により再認識され広く施行されるようになったことは他に例をみない.
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