下水道協会誌
Online ISSN : 2434-2475
Print ISSN : 0021-4639
最新号
2024年5月号
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学術論文
  • 武藤 真, 森 篤史, 福田 謙太郎, 堀口 陽子, 小林 義和, 大沢 昌玄
    2024 年 61 巻 739 号 p. 90-108
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/21
    ジャーナル 認証あり
    下水道管とマンホールの耐震化工法には,マンホール浮上抑制工法,既設人孔耐震化工法,下水道管更生工法が一般的に採用されている。地震時の被害が特に大きい液状化地域において,既設人孔耐震化工法,下水道管更生工法においても,マンホールの浮上抑制の効果が期待できれば,下水道の地震対策を効果的かつ効率的に進めることができる。筆者らは,先行する研究で遠心模型実験装置を用いて,各工法におけるマンホールの浮上抑制効果を確認した。 本研究では,この実験を再現することを目的に液状化解析プログラムLIQCA を用いて動的有効応力解析を行った。各工法の機能を数値解析で再現し,地震動による人孔の浮上を解析的に検証した。その結果,汎用2次元FEM 解析ツールを用いて,人孔浮上抑制効果を再現できる解析モデルを提案できた。また,遠心模型実験結果から判明した人孔浮上抑制要因を解析的に示すことができた。さらに,実験で明らかにされなかった既設人孔耐震化工法の人孔浮上抑制メカニズムをエネルギーの観点から解析的に示した。本解析手法を発展させることで,下水道システム全体の耐震効果の確認や被害予測を行うことが可能となり,効果的かつ効率的な耐震対策が可能となる。
報告
  • 岡田 誠之, 今井 正樹, 前田 信治, 福井 啓太
    2024 年 61 巻 739 号 p. 102-109
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/21
    ジャーナル 認証あり
    2014 年「雨水の利用の推進に関する法律」が施行され,この法律は雨水の利用を推進し,もって水資源の有効な利用を図り,あわせて下水道,河川等への雨水の集中的な流出の抑制に寄与することしている。このことによって, 雨水を建物の地下ピットに貯留して水洗便所用水に利用する設備が一層脚光を浴びることになった。他に下水道行政の雨水流出抑制の施策として雨水タンクの設置が進んでいる。住宅の雨水利用(雨水タンク)の普及基数は水道水の軽減や洪水の防止として全国で数十万基といわれている。このように雨水利用の普及が進んでいるが,雨水タンク容量の選定について一連の報告が少ないことが現状である。そこで本稿では雨水タンク容量の選定のガイドライン設定の一助になることを考えて,住宅の雨水タンク容量の決定において,取水効率,屋根面積,地域性,使用水量を含めて検討した。さらに,オーバフローする雨水を地下浸透する場合の浸透すべき量を推定することも検討した。
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