下水道協会誌
Online ISSN : 2434-2475
Print ISSN : 0021-4639
58 巻, 709 号
2021年11月号
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ノート
  • 中尾 賢志
    2021 年58 巻709 号 p. 100-105
    発行日: 2021/11/01
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー

     下水汚泥溶融炉から排出される溶融スラグと溶融飛灰を5%硫酸酸性下で恒温振盪機60℃,130rpmの条件でリンを溶出した。その溶出液を水酸化ナトリウムでpH2~12に調整し,沈殿物を生成させた。上澄み液の分析により,沈殿物へのリンと金属の回収率を計算した。その結果,スラグ溶出液からのリン回収率が最も高いのはpH7と8,溶融飛灰溶出液からのリン回収率が最も高いのはpH8であった。リンと挙動をともにする金属の動態を確認するため,溶出液のpHを変化させることにより溶出液のリンと金属類の反応をシミュレーションし,pHとORPの変化によって沈殿物中のリン酸化合物の組成の変化を推定した。それによると,スラグではpH5~12,溶融飛灰ではpH4~12で主たる沈殿物はリン酸アルミニウムだと推測された。

報告
  • 竹島 正, 武藤 文雄, 西村 秀士
    2021 年58 巻709 号 p. 106-110
    発行日: 2021/11/01
    公開日: 2021/11/01
    ジャーナル フリー

     優れた処理性能を有する活性汚泥法の欠点の一つに発生するスカム問題がある。気泡を槽底部から散気して混合や酸素供給を行う活性汚泥法生物反応槽の水面付近や後続の沈殿池に泡状のスカム物質が浮上することがある。昭和40年代の終わり頃から全国的に報告されるようになったこの現象は放線菌が産生する強疎水性物質が原因とされている。その後,放線菌増殖の抑制に向けて多くの研究が行われ,発生も抑制されて来た一方,未だに発生事例も多く残っている。本報告は著者らが海外において放線菌スカム発生が太陽光を受けることで抑制されていると思われる事例を経験したことを発端として,スカムの原因菌であるGordonia amaraeに対する紫外線の殺菌効果について検証すると共に,実際の生物反応槽に適用する装置を考案したことを報告するものである。

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