北里大学一般教育紀要
Online ISSN : 2424-0125
Print ISSN : 1345-0166
ISSN-L : 1345-0166
24 巻
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
原著論文
  • 平井 清子
    原稿種別: 原著論文
    2019 年 24 巻 p. 1-21
    発行日: 2019/03/30
    公開日: 2019/08/23
    研究報告書・技術報告書 フリー
     グローバル社会の中で、アジア諸国の英語教育に関心が寄せられて久しい。日本と同じく英語が外国語である韓国、中国などにおいては幅広い研究がなされている。台湾についての研究は近年徐々に増えてきているものの、いまだ十分とはいえない。本稿では、戦後から現在(1945-2017)までの台湾英語教育の改革と発展過程を概観する。
     戦後台湾の英語教育政策は事実上、1950年代から始まる。その後は積極的に組み込まれ発展していく。戦後からの英語教育は、台湾が欧米と繋がり、教育の質の向上や人的資源を育て、経済発展・技術発展を進めることの媒体として発展してきた。これは同時に英語教育における政治的影響を強く反映するものでもあった。1970年代の初めより、台湾は急速に近代社会へと発達し、高度成長を成し遂げ、続いて英語教育も次の体制へと新たに構築されていった。1980年代後半を経て、1990年代後半以降はグローバル化を進め国際競争力を高めるために英語教育は重要視されてきた。
     1987年には戒厳令が解かれ、民主化が進められる。とりわけ2000年に入ってからは、英語教育は社会の変遷や人々の価値観といった民意を反映するものに移行していったことが読み取れる。さらには、国民の英語能力向上のため取り組まれた政策は、国民全体の生活レベルや教育の機会均等におよび、社会の民主化と近代化の発展に及ぼした影響が大きいことが示唆された。
  • ブラットン セオドア・A.
    原稿種別: 原著論文
    2019 年 24 巻 p. 23-34
    発行日: 2019/03/30
    公開日: 2019/08/23
    研究報告書・技術報告書 フリー
     第2言語の音声システムが有する分節的特徴と超分節的特徴の両方を含めるという、発音教育におけるパラダイムシフトを鑑み、この研究は、標準中国語マンダリンの話者が個人指導という文脈内で英語の母音の発音を改善できるように、音読のような既存の教育技法を使用する可能性を探求するべく企画されている。参加者の自己動機付けによる多読プログラムで使用した、親しみのある級別の読み物をリサイクルすることにより、筆者はこのアプローチを既存のEFLカリキュラムに統合できることを実証した。この研究で実施されたアプローチは、Kupzyk, McCurdy, Hofstadter, and Berger’s (2011) のL1(第一言語)学習者の研究に一つの重大な修正を加えたものに基づいている。Kupzyk らの研究は、参加者の親によって実行することができるアプローチの有効性をテストするように企画されているので、矯正フィードバックの機会はほとんどないか全くなかった。対照的に、この研究における異なる環境では、参加者が明確な指導や言い直しという形で研究者からの矯正フィードバックを得られた。参加者のエラーは事前テストと事後テストの間で大幅な減少(合計28から10へ)を示し、形態に注目する指導と組み合わせた音読が、学習者の分節的特徴の生産を改善する点で効果的となりうることを示唆している。このことは、参加者が当初最難関であると思っていた母音の音声(例:/iy/ 対 /ɪ/ ) に関して特に該当していた。このアプローチが個人レッスンという背景では有効であると示された一方で、このような個別化された発音指導法が異なる教育の場にいる他の学習者集団に適しているかどうかは未だ不明のままである。
研究ノート
翻訳
feedback
Top