大阪府立環境農林水産総合研究所研究報告
Online ISSN : 2188-6040
6 巻
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  • 瓦谷 光男, 浜崎 健児, 柴尾 学
    2020 年 6 巻 p. 1-7
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/04/02
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    1.黒色実腐病菌接種後に50℃30 分,50℃40 分,52℃30 分温湯処理した種実の発病は30%以下に抑えられ,発病に要した日数(13~17 日)も対照区(25℃40 分)より6 日以上伸びた.
    2.自然感染クリ種実(黒色実腐病感染率22%)では,黒色実腐病は,ヨウ化メチルくん蒸処理により12%,温湯処理により4~6%にまで減少した.また,対照区では25℃保存7 日後に黒色実腐病の発病が始まったのに対し,くん蒸処理では13 日後,温湯処理では14 日後に発病が始まった.
    3.黒色実腐病菌接種後5℃で保存すると発病までに56 日を要し,温湯処理した種実では,冷蔵期間中5 か月経過しても黒色実腐病は発生しなかった.
    4.自然感染クリ種実を5℃で冷蔵すると74 日後に発病が認められ,5 か月経過後も発病は2%であった.また,温湯処理後は冷蔵期間中5 か月経過しても本病の発病は認められなかった.
    5.黒色実腐病菌接種および自然感染クリ種実における黒色実腐病以外の原因による腐敗は,温湯処理やくん蒸処理により増加する傾向が見られた.
    6.今回の試験結果より,クリ種実において,50℃40 分の温湯処理を行い,処理後直ちに流水で5分間冷却,風乾後5℃で保存すると5 か月間は発病が認められないことを明らかにした.
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