日本物流学会誌ジャーナル
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1993 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 森田 稔
    1993 年 1993 巻 2 号 p. 3-10
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    この報告は、2つの部分から成り立っている。
    第1は、日本企業が直面しているロジスティクス (あるいは物的流通) の課題を要約している。
    第2は、3つの調査結果を用いて、日本企業がロジスティクス (あるいは物的流通) に関するシステム化に当って、特徴のある企業行動を採っていることを指摘する。
  • 今井 昭夫, 三木 楯彦, 蔡 煕
    1993 年 1993 巻 2 号 p. 11-26
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    ネットワーク理論における単目的最短路問題については今日まで様々なアルゴリズムが提案されてきた.しかし輸送問題や大規模工業システムなどの複雑なシステムにおける意思決定に際して, ある1つの目的関数での最短路が最適解とならない場合がしばしばある.一般化された問題においては, 目的関数は二目的関数あるいはそれ以上の多目的関数として表現される場合がある.例えば自動車の経路選択問題において, 有料の高速道路と一般道路が混在するとき, 高速道路をとれば所要時間が短いが輸送コストは高く, 逆に一般道路をとれば所要時間が長いが輸送コストは低くなり, 目的関数は時間とコストの2つになる.このような背景のもとに, 複雑で実際的な場面において多目的 (所要時間, 運賃, 便数等) を考慮した問題の最適化理論および研究が重視されるようになった.
    本研究ではまず, 任意のネットワークにおいてある始点から終点までの単目的問題について, 与えられた許容長内で可能なすべての経路を算出する方法 (単目的制約k最短路問題と呼ぶ) を考察する.この方法に関して基本解法と分割法の2つの方法を考案する.
    次に単目的制約k最短路問題を拡張し, 二目的制約k最短路問題の解法を提案する.これは各アークに2つの長さ (例えば時間とコスト) がある任意のネットワークにおいて, ある始点から終点の問でとりうる経路のそれぞれの合計の長さが与えられた両許容長以下となるすべてのものを算出する問題である.これに関しても基本解法と分割法の2つの方法を考察する.
    さらにこの二目的制約k最短路問題を用いて二目的最短路問題の解法を提案する.この問題は各アークに2つの長さがある任意のネットワークにおいて, 始点から終点へ至る経路の集合の中からパレート集合を求めるものである.これにより意思決定者は経路のパレート集合から自己の選好によって最良の経路を選択しうる.
    最後にFORTRAN 77でコード化した以上各問題のプログラムを用いてEWS上での計算結果を示す.
  • 今井 昭夫, 三木 楯彦, 王 朝暉
    1993 年 1993 巻 2 号 p. 27-41
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    本研究では定期船航路の最適配船計画を取り扱う.定期船サービスでは他の輸送機関と同様, 高速性はきわめて重要である.定期船では不特定多数の荷主が混載で様々な区間を利用しているため, 1航海の航海時間の最小化が一つの目的関数になる.一方, 船会社の収益性や海運サービスの公共性の立場から1隻の貨物輸送量の最大化がもう一つの目的関数であろう.しかし船型の関係から, 最短時間での航海経路で必ずしも最大輸送量が実現できる保証はない.そこで本研究ではこれらの目的を有する配船計画を2目的巡回セールスマン問題として検討する.解法としてはまず可能な最大貨物量での最小巡回路を巡回セールスマン問題で求める.さらに既存の巡回セールスマン問題のアルゴリズムを改良して, 先の巡回路の値以下のすべての巡回路を見つける.そして各巡回路に対して, 多品種流問題を用いてその巡回路での最大輸送量を求め, 巡回路の長さと輸送量を用いて, 列挙した巡回路からパレート解を見つける.今回は既存の多品種流問題のアルゴリズムが適応できないため, 有向閉路を対象にしたK品種に対するO (|K|2) の多品種流問題のアルゴリズムを開発した.計算実験の結果, 本2目的巡回セールスマン問題のアルゴリズムは効率的であることが明らかになった.本研究は定期船と同様の運行形態である巡回型バスのルーチングにも適用可能である.
  • 佐藤 茂樹
    1993 年 1993 巻 2 号 p. 43-68
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/08/16
    ジャーナル フリー
    ロジスティクスも物流も顧客サービス・ミックスの重要な要素である。サービスである以上、サービス性 (Serviceability) が問題となってくる。しかし、未だサービス性について科学的に広く認められた定義は存在しない。一方、サービス性と関連のある保全性 (Maintainability) については、信頼性工学と関連して、保全性工学がある。そして、このサービス性、保全性および、広義の信頼性を支援するものがロジスティクス・リソースである。
    この様な観点からすると、サービス性、保全性、信頼性は、ロジスティクス・リソースのアベィラビリティに大きく影響されるものと考えられる。従って、製品又はシステムのアベィラビリティも又ロジスティクスアベィラビリティに依存する (Depend) ことになる。この意味で、ロジスティクスは、信頼性、保全性、サービス性、アベイラビリティを含む総合的な概念としての「デペンダビリティ」の重要な要素である。すなわち、ロジスティクス・リソースによる支援性が確保されない限り、製品、又はシステムのデベンダビリティは保証されないからである。このデベンダビリティとは、広義の信頼性概念として、IEC (国際電気標準会議) が「IEC300」なる文書で次のように定義している。
    デベンダビリティ : アベイラビリティ特性とそれに影響を与える要素、すなわち信頼度特性、保全度特性および保全支援特性 (メンテナンス・ロジスティクス) を記述するに用いる統括的用語である。
    以上のような観点から、顧客に対するロジスティクス支援性 (Logistics Supportability) は、顧客サービスの最も重要な要業と考えられる。したがって物流ロジスティクスにおけるデベンダビリティとは「ロジスティクス・アベイラビリティ特性」とそれに影響を与える要業、すなわちアイテムの需要度特性、在庫サービス支援度特性、配送サービスの信頼度・保全度特性などを記述するに用いる統括的用語として認識できる。そこで、物流ロジスティクスデベンダビリティ概念を、物流ロジスティックサービスとそのシステム有効性 (System Effectiveness) から構成され、測定・評価するものとし、次のように定義してみた。
    〈物流ロジスティクス・デベンダビリティ〉
    物流ロジスティックサービス :
    顧客の需要アイテムを、与えられた条件において、規定の期間内に利用可能な状態で納入完了し、顧客の需要を満足させるすべての処置および活動。
    物流ロジスティックサービスのシステム有効性 :
    顧客の需要アイテムを、与えられた条件において、規定の期間中、利用可能な状態に維持し、顧客の需要を充足する確率。
    本研究は、このような視点から広義のロジスティクにおける重要な側面としての支援機能に着目し、支援性 (需要の充足性) を、信頼性、保全性との関係において研究し、新たに支援性の尺度として支援度、支援率を定式化し、支援性理論モデルを発明した。そして、その考え方を導入し、上記ロジスティクデベンダビリティにおけるロジスティクス・アベイラビリティ決定の要素である伝統的な「在庫サービス率」に、新しい解釈を加え、伝統的な在庫サービスモデルと支援性モデルを、確率論的に統一したモデルで定式化した。又、この概念の拡張によって新しいサービス率とロジスティクス・デベングビリティを定式化し、その最適化技法を提案するものである。
  • 高橋 輝男
    1993 年 1993 巻 2 号 p. 69-78
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
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