農業問題研究
Online ISSN : 2434-2203
Print ISSN : 0915-597X
49 巻, 2 号
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特集にあたって
論文
  • ─2015年センサスと集落営農実態調査のマッチングデータを用いて─
    鈴村 源太郎
    2018 年 49 巻 2 号 p. 6-16
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/02/03
    ジャーナル フリー
    近年,組織経営体はその重要性を増しつつある.前回の2010年センサスでは,特に集落営農組織の急増が疑われたが,センサスにはそれを直接確認する手段がなかった.本論は2015年センサスで初めて実施された集落営農実態調査とのマッチング接続データから集落営農組織の実態を浮き彫りにした.具体的には従来の法人・非法人に加え,集落営農組織か否かを峻別し,経営資源量等に着目した組織経営体の内部構造分析を行った.
  • 曲木 若葉
    2018 年 49 巻 2 号 p. 17-26
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/02/03
    ジャーナル フリー
    本稿では2015年センサスにおける農業構造変動の特徴とその地域性を,土地利用面に着目しながら明らかにすることを課題とした.分析の結果,今期は従来の「世紀末構造変動」で見られた,より借入の進む地域で田の減少が少ないといった相関関係を検出し難くなった.これは「負の流動化」が進んでいた地域でも組織経営体による田の集積が進んだこと,また山陽や東海のように借入が進んでも田の減少率が高い地域が検出されたためであった.
  • ─農家の世代構成に着目して─
    澤田 守
    2018 年 49 巻 2 号 p. 27-39
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/02/03
    ジャーナル フリー
    本論文では,2005年から2015年の農林業センサスの組替集計をもとに,世代構成に焦点を当てて家族経営と農業労働力の現段階の特徴を分析し,以下の点を明らかにした.第一に,農家家族の世代構成に関しては,地域性を維持しながら,全ての地域で三世代世帯の割合が減少し,一世代世帯の割合が高まっている.第二に,世代構成と農地貸借との関係をみると,借地に関しては三世代世帯が借地している割合が高く,世代構成と密接に関連している.その一方で,農地貸付に関しては,農家の世代構成と貸付行動との関係が希薄となっている.第三に,2010年から2015年にかけて農業投下労働規模が「3〜4単位」の専業的な家族経営が大幅に減少している.第四に,2005年以降,雇用労働力の割合が顕著に増加している.特に,北海道では全体の20%以上を雇用労働力が占めるなど,農業労働力全体に占める雇用労働力の割合が拡大しており,常雇の人材育成が重要な課題となっている.
  • ─日台系外資企業と地元私企業との賃金構造比較─
    謝 驕南
    2018 年 49 巻 2 号 p. 40-48
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/02/03
    ジャーナル フリー
    本稿では,外資企業が多く進出している中国珠江デルタ地域での日系企業2社,台湾系企業1社,中国私営企業1社を調査し,農民工と呼ばれる農村戸籍労働者の属性と賃金構造を考察した.外資企業は,「低賃金」労働者を求め,珠江デルタに生産部門だけが移転され,熟練労働は不要で,年功的な賃金はほぼ存在していない.
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