リハビリテーション医療DX研究
Online ISSN : 2758-7258
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総説
実践報告
  • 青山 朋樹, 石塚(井上) 真実, 下浦 佳南子, 谷間(長井) 桃子
    原稿種別: 実践報告
    2023 年 1 巻 2 号 p. 41-44
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー

    地域における介護予防運動教室は,高齢者の介護予防として重要であるが,人材不足や予算制限により全ての地域において同様のサービスを受けられるわけではない.オンラインによる遠隔運動教室がこれらの問題の解決に寄与する可能性があるが,安全性の確保と,高齢者のデジタルデバイスの操作性の課題を解決する必要がある.これらの問題を解決するために,運動教室を実施中,足下の動きをモニターし転倒を防ぐ目的でマットの配布を行い,双方向性の動画共有を行う事で安全性を確保した.また高齢者においても普及しているソーシャルネットワーキングサービスの一つであるLINEのグループビデオ機能を用いることで操作性の解決を試みた.これらの仕組みを構築した上で,地域在住高齢者25名を対象に単群前後比較試験を行った.運動教室開始前に骨折して離脱した1名,運動教室実施中に病院通院や家庭都合で継続できなくなった3名を除いて21名が欠席することなく遠隔運動教室を完遂できた.運動教室実施中の転倒や関節痛悪化,血圧上昇などの有害事象は発生しなかった.これらのことから安全性と操作性における工夫を行った遠隔運動教室は実行可能性が高いと考えられ,今後の遠隔運動教室の実用化において期待できる結果が示された.

  • 椎名 郁
    原稿種別: 実践報告
    2023 年 1 巻 2 号 p. 45-49
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2023/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー

    昨今,各分野においてデジタル化が推奨されている.今回,当院訪問リハに多機能情報端末(iPad)および介護事業者支援システム(WINCARE)を導入した.これらデジタイゼーションが訪問リハの業務に及ぼす影響を検証することが本研究の目的である.対象者は,当院訪問リハの専従セラピスト11名とした.方法は,インタビューガイドを用いた半構造化面接にて,機器導入での書類の①作成しやすさ②理解しやすさを聴取した.そして,逐語録を作成した上で,階層的コーディング法を用いて分析をした.最後に,生成したカテゴリー同士の関係を類推し,関係図の作成と共に,取り組みに対する仮説を構築した.また,アンケート調査では,機器導入前後での③申し送り票の作成時間④地図等の作成時間⑤上記業務実施にあたる心理的負担感とした.なお,③~⑤は,Wilcoxon 符号順位和検定にて分析をした.結果は,①②より,カテゴリー3個,サブカテゴリー7個,コード156個を抽出した.カテゴリーは≪業務効率・能率向上≫,≪利用者のメリット≫,≪スタッフの生活の質が改善した実感≫であった.また,③15分→10分④10分→5分⑤7点→3点となり,有意差を認めた.生成されたカテゴリーは相互に影響し合い,利用者メリット(顧客),スタッフの生活の質(職員),業務効率・能率化(経営)の3視点からのバランスの良いアプローチに繋げることが出来たと考える.

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