【目的】本研究では,Mixed Reality技術を使用した介入が気分に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.仮説は「Mixed Reality技術により創造した動物とのふれあいを体験することで,実際の動物介在療法と同様に,抑うつ感や不安感が低下するなど気分に対して良い影響を与える」とした.【方法】対象者は成人73名とし,Head Mounted Displayを装着し,ハンドサインなどで仮想の犬を操作し,体験の前後で気分調査票に,体験後には自由記載の感想に回答した.気分の変化を体験前後の気分調査票の下位尺度にて比較した.【結果】爽快感が有意に増加し,疲労感,抑うつ感,不安感が有意に減少した.緊張と興奮は有意な変化を認めなかった.また自由記載欄には,良好な気分になったという意見が多く記載された.【考察】Mixed Reality技術によって,本物の動物がその場に居るように錯覚したことで,実際の動物介在療法と類似した結果を得ることができたと考えられる.緊張と興奮に対する効果が得られなかった理由は,Head Mounted Displayの装着や実施する環境が影響を与えていた可能性がある.【結論】Mixed Reality技術により創造した動物とのふれあいを体験すると気分に対して良好な影響を与え,実在の動物を用いた動物介在療法と類似した即時効果を得られることが示唆された.
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