リハビリテーション医療DX研究
Online ISSN : 2758-7258
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特集:リハビリテーション医療DX の基礎と応用
一般論文
  • 稲垣 潤, 鈴木 昭弘, 春名 弘一, 昆 恵介, 和田 直史, 竹沢 恵
    原稿種別: 実践報告
    2024 年2 巻1 号 p. 19-22
    発行日: 2024/12/28
    公開日: 2024/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー

    【目的】積雪寒冷地の冬期路面は転倒リスクが高く,転倒を機に要介護者となる事例も多い.凍結路面での転倒予防には全足接地歩行が重要であるが,歩行速度が低下するため,一般的には路面の滑りやすさを目視で判別し,危険と判断した場合以外は通常歩行を選択する.この判断を誤り,全足接地歩行を行うべき路面で通常歩行を行った場合に転倒リスクが増大する.本研究は,カメラで撮影された数歩先の路面画像から滑りやすさをAIで判別し,危険度をユーザに事前警告して全足接地歩行を促すことにより転倒を予防するシステムの開発が目標である.本報告の目的は,冬期路面画像から滑りやすさの判別を行い,その判別精度について検討することである.【方法】路面画像466枚に対し,滑りやすさに応じてレベル0(乾燥・湿潤)~3(極めて滑りやすい)のラベル付けを行い,数歩先の視野角を切り出した画像データセット12,670枚を用いて学習ならびに判別精度の評価を行う.【結果】積雪凍結路面と乾燥・湿潤路面の判別では平均正解率0.988が得られたが,積雪凍結路面間の判別(レベル1~3)を含んだ平均正解率は0.617となった.【結論】積雪凍結路面と乾燥・湿潤路面の判別では高い精度が得られたが,積雪凍結路面間の判別では実用的な判別精度が得られなかった.原因として学習用データの画像数の不足が考えられ,より多様な路面画像の収集が課題である.

  • 齋藤 祐太郎, 小山 照幸, 村永 信吾, 小橋 孝介
    原稿種別: 実践報告
    2024 年2 巻1 号 p. 23-27
    発行日: 2024/12/28
    公開日: 2024/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー

    背景:地方公立病院が直面する課題は,少子高齢化と人口減少による医療資源の不足だけではない.医療の質向上と働き方改革という新たなニーズも加わり,これまでの体制では対応が困難になっている.そんな中,医療デジタルトランスフォーメーション(DX)が,地域医療の未来を切り開く鍵として注目されている.目的:鴨川市立国保病院では,亀田総合病院から2年間出向した医師と理学療法士とともに地域包括ケアシステムの確立を目指した医療DX化を推進した.本研究では,その道のりと成果を報告する.取り組み:Donabedianモデルに基づき,医療の質を「構造」「過程」「結果」の3側面から評価し,質指標(QI)を可視化するためのダッシュボードをExcelのプログラミングで作成.患者満足度,転倒・転落防止,褥瘡予防,病床稼働率といった重要指標をもとに,病院全体の状況をリアルタイムで把握し,多職種が連携してデータに基づく意思決定を進めた.展望:今後はダッシュボードを活用し,国保病院と地域医療機関とのデータ連携をさらに深化させ,患者が住み慣れた地域で一貫した医療と介護を受けられる地域包括ケアシステムの構築を目指す.また,DX化を通じて得た知見を活かし持続可能で質の高い“共に診る”地域医療を実現するためにさらなる可能性を追求する.

  • 杉原 俊一, 大原 啓司, 工藤 章, 新明 史江, 藤原 雄介, 藤山 洋平
    原稿種別: 実践報告
    2024 年2 巻1 号 p. 28-32
    発行日: 2024/12/28
    公開日: 2024/12/28
    研究報告書・技術報告書 フリー

    回復期リハビリテーション病棟の病棟管理支援では,リハビリテーション部門システム以外に電子カルテからの医療情報を加え運用しており,Excelファイルを中心としたデータベース(DB)の更新作業に時間を要していた.そこで,データの統合作業を自動化するため,ソフトウェア型ロボットのRPA(Robotic Process Automation)を使用し,DB更新作業で行う複数の医療情報システムにおける検索・抽出・入力,ファイル作成の工程作業画面をパーソナルコンピューター上で録画後,RPAを作成する医療情報部門と作業工程を共有し,DBの更新作業をRPAでタスクシフトした.その結果,日々のDBの更新時間が1時間削減され,他の管理業務や疾患別リハ実施単位の増加に繋がる体制が整い,RPAによる様々な情報の統合が,病棟管理支援業務の効率化に寄与すると考えられた.

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