支援機器開発において当事者を対象に行う初期段階の評価は、モニター評価とも呼称される。その効果的な実践は、機器の特性上、生活場面での使用を想定する必要があることなどから非常に複雑で難しい。これに対し我々は、我が国での更なる開発研究促進を目指し、モニター評価手法と、実践者の人材育成プログラム開発に取り組む。今回、その参考資料を得るため、先行する海外事例を調査した。Patient@HomeとSilver Projectを対象にインターネットで情報収集を行い、評価手法として“Model for Assessment of Tele medicine”と“Assistive Technology Assessment Tool”を抽出した。それらは開発技術の社会実装に際しての現場での許容度や、供給事業者を含めた経済活動への影響等の多様な視点を含み、エビデンス構築に向けた客観的なデータよりも開発目的に合わせた多面的で集学的な評価を重視した。モニター評価でも同視点が重要であり、これらは有用な参考情報となり得る。