6本の形状記憶合金ばねを用いた小型衛星用太陽電池パドルアクチュエータを2種類開発した.これらのアクチュエータは単独で太陽の方向を追尾し,微小重力下での小型衛星の回転を補償するためのカウンタウエイトを備えている.1つ目のアクチュエータはプロトタイプであり,微小重力下と真空中で実験を行った.このプロトタイプは直径100mm,高さ127mm,重量はカウンタウエイト340gを含めて660gである.カウンタウエイトは微小重力下での小型衛星の回転を補償するのに効果的であった.形状記憶合金の劣化特性を調べるため,真空中で繰り返し動作試験を行った.その結果,プロトタイプに対して以下の改善点があることがわかった.(1)衛星の影になることを避けるため,形状記憶合金ばねは衛星本体からできるだけ遠ざけること,(2)角度にオフセットをつけ,増速歯車が必要なこと,(3)打ち上げ時の振動に影響されないように浮遊した部分や柔軟な部分を固定すること.この目的のため,改良モデルを開発した.改良モデルを紹介し,動作実験の結果を示す.
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