MRI陰性造影剤フェルモキシデス(ferumoxides, FMX)の造影効果における臨床所見の影響を検討した.対象は転移性肝腫瘍 (metastatic liver tumor, Meta群)12例と原発性肝癌(hepatocellular carcinoma, HCC群)21例で,肝実質信号強度(signalintensity, SI)抑制率,腫瘍SI充進率,腫瘍-肝コントラスト/ノイズ比(contrast noiseratio, CNR)を算出し比較した.造影後Meta群, HCC群ともCNRは有意に増加し,造影前後のCNR差は両群間に差はなかった.肝SI抑制率も両者間に差がなく, HCC群において各臨床病期間にも一定の傾向は認められなかった.腫瘍SI充進率も有意差はなかったが,高分化型HCC 3症例中2例において腫瘍SIおよびCNRの減少がみられた. FMXの造影効果はMeta, HCCいずれにも認められCNRは増加したが,高分化型HCCのなかに腫瘍SIおよびCNRが造影後低下する症例のあった点が注目された.
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