PrulifloxacinおよびNM394のマウス,ラットおよびイヌにおける単回投与毒性試験を実施し,以下の成績を得た。LD
50値は,prulifloxacinのマウス経口および皮下投与で雌雄ともに5000 mg/kg以上,腹腔内投与で雄1757 mg/kg,雌1652 mg/kg,ラット経口および皮下投与で雌雄ともに5000 mg/kg以上,腹腔内投与で雄915 mg/kg,雌1076 mg/kg, NM394のラット静脈内投与で雄226 mg/kg,雌238 mg/kgであった。また,prulifloxacinのイヌ経口投与では致死量は雌雄ともに5000 mg/kg以上と推定された。一般状態観察では主な症状として,マウスで鎮静,呼吸数減少,異常歩行,立毛,閉眼,振戦,皮下投与部位の痂皮形成等が認められ,ラットで自発運動の低下,呼吸数減少,流涙,体温の低下,立毛,異常歩行,間代性痙攣,呼吸困難,皮下投与部位の痂皮形成,静脈内投与部位の充血,腫脹,壊死,痂皮形成等が認められた。また,イヌでは嘔吐,皮膚の発赤(耳介内面,腹部),軟便の排泄が認められた。体重推移ではマウス腹腔内投与およびラットの各投与経路で減少あるいは増加抑制が認められた。病理解剖学的所見として,マウスで肝臓および脾臓の退色,肝臓の肥厚,腹腔内諸臓器の癒着,ラットで胸水の貯留,肺の充血・水腫,腹腔内諸臓器の癒着,腎臓における微細な黄白色点状巣,腎臓の腫大,精巣萎縮等が認められた。
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