は位置に関わらず顔の対称性を妨げ，の無い顔に比べて魅力を低下させる。しかし，「泣きぼくろのある顔は魅力的である」というスキーマは国を超えて存在する。北神ら（2018）は，そのスキーマを活性化させることで，泣きぼくろのある顔はの無い顔より魅力的に知覚されることを示した。ただし，のある顔は魅力的と元々考えていた評価者は36％のみであった。本研究は，が顔の魅力を高めると考えているかを異なる手法で調査した。被験者（n＝205）は，と魅力に関する事前情報なしで，が顔の魅力を高めると考えているか，また，魅力的なの位置を回答した。更に，別の被験者（n＝126）の顔のの位置を記録し，両者の位置を比較した。その結果，84％の被験者がは顔の魅力を高めると回答した。また，魅力的と考えるの位置（大多数が目元と口元）と実際の分布（大多数が頬）は一致しなかった。以上より，特定の位置のは多くの被験者に魅力的に捉えられ，が魅力を低下させるとは一概に言えない。ただし，実際には魅力的と考える位置には少なく，例えば，描きぼくろが魅力の知覚に有効である可能性がある。

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掌蹠の良性の色素斑 (先天性色素性母班6例, 後天性色素性母班29例) を有する35例に炭酸ガスレーザー治療およびQ-スイッチルビーレーザー治療を行い効果を判定した。炭酸ガスレーザーで治療を受けた19例中17例は完治し, 2例に僅かの色素の再発が認められた。この例は先天性色素性母班の症例であった。Qスイッチルビーレーザー治療を受けた16例中, 完全に治癒した症例は7例であった。一度治癒と判定された11例中4例に再燃が認められた。先天性色素母班の3例には無効であった。掌蹠の良性の色素斑は先天性色素性母班を含めて炭酸ガスレーザーで焼却するのがのぞましい。

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顔の特徴情報を用いた表情と魅力の分析事例を示し解説した．実験Ⅰでは，瞬時に変化する顔の特徴情報であるAUを用いた．感情と表情の持続がその後の真顔や笑顔に影響することを，FACS判定により明らかにした．ネガティブやポジティブな感情癖が顔立ちを変えてしまう可能性が示唆された．実験Ⅱでは覚醒，疲労により緩やかに変化する顔の特徴情報を用いた．顔の幾何学的特徴である眼裂の針状度から開眼度を算出し，朝と夜の差異を明らかにした．朝より夜の開眼度が高い傾向にあったことから，上眼瞼挙筋は筋疲労より覚醒度の影響を強く受けることがわかった．実験Ⅲでは，時間変化しない顔の特徴情報である

の位置を調査し，その位置と印象の関係性分析を行った．印象評価と主成分分析の結果，第１主成分が魅力度，第２主成分が堅実度のイメージスケールが作成できた．顔の特徴情報を使いわけることによって，メイクアップや印象管理での指針となるだろう．

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 序文：いわゆる「

」と臨床診断された病変には，悪性黒色腫との鑑別がむずかしい中間悪性の病変が含まれる。この割合を調査した。
 方法：当院皮膚科において色素性母斑と臨床診断された病変および，切除後に後天性色素性母斑と病理診断された病変329検体をAckerman分類に従って分類し，臨床診断が色素性母斑であった割合と病理組織学的に中間悪性と診断された割合を調査した。
 結果：対象病変のうち，臨床診断が色素性母斑であった割合は89.0％であった。Spitz nevusに分類された割合が1.8％で最も少なく，さらに臨床診断が色素性母斑であった割合も66.7％で一番低かった。中間悪性または悪性と診断したものが全体の1.8％を占め，Clark nevus，Spitz nevusとの鑑別を要した。
 考察：術前に「」と診断されていても，病理組織学的に中間悪性または悪性と診断される病変は決してまれではない。特にSpitz nevusはこれらの病変と鑑別が必要な割合が高く，臨床診断もむずかしいことから注意が必要な「」であると考えられた。

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Introduction: We notice a big difference between children and adults. Nevi of the children tend to be flat and black, while those of adults are often elevated and hypopigmented. These differences could be explained by the depth of melanin distribution. The black or brown color is due to epidermal melanin, but blue-gray is because of dermal melanin. General Change of Nevus: The number of nevi would increase during puberty and decrease after the age of 40. The diameter of a nevus would increase up to 3 to 6 mm for the first few years and be stable after that, while the elevation might occur after the puberty or during pregnancy. Histopathological Classification of Nevus: Nevi are histopathologically classified into three categories, namely junctional, compound, and dermal, depending on the depth of melanocytic proliferation. Melanocytes in the junctional nevus mainly situated at the dermo-epidermal junction. Those in the compound type proliferate both at DEJ and the dermis. Those in the dermal nevus exclusively grow in the dermis. The junctional nevi remain to be flat during the life. Nevus on the Face: Facial nevi tend to be flat in the childhood, but become hemispherically elevated after the puberty. Nevus on the Trunk and Extremities: Nevi are flat and globular in the childhood and might transition to papillomatous type (Unna type). Nevi that appeared after the adolescence, are reticular on dermoscopy and remain to be flat and might disappear in the senescence. Nevus on the Palms and Soles: Nevi typically shows parallel furrow pattern on dermoscopy. They become hypopigmented in the senescence. Dynamic Change of Nevus (Spitz Nevus): The spitz nevus could change in the short period. It might be noted globular, followed by starburst, and then become reticular or homogeneous. It even might disappear in a few years.

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ヒトの皮膚は様々な種類の細胞から構成されており, 皮膚に発生する腫瘍も構成細胞に応じて多岐にわたっている. ここでは, 多くの皮膚腫瘍, 悪性腫瘍の中でも, 悪性度が高く, 日常特に注意したい悪性黒色腫についてのべる. 悪性黒色腫は俗にホクロのがん, といわれ, メラニン色素を産生する細胞であるメラノサイトのがん化したものである. 悪性黒色腫の発生する原因や出来ないようにするための予防策はわかっていない. 従って, 早期発見, 早期治療が最も大切である. 悪性黒色腫の診断には, ある程度熟練した専門医の眼が必要であるが, 最近ではデルモスコープと呼ばれる拡大鏡による観察が臨床診断に有用となりつつある. 最終的な確定診断は生検による病理組織診断による. 悪性黒色腫は増殖, 転移しやすい腫瘍のため, 腫瘍の一部に針を入れる部分生検は基本的に行わず, 出来るだけ全体を切り取る全切生検をおこなう. 悪性黒色腫は臨床的に4つの病型 (悪性黒子型, 表在拡大型, 結節型, 末端黒子型) に分類することが出来るが, 日本人に最も多いタイプは末端黒子型, 増殖の速い結節型, 顔面に多い悪性黒子型など, それぞれに特徴をそなえている. 悪性黒色腫の治療は, 手術療法が基本であり, 補助治療として化学療法が位置づけられる. 放射線療法は効果が少なく, 転移による症状緩和など, 限られた状況以外は一般には行われない. 手術療法や化学療法は腫瘍の進行度, いわゆるステージによって標準治療が推奨されており, それに従って治療を行う施設がほとんどである.

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32歳男性。約20年前より右肩部に小豆大の“”様皮疹があり, 初診の約半年前より急速に増大した。初診時, 右肩部に下床との可動性良好な鳩卵大の表面光沢のある淡赤紫色調のドーム状に隆起する腫瘍を認めた。¹²³I-IMPシンチで腫瘍部への異常集積像を認めた。組織学的に, 多くは類円形の核を有し, 細胞質の豊富な腫瘍細胞の集簇を認め, S-100蛋白: 一部陽性, NSE: 陽性。以上よりamelanotic melanomaを考えた。

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症例は61歳，女性．左乳頭直下の腫瘤にて受診，非浸潤性乳管癌（ductal carcinoma in situ;DCIS）と診断した．同側乳房下溝線の頭側に，“”として自覚していた皮膚扁平隆起性病変が存在したが，同時切除は希望されず，左乳房切除術を施行した．センチネルリンパ節生検陰性で，腋窩郭清は省略した．病理組織診断はDCISで乳頭や皮膚に病変はなく，ER（+），PgR（-），HER2（3+）であった．術後3カ月目に“”の切除を希望して形成外科を受診，皮膚腫瘍切除術が行われた．病理所見でPaget病（in situ），DCISと同様にER（+），PgR（-），HER2（3+）であった．両病変に明らかな浸潤部を伴わず，肉眼的にも組織学的にも連続性がないことから，DCISに併存した同側乳房内異所性Paget病と診断した．極めて稀な症例と思われ，若干の文献的考察を加え，報告する．

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