(1) 福井県大野市で栽培されたおくほ
まれ
と五百万石の酒造特性について検討した。
(2) 昭和57酒造年度から61酒造年度に入荷したおくほ
まれ
の玄米は, 五百万石に比べ心白粒が多く, 千粒重は3-49重く, 米粒の長さ, 幅, 厚さがそれぞれ0.2-0.3mm大きい。
(3) 消化性では, 5年間を通じた平均では蒸米吸水率は1. 7%おくほ
まれ
が高く, ボーメ, 直糖, Brixは両品種ともほぼ同じであったが, F-Nはおくほ
まれ
で0. 2高く, これは粗タンパク含量が高いことから説明される。
(4) 実規模精米工程での比較では, おくほ
まれ
は低精米歩合の時, 強く電流をかけた場合および精米時間が長い場合に白米完全粒が少なく割れやすい。
(5) 製麹工程での推移を追跡したところ, 五百万石がわずかに麹菌体量が多く, 各種酵素活性も高いが, 7点の出麹試料を比較すると有意な差はみられなかった。
(6) 麹米に両品種を使用した比較醸造を行ったところ, おくほ
まれ
による製成酒は酸度, アミノ酸度が0.1高く, 紫外部吸収量も高くなった。
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