詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "アオサギ"
356件中 1-20の結果を表示しています
  • *上野 裕介, 堀 正和, 野田 隆史
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 A113
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
    大型動物による環境改変は、群集構造や生態系機能を大きく変化させることがある。本邦に広く分布する
    アオサギ
    Ardea cinerea は森林に繁殖コロニーを形成する。本種は樹上で営巣し、しばしば巣の周りの枝や葉を取り去ることで、直接的に営巣木の成長を阻害していると考えられる。また、営巣木直下とその周辺の林床へ排泄物を大量に落とすことで土壌中の栄養塩量を増加させ、樹木の成長量や林床植物の現存量、種多様性に影響を及ぼしていると考えられる。
    そこで本研究では、
    アオサギ
    の繁殖コロニーのある北海道厚岸町にあるミズナラ林および標茶町にあるカラマツ林において、
    アオサギ
    の営巣が樹木と林床植物に及ぼす影響を明らかにするために、まず
    アオサギ
    の巣の分布と樹木の成長量の関係を調べた。次に2000_から_2004年の
    アオサギ
    の繁殖期に、林床への
    アオサギ
    の排泄物の供給量の空間変異と林床植物の現存量および種多様性の関係を調べた。得られたデータをもとに統計解析を行い、
    アオサギ
    が直接的に樹木に及ぼす影響と、排泄物を介して間接的に及ぼす影響を明らかにする。また、
    アオサギ
    の排泄物が林床植物の現存量と種多様性に及ぼす影響を明らかにする。なお結果については、現在解析中であるため本講演にて報告する。
  • 巖城 隆, 加藤 千晴, 黒瀬 奈緒子
    日本野生動物医学会誌
    2012年 17 巻 3 号 119-126
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/30
    ジャーナル フリー
    神奈川県内で1997~2008年に交通事故や傷病などのために保護された後に死亡した野生鳥類27種39羽について寄生蠕虫類の検査を行い,うち18種25羽から蠕虫類が検出された。このうち,吸虫:Apharyngostrigea cornu
    アオサギ
    ・チュウサギの小腸),Cardiocephaloides longicollis(セグロカモメの小腸),Ophiosoma patagiatum(チュウサギの小腸),Uroproctepisthmium sp.(
    アオサギ
    の大腸・総排泄腔),条虫:Paruterina candelabraria(オオコノハズクの小腸),線虫:Desmidocercella numidica
    アオサギ
    の気嚢?)については日本では初報告,吸虫:Brachylecithum sp.(ツグミ・トラツグミの胆嚢),Lyperosomum turdia(アカハラの胆嚢),Opisthorchis sp.(
    アオサギ
    の胆管),Stictodora lari(セグロカモメの小腸),線虫:Desportesius spinulatus(チュウサギの筋胃),Stegophorus stercorarii(ハシボソミズナギドリの筋胃)については,日本での新宿主報告と考えられた。
  • 佐原 雄二, 作山 宗樹, 出町 玄
    日本鳥学会誌
    1994年 43 巻 2 号 61-71
    発行日: 1994/10/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    日本各地の
    アオサギ
    のコロニーについて,その下から吐き戻しを採集し,また周辺の探餌場での観察を行い,各コロニーのエサ利用と採餌場とについて調べた.概して魚類が圧倒的に重要なエサとなっており,しばしば哺乳類や鳥類などのエサが主食となるイギリスのコロニーとの違いであると考えられた.日本各地の
    アオサギ
    の採餌場は水田や養魚イケスなど人為的な場所が多く,
    アオサギ
    の食生活が人為的な環境に大きく依存していることをうかがわせた.
  • 東條 一史
    日本鳥学会誌
    1996年 45 巻 3 号 141-158,195
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    アオサギ
    亜科はサギ科最大のグループで(HANCOCK & KUSHLAN 1984),高緯度地域を除き全世界に分布している.観察が比較的容易なため,早くから繁殖生態や採餌行動の研究が進み(MEYERRIECKS 1960, 1962, KUSHLAN 1976, HANCOCK & KUSHLAN 1984など),また数種がコロニーや採餌場所を共有することが多いため,群集生態学的方面からも比較研究がなされてきた(JENNI1969,WILLARD 1977, RECHER & RECHER 1980など).しかし,採餌生態の比較研究の多くは北米に集中してきており,日本ではあまり行われていない.また,近年日本におけるチュウサギの減少が指摘されているが(中村 1984, 成末 1992, 環境庁1991), 有効な保護管理策を講じるには採餌生態の理解が不可欠である.ここでは,日本産の
    アオサギ
    亜科のサギ類,
    アオサギ
    Ardea cinerea,ダイサギ Egretta alba modesta, チュウサギ E.intermedia, コサギ E.garzetta, アマサギ Bubulcus ibis, の生息場所利用,採餌行動,餌利用を調べ,北米との類似性とチュウサギの減少理由について論じる.
    調査地は,千葉県の小櫃川河口付近の干潟,河川,農耕地を含む地域(Fig.1)である.調査は,センサスと個体観察によって1985年から1987年にかけての2年間行った.センサスは干潟,河川,農耕地のそれぞれに設けた調査区で月4回行い,個体観察は,採餌中の個体を継続的に5分以上観察し,餌内容と行動を記録した.採餌水深はサギのふしょ長,餌の人きさは嘴の長さと比較して推定した(Table 1).
    調査地では,5種のサギは比較的似通った個体数変動を示した.12月から5月までは比較的少なく,6,7月にかけて著しい増加,10,11月に著しい減少を示した(Fig.2).コサギは冬期でも一定数が見られたが,アマサギはごく少数が越冬しただけだった.
    アオサギ
    は採餌場所として干潟と河川をよく利用し,ダイサギは干潟に多かった(Fig.3).チュウサギ,コサギ,アマサギはいずれも農耕地に多かった.また,ダイサギとコサギは,干潟,河川,農耕地を比較的どこでも利用したのに対し,
    アオサギ
    の農耕地利用及びアマサギの干潟,河川の利用はほとんどみられず,チュウサギも農耕地以外の利用はあまりなかった,干潟と河川で採餌する場合,
    アオサギ
    ,ダイサギは,チュウサギ,コサギより深い場所で採餌する傾向があった(Fig.4).農耕地では,ダイサギ,チュウサギ,コサギが水田,蓮田,休耕田など,水のある環境を主な採餌場所にしていたのに対し,アマサギは,あぜや草地など乾燥した場所で主に採餌し(Fig.5),水田で採餌する場合でもチュウサギやコサギより水の少ない田を選んだ(Fig.6).
    採餌行動は,
    アオサギ
    は待ち伏せ(Standing)法を主に用い,ダイサギはゆっくり歩き(Walking Slowly)法も用いた(Fig.7).チュウサギはゆっくり歩き法と待ち伏せ法を主とし,コサギは速歩き(Walking Quickly)法を主とする活発な採餌行動を示した.アマサギはゆっくり歩き法が主だったが,チュウサギより活発な採餌を行った.コサギはチュウサギに比べ,採餌中のつつきの頻度は高かったが,成功率は低かった(Table 2).
    アオサギ
    ,ダイサギ,チュウサギ,コサギは,いずれも干潟では魚類が主な餌だった.農耕地では,ダイサギとコサギはドジョウやアメリカザリガニを捕食し,チュウサギはその他にカエルと昆虫も利用した.アマサギは,昆虫類の利用が多かった(Table 3),コサギとアマサギは,微小な餌を数多く利用していた.干潟では,
    アオサギ
    ,ダイサギ,チュウサギ,コサギの順に有意に大きな餌を捕食していた(Fig.8).
    これらの結果から,
    アオサギ
    は本来広い水界へ,アマサギは陸環境へ,チュウサギは湿地へ特殊化してきたものと推察される.一方,ダイサギは広い水界,コサギは湿地的環境をよく利用するが,この2種は非特殊化者として様々な生息場所を利用できる.
    アオサギ
    とダイサギおよびチュウサギとコサギは,それぞれ体の大きさと生息場所利用が似ているが,採餌行動と餌利用には違いが見られた.
    北アメリカでの研究(JENNI 1969,WILLARD 1977,RECHER & RECHER l980)と比較して,
    アオサギ
    ,チュウサギ,コサギは,それぞれオオ
    アオサギ
    Ardea herodias, ヒメアカクロサギ Egretta caerulea, ユキコサギ E.thula と似たニッチを占めている.ダイサギとアマサギは日本と北米両方に分布し,両地域で同じニッチを占めている.
    アオサギとオオアオサギ
    およびコサギとユキコサギはそれぞれ近縁である(CURRY-LINDAHL 1971,HANCOCK & KUSHLAN 1984)が,チュウサギとヒメアカクロサギの関係は明らかでない.DNA交雑法による解析(SHELDON 1987,SIBLEY& AHLQUIST 1990)では,チュウサギとヒメアカクロウサギは近縁でなく,また,ダイサギの北米の亜種 E.a.egretta と日本の亜種 E.a.modesta も別系統であることが示唆されている.
  • 濱尾 章二, 秋葉 亮, 棗田 孝晴
    Bird Research
    2013年 9 巻 A23-A29
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/02
    ジャーナル フリー
     採食環境が重複する
    アオサギ
    Ardea cinerea とダイサギ A. alba について,千葉県の水田で採食行動を観察した.両種はいずれもタニシとドジョウを主に採食しており,競争関係にあると考えられた.採食試行や採食成功の頻度はダイサギが
    アオサギ
    を上回っていたが,採食した生物量は
    アオサギ
    の方が多い傾向がみられた.これはダイサギが小さなタニシを採食する割合が高いことから生じていると考えられた.ダイサギは歩きながら頻繁に小さな餌生物を採食し,
    アオサギ
    は待ち伏せをして少ない機会に大きな餌生物を採食することによって食物をめぐる競争を緩和していると考えられた.
  • 佐原 雄二, 東 信行, 日野 公彰, 福井 薫, 出町 玄, 作山 宗樹
    日本鳥学会誌
    1990年 39 巻 2 号 45-52
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    青森県の,潮汐のある芦崎湾および潮汐のない廻堰大溜池で,
    アオサギ
    の採餌活動周期を観察した.芦崎湾の潮位差は大潮でもわずかに70cmほどであるが,それでも
    アオサギ
    の採餌活動は潮汐周期が明白で,採餌時間帯は低潮の前後に限られていた.一方,潮汐のない廻堰では,少なくとも日中は採餌活動が継続的に行われていた.また,芦崎湾では夜間の低潮時にも採餌が見られた.主に底生魚を捕食する芦崎湾では,
    アオサギ
    は「ゆっくり歩く」方法で採餌したが,むしろ浮き魚をとる廻堰では「立ったまま待つ」方法で採餌した.時間当りの魚の捕獲率は芦崎湾の方が廻堰より大きかった.
  • 安藤 義範
    日本鳥学会誌
    1993年 41 巻 2 号 29-38
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1990年に島根県松江市のコロニーにおいて,サギ類6種の営巣場所選択について調査した.コロニーは低い丘の傾斜地にあり,その植生はスギ,クリ,アカマツの3樹種が優占していた.調査区内の営巣数はゴイサギが半数を占め,ダイサギ,
    アオサギ
    の営巣数は非常に少なかった.ダイサギ,
    アオサギ
    は調査区東側に集中しており,主にアカマツの高木の樹頂部を営巣場所として選択していた. ゴイサギ,コサギ,チュウサギ,アマサギはダイサギ,
    アオサギ
    と比べて,多くの樹種を選択した. コサギ,チュウサギ,アマサギは調査区西側に集中しており,主に亜高木を利用していたが,コサギは樹冠内部を,チュウサギ,アマサギは樹頂部付近を選択する傾向がみられた.ゴイサギは調査区全体に広く分布しており,高木の樹頂部付近に多く営巣していた.サブプロット毎の営巣数を用いて, Spearmanの順位相関係数を算出すると,ダイサギ,
    アオサギ
    の2種間,アマサギ,コサギ,チュウサギの3種間で生の相関がみられた.どの種間にも負の相関はみられなかった.
  • 片山 直樹, 村山 恒也, 益子 美由希
    日本鳥学会誌
    2015年 64 巻 2 号 183-193
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/13
    ジャーナル フリー
     水田の有機農法がサギ類(ダイサギArdea alba,チュウサギEgretta intermedia
    アオサギ
    A. cinerea)にもたらす効果を検証するため,2013-2014年の5-7月に茨城県と栃木県の有機および慣行水田で野外調査を行った.採食行動調査の結果,ドジョウなどの魚類とカエル類が主食だったが,その割合は種ごとに異なっていた;ダイサギ,チュウサギ,
    アオサギ
    の順に魚類の割合が高かった.また,いずれの種でも有機水田では慣行水田よりも魚類の割合が高くなっていた.一般化線形モデルを用いて解析した結果,有機農法は採食効率(g/min)に正の影響をもっていたが,その傾向はダイサギでのみ明瞭であるようだった.また有機農法は,ダイサギと
    アオサギ
    の採食個体数に正の影響をもっていた.以上を踏まえ,本研究では有機農法の正の効果はダイサギでは一貫して認められたが,チュウサギと
    アオサギ
    では不明瞭であると結論づけた.この理由としては,食物種(魚類やカエル類)ごとの水田農薬の影響の違いや,有機農法の実施面積割合の少なさ(日本全国では総水田面積の約0.28%,本研究の鳥類センサス地点から周囲200 m以内では18-68%)などが考えられた.
  • 禹 漢貞
    山階鳥類研究所研究報告
    1979年 11 巻 1 号 70-71
    発行日: 1979/01/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1. The Little Egret, Egretta garzetta is in general a summer visitor to Korea, arriving late April to early May.
    2. I observed 51 wintering individuals of this species at a roost of bamboo forest at Gigok-ri, Jinju-city, Gyongsang-namdo on 11-12 March, 1978.
    3. Their feeding area and resting ground are around near the roost.
  • 倉田 篤, 樋口 行雄

    1972年 21 巻 91-92 号 308-315
    発行日: 1972/12/20
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1.三重県尾鷲市の佐波留島における
    アオサギ
    Ardea cinerea の繁殖状況に関する調査報告である。
    2.繁殖地は尾鷲湾口の無人島であり,コロニーの植生はスダジイを主とする常緑広葉樹林である。
    3.繁殖個体数は,700~800羽である。
    4.繁殖期は他のサギ類より早く,2月から7月上旬にかけてである。
    5.巣は樹冠近くに営なまれる傾向があり,特に樹高の80%前後に多い。また,営巣場所と繁殖期の関係から,ゴイサギとの間にすみわけが認められた。
    6.一腹の卵数は2~5卵,平均3.8卵であった。抱卵は雌雄交代で行なう。
    7.繁殖期の行動圏は沿岸地域を主として,コロニーから半径5~10kmの地域であり,繁殖が進行するにつれて拡大する傾向がある。
  • 中島 拓, 江崎 保男, 中上 喜史, 大迫 義人
    保全生態学研究
    2006年 11 巻 1 号 35-42
    発行日: 2006/06/25
    公開日: 2018/02/09
    ジャーナル オープンアクセス
    コウノトリ野生復帰地における餌場の現状を明らかにするため、兵庫県豊岡盆地においてサギ類を用いた河川と水田利用の季節的な変動を研究した。調査地のサギ類は、繁殖のために当地に集まって来ており、その個体数変動は水田での個体数変動に起因していた。一年のうちもっとも多くの餌を必要とする繁殖期において、水田の個体数は河川の3倍に達し、サギ類は水田の餌生物に依存して子育てしていることが明らかになった。しかし、農閑期には水田の個体数は激減し、特に田面における採餌はほとんど見られなくなった。この事実は、農閑期の水田が餌場としての価値を著しく低下させることを示唆しており、この価値の低下は田面の乾田化に伴うものと考えられた。一方、河川は一年中安定した餌場を供給していた。しかし、水田が餌場としての価値を低下させる農閑期であっても河川の個体数が増加しないことから、河川が収容できる採餌個体は一年中飽和状態にあると考えられた。コウノトリの野生復帰を成功させるためには、一年中安定した水田の生物生産力を回復させることが必要である。
  • 日本鳥学会誌
    2020年 69 巻 2 号 249-253
    発行日: 2020/10/26
    公開日: 2020/11/20
    ジャーナル フリー
  • 堀 正和, 長谷川 夏樹
    日本ベントス学会誌
    2005年 60 巻 12-22
    発行日: 2005/07/28
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    As consumers, waterfowl play an important role in the regulation of benthic community structure and nutrient dynamics of coastal ecosystems. In this study, the amount of benthic organisms consumed by birds in a brackish lake, Lake Akkeshi in northeastern Japan, was estimated from direct observation and from energy requirement equations. The 19 avian species observed foraging in the study site were categorized into four guilds: predators foraging on other avian species, piscivores, invertebrate feeders foraging mainly on bivalves, and herbivores consuming seagrass and seaweed. Each guild comprised from one to three tropho-species, three of which were investigated in detail. The dominant piscivore, the grey heron, consumed about 100 kg of fish per day in spring and summer. The dominant invertebrate feeders, diving ducks, consumed about 6500 kg and 2000 kg of clams per day in autumn and winter, respectively. Herbivorous ducks consumed about 9000 kg of seagrass and seaweed per day in autumn and about 900 kg in winter. Nearly all of these amounts estimated from the observations were very similar to those estimated indirectly from energy requirement equations. Even when the agreement was very similar, however, some of the assumptions used for the energy requirement equations did not correspond to the actual energetic requirements of birds in the field. We conclude, therefore, that although the amount of benthic organisms consumed by birds can be estimated using energetic requirement equations, selection of a particular energetic requirement equation must take into account the field condition of the birds.
  • 内田 博
    日本鳥学会誌
    2017年 66 巻 2 号 111-122
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/16
    ジャーナル オープンアクセス
    コサギは1970年代には埼玉県の東松山市周辺の地域では普通にいた種であったが,最近になり急激に個体数が減少した.減少は1990年の中頃から始まり,2004年には稀になるほど個体数は減少し,2015年現在も回復していない.そこで,他のサギ類の個体数,餌動物であるエビ類や魚類の生息数,コサギの捕食者と考えられるオオタカの繁殖個体数を調べた.調査地のサギ類はコサギが激減したが,大型種であるダイサギ,
    アオサギ
    は個体数が増加していた.しかし,エビ類や魚類は生息していて,餌動物の枯渇によるものではなかった.一方1970年代にはいなかった鳥類の捕食者であるオオタカは1980年代から急激に増加した.オオタカはサギを捕食することがあり,ダイサギの捕食もする.コサギは冬期には単独で広い水田や,谷津環境の湿地で採食するので,オオタカによる捕食で,犠牲になったコサギの被食痕も見られた.これらのことから,コサギの減少要因としてオオタカによる越冬個体の捕食が考えられたが,同時期に起こった,餌動物が競合するカワウの増加の影響や,オオクチバスなどによる小型魚の食害などの影響の可能性もあり,これらの要因がどのように関連しているのかも明確にする必要がある.
  • 坂上 嶺, 佐藤 駿, 松重 一輝, 安武 由矢, 日比野 友亮, 眞鍋 美幸, 内田 和男, 望岡 典隆
    日本水産学会誌
    2021年 87 巻 3 号 255-264
    発行日: 2021/05/15
    公開日: 2021/05/23
    [早期公開] 公開日: 2021/03/12
    ジャーナル フリー

     ニホンウナギ資源減少の原因の1つとして,鳥類からの被食リスクを低減する隠れ場所となると考えられる浮き石の,河川改修による減少が挙げられる。本研究では,浮き石による間隙の存在が,本種の生残に影響を与えるかを検証するために,間隙が利用可能な池と利用不可能な池の2群における生残率と肥満度の変化量を比較する実験を行った。その結果,間隙が利用可能な池では供試魚の生残率が有意に高く,浮き石による間隙は捕食者である鳥類から餌として発見される可能性を下げる効果があることが確認された。

  • 小杉 和樹
    日本鳥学会誌
    1993年 41 巻 2 号 49-51
    発行日: 1993/05/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    A total of 44 sight records and 4 capture records for 7 species of egrets and herons, Nycticorax nycticorax, Butorides striatus, Ardeola bacchus, Bubulcus ibis, Egretta alba, E.intermedia and E.garzetta, have been made on Rishiri Island(45°10′N, 141°15′E), northern Hokkaido, from 1974 to 1992.Of these records E.intermedia accounted for 29% of the total records, followed by B.ibis(20%). In most cases they were seen singly in marshes around ponds.The records concentrated in spring and early summer(21% in April, 61% in May and 10% in June).
  • 齋藤 春雄

    1954年 13 巻 64 号 14-19_1
    発行日: 1954/09/15
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
  • 溝田 智俊, 佐々木 みなみ, 山中 寿朗
    日本鳥学会誌
    2007年 56 巻 2 号 115-130
    発行日: 2007/11/01
    公開日: 2007/11/17
    ジャーナル フリー
    カワウ,
    アオサギ
    およびゴイサギの営巣地下にある2地域の土壌(福島県本宮および福岡県久留米)について,窒素動態を無機態窒素含量と安定同位体比の時系列変動を指標として解析した.顕著に高い無機態窒素含量(8 g/kg乾土)が孵化と雛の成長期に見出された.巣立ちと営巣地から見られなくなった後,無機態窒素含量は急速に低下した.土壌の硝化活性は,やや冷涼な本宮営巣区にくらべて温暖な久留米営巣区で高かった.硝化と連動した脱窒過程が繁殖期後期に顕著であることが特異的に高い硝酸態窒素の同位体比から推察された.カワウは繁殖およびねぐらとして1年を通じて森林を利用するために,土壌に連続的に糞窒素が搬入される.その結果,一時的に利用するサギ類に比較してカワウ営巣区ではアンモニア生成速度が高く維持されると推定された.
  • 加藤 明香
    林業経済研究
    1996年 1996 巻 129 号 135-140
    発行日: 1996年
    公開日: 2017/08/28
    ジャーナル フリー
    国民にとって望ましい自然資源のありかたを実現するためには,対象となっている自然資源の存在が人々にどれほどの効用を与えているのかを把握していることが前提となる。このような考え方を背景として,環境経済評価法は,国民が自然資源から享受している便益の大きさを貨幣単位で把握するための方法論として主に欧米で発達してきた。本稿では,その評価法の中でも,森林に関するあらゆる便益の計測に適用できるコンティンジェント・バリュエーション法を用いて,北海道の野幌原生林を事例として便益評価を行なった。近郊市町村の住民を対象に,原生林の生態系が現在のまま維持されることに対する支払意志額(Willingness To Pay)をアンケートにて尋ねた。その結果,便益の大きさは,現時点での非利用者も含めて一年当たり5億1300万円であった。一人あたりの支払意志額は,個人が持っている様々な属性によって決定される。ここでは,原生林に生息している鳥類についての情報や,レクリエーションの頻度,あるいは年収などが支払意志額に影響を与えていることがわかった。
  • 林 吉彦, 田中 正彦, 津村 英男, 藤巻 裕蔵
    山階鳥類学雑誌
    2010年 41 巻 2 号 204-206
    発行日: 2010/03/25
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
    According to the check-list of Japanese birds, sixth revised edition, the Night Heron Nycticorax nycticorax is an irregular visitor in Hokkaido. Two breeding sites of the species were found in the southern part of Oshima Peninsula, south-western Hokkaido; at Nanae in 2000 and at Assabu in 1999. In Nanae 54 nests were counted in the spring of 2009 in a deciduous broad-leaved forest. In Asaabu four nests of the species were counted with 147 Grey Heron Ardea cinerea nests in May 1999 in a deciduous broad-leaved forest. In 2009 Night Herons were absent from the Assabu colony.
feedback
Top