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クエリ検索: "アカエゾマツ"
1,334件中 1-20の結果を表示しています
  • *杉田 久志, 金指 達郎, 高橋 誠
    日本生態学会大会講演要旨集
    2004年 ESJ51 巻 O2-W11
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/07/30
    会議録・要旨集 フリー
     早池峰山には南限の
    アカエゾマツ
    集団があり、最終氷期以降の植生変遷の過程で衰退してわずかに残った遺存林として学術的に貴重であることから天然記念物、自然環境保全地域として保護されている。しかし、1948年の土石流被害を免れた中州状の成熟林分では
    アカエゾマツ
    はキタゴヨウ、コメツガ、ヒバと混交し、
    アカエゾマツ
    の稚樹がほとんどみられないことが報告されている。一方、土石流跡地ではそれらの樹種と混交して
    アカエゾマツ
    の更新樹が多数みられる。
    アカエゾマツ
    の存続を考える上で重要なそれらの樹種との競合関係を明らかにするため、中州地の成熟林分に40m四方の、土石流跡地の更新林分に10m×50mのプロットを設置し、林分構造を解析した。

     土石流被害を免れた成熟林分では、林冠層で最も優占しているのはキタゴヨウであり、
    アカエゾマツ
    がそれに次いだ。亜高木層ではコメツガが圧倒的に優占し、低木層ではヒバが優占した。
    アカエゾマツ
    の稚樹は閉鎖林冠下、ギャップともに少なく、
    アカエゾマツ
    の更新はあまり期待できない。次世代の森林は、コメツガの、さらにはヒバの優勢なものへと移行していくと推察される。一方、土石流跡地の更新林分ではキタゴヨウとアカマツが最も成長が良く、それに次いでダケカンバ、ウダイカンバ、ナナカマド、
    アカエゾマツ
    などが林冠層を形成していた。
    アカエゾマツ
    はこれらの樹種と競合しながら林冠構成樹種として存続していくと考えられる。

    土石流は、コメツガやヒバへの植生遷移のトレンドをリセットするとともに、鉱質土層の露出した更地を形成し、落葉・腐植に覆われた地表では稚樹の定着が困難な
    アカエゾマツ
    に更新場所を提供する。一定の期間を置いて繰り返し発生した土石流による破壊とその後の再生のなかでこの
    アカエゾマツ
    集団が維持されてきたと考えられる。
  • 田村 明
    森林遺伝育種
    2013年 2 巻 2 号 67-68
    発行日: 2013/04/25
    公開日: 2020/07/13
    ジャーナル フリー
  • 田邊 純
    森林遺伝育種
    2021年 10 巻 2 号 90-94
    発行日: 2021/04/25
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル フリー
  • *野村 敏江, 河野 樹一郎, 佐々木 尚子, 高原 光, 柴田 英昭, 植村 滋, 北川 浩之, 吉岡 崇仁
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 P2-053
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
    北大雨龍研究林内に広がる泥川湿原は,針広混交林が成立する山地に囲まれ,湿原内にはササを伴う
    アカエゾマツ
    林とヤチダモを主とする落葉広葉樹林がモザイク状に分布している.本研究では,
    アカエゾマツ
    林の分布拡大の過程を検討するため,表層堆積物21点と堆積物コア4点を採取し,花粉及び植物珪酸体分析を行った.
    表層堆積物から検出されたコナラ属(Quercus),トウヒ属(Picea)及びトネリコ属(Fraxinus)花粉は,それぞれ湿原外の周辺山地に生育するミズナラ,湿原内に多い
    アカエゾマツ
    及びヤチダモに由来すると考えられる.そこでコナラ属に対するトウヒ属とトネリコ属花粉の計数比(P/Q,F/Q)を求めた.その結果,
    アカエゾマツ
    林内ではP/Q=0.4以上,F/Q=0.1-0.2,
    アカエゾマツ
    林と落葉広葉樹林の移行帯ではP/Q=0.2-0.4,F/Q=0.2-0.3,落葉広葉樹林内ではP/Q=0.1-0.2,F/Q=0.3以上となった.
    コア試料の分析結果では,全地点に共通して,ササ型珪酸体の出現後,マツ科型珪酸体とトウヒ属花粉が出現する傾向が見られた.次に,植生を判別する指標として,各深度におけるP/Q及びF/Qを求めたところ,
    アカエゾマツ
    林内の堆積物では,深度約20cm以深でP/Q=0.1以下,F/Q=0.1-0.2を示し,以浅でP/Q=0.7-1.1,F/Q=0.05-0.1を示した.移行帯の堆積物では,30cm以深でP/Q=0.01-0.1,F/Q=0.9-4.1を示し,以浅でP/Q=0.2-0.5,F/Q=0.3-0.6を示した.以上の結果から,当調査地では
    アカエゾマツ
    の侵入以前からササが存在し,特に移行帯ではヤチダモが優勢な落葉広葉樹林へ
    アカエゾマツ
    が侵入していったと推察された.
  • 門松 昌彦, 金子 潔, 有倉 清美, 市川 一, 車 柱榮
    日本林学会誌
    2001年 83 巻 4 号 347-350
    発行日: 2001/11/16
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    林齢11年の
    アカエゾマツ
    産地系統別植栽地において病虫害と気象害の複合被害と思われる枝枯れ, 針葉黄変が発生した。植栽木の被害程度と樹高を調べ, この被害に対する産地系統変異を検討した。植栽地全体としては, 被害程度が激しい個体ほど樹高が低い傾向にあった。一方, 被害程度は母樹系統によっても異なっていた。その要因が樹高にあるかどうかを検討したところ, 平均樹高と被害程度とに関係がない系統がいくつかみられた。被害原因の特定は今後の課題であるが, 本被害に対する感受性系統が存在する可能性が示唆された。なお, 産地内系統間で被害程度の差異が大きく, 産地と被害との関係は明瞭ではなかった。
  • 飯塚 和也, 生方 正俊, 坂本 庄生
    日本林学会誌
    2001年 83 巻 1 号 53-57
    発行日: 2001/02/16
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    アカエゾマツ
    の成長および容積密度数について,北海道の各産地間の差および地理的変異を検討するため,樹高,胸高直径および生存率で3カ所,容積密度数で1カ所の産地試験地を調べた。分散分析の結果,樹高と胸高直径で,産地間に有意差が認められたが,生存率では,産地間に有意差が認められなかった。苫小牧試験地の12産地については,産地の標高とそれぞれの次代の樹高との間には,有意な負の相関が示された。3カ所の試験地に共通した5産地の樹高と胸高直径では,標高が最も高い大雪産の成長が最も遅かった。一方,容積密度数には,産地間差が認められた。標高の最も高い丸瀬布産の容積密度数が,最も高い値を示した。また,1検定の結果,脊梁山脈の西部地域の容積密度数が,東部地域に比べて有意に低かった。以上の結果から,
    アカエゾマツ
    の種苗の配布地域には,母樹の標高および東西地域における特徴を考慮することが重要であると示唆された。
  • 逢沢 峰昭
    森林遺伝育種
    2017年 6 巻 4 号 160-165
    発行日: 2017/10/25
    公開日: 2020/04/22
    ジャーナル フリー
  • 小山 浩正, 浅井 達弘
    日本林学会誌
    1998年 80 巻 1 号 16-20
    発行日: 1998/02/16
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    若齢期に強度の枝打ちを行う方法が有効であることを検証するために,19年生の
    アカエゾマツ
    人工林において強度の異なる枝打ちを実施し,その後14年間の成長経過を調査した。枝打ち強度は無処理,弱度,中度,強度の4段階を設け,それぞれ,30%,55%,80%の葉量が除去されたと推定された。樹高成長は枝打ちの強度に大きな影響を受けなかったが,胸高直径成長量は枝打ちが強度なほど低下した。ただし,この成長の減退は枝打ち後2年間の間に生じただけであり,それ以の成長量は各処理区で変わらなかった。また,枝打ち時に直径の上位1/3個体について直径成長を比較すると,各処理区とも無処理区との差は大幅に小さくなり,有意な差はなくなった。このことから,成長の良いI等地の林分では,樹齢20年前後の若齢の段階で500~700本/ha程度の優勢木を主伐候補として強度の枝打ちを行えば,成長の減退も少なく,効率的に良質材の生産が期待されると考えられた。
  • *井城 泰一, 田村 明, 那須 仁弥, 半田 孝俊
    日本林学会大会発表データベース
    2004年 115 巻 P4037
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/03/17
    会議録・要旨集 フリー
     
    アカエゾマツ
    は北海道、南樺太、南千島に天然分布しているマツ科トウヒ属の針葉樹である。
    アカエゾマツ
    は蛇紋岩や火山灰礫地などの特殊な土壌条件に純林を形成する特徴があり、このため針広混交林を構成することが少なく、生態的に特異な樹種であると言われている。 また
    アカエゾマツ
    は材質の良さや、気象害・野鼠害等の受けにくさから、その造林面積が増大している。 
    アカエゾマツ
    の特異な生態上、その育種種苗の配布にはその特性を十分に発揮させ利用することが重要であり、産地系統、精英樹家系の適応性に基づいて種苗を配布することは重要である。本研究では
    アカエゾマツ
    精英樹家系の地域変異を明らかにして、道内一円となっている種苗配布区域の改定を検討することを目的に、
    アカエゾマツ
    地域差検定林(以下検定林)の解析を行った。
  • 原田 洸, 真田 勝, 塩崎 正雄
    日本林學會北海道支部講演集
    1973年 21 巻 51-54
    発行日: 1973/03/02
    公開日: 2018/04/04
    ジャーナル フリー
    i)トドマツ林と同等の成長をしている
    アカエゾマツ
    林の養分の現存量はトドマツ林よりすくなく,また最近の年吸収量もすくなくないと推定され,これらの事から
    アカエゾマツ
    はトドマツより要分の要求度はすくないと考えた。ii)森林生態系の養分分布をみるとA_0層の乾物重や養分含有量はトドマツ林より
    アカエゾマツ
    林で多い。このことから
    アカエゾマツ
    林はトドマツ林より落葉分解の段階で養分循環が停滞していると考えた。
  • 飯塚 和也, 安久 津久, 板鼻 直栄
    日本林学会誌
    1999年 81 巻 4 号 325-329
    発行日: 1999/11/16
    公開日: 2008/05/16
    ジャーナル フリー
    アカエゾマツ
    精英樹クローンを供試して,基本的な木材の性質とその産地間変異を調査した。容積密度数,年輪幅,動的ヤング係数および各節枝形質にクローン変異が認められた。動的ヤング係数については,容積密度数と節枝数の組合せによる影響をうけると考えられた。産地別の特徴をみると,容積密度数は,北部地域が東部地域よりも有意に低い値を示した。比動的ヤング係数は,動的ヤング係数の高い弟子屈と節枝数の少ない中頓別が高く,節枝数の多い本別が低い傾向があった。このことから,有節材である
    アカエゾマツ
    丸太の比動的ヤング係数は,産地により変動すると考えられた。
  • *嵜元 道徳, 平山 貴美子
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 P2-064
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    アカエゾマツ
    は北海道の造林樹種の一つとして広く植栽されてきている。しかしながら、釧路・根室といった地域等における
    アカエゾマツ
    の造林は、寒害等によって、芳しくないところが少なくない。本研究では、
    アカエゾマツ
    の更新特性の把握によって新たな造林技法へ繋げる情報を得ることを目的に、火山噴出物堆積地に成立した
    アカエゾマツ
    林(北海道弟子屈町)に調査区(100m × 100m)を設け、稚幼樹(0.5m≦H、DBH<5cm)から成木までを対象として、種名、DBH或いは樹高、位置を記録する一方で、成長コア等も調べ、解析した。その結果、調査した
    アカエゾマツ
    林の林冠層個体群は160年ほど前に一斉更新し成立したものであることが分かった。一方、著しく偏った分布を示した
    アカエゾマツ
    の稚幼樹個体群(3サイズ階に区分)は、いずれも同所的に更新していた。また、立ち枯れ・幹折れした
    アカエゾマツ
    林冠木や現在そして近過去まで生きている(た)シラカンバ林冠木とは共に独立的な分布関係を示した一方で、ミズナラ林冠木(生木)とは近中距離で有意な親和的分布関係を示した。発表では、これらの結果等を踏まえて、技法開発へ向け検討する予定である。
  • 苗高と開葉時期の産地間差異
    岡田 滋
    日本林学会誌
    1975年 57 巻 9 号 305-310
    発行日: 1975/09/25
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    アカエゾマツ
    にっいてその地域的変異を明らかにすることを目的として12産地(芦別,土別,中頓別,富良野,山部,美瑛,本別,足寄 (I), 足寄 (II), 丸瀬布,置戸,清里)の遺伝子保存林用種子による苗木の生長と開葉時期の調査を行なった。現在までの調査でこれらの性質に大きな産地間変異が認められた。道北の中頓別,中央脊梁山脈を境としてその西側に位置する士別,芦別産の
    アカエゾマツは道中央部産や道東産のアカエゾマツ
    にくらべて苗木の生長がきわめて良好である。これらの天然林はいずれも蛇紋岩地帯に成立している。苗木の生長は12産地の間で大きな変異が認められるが, 1970年 (4年生)から1974年 (8年生)の生長経過に順位の大きな変動はみられない。開葉時期の早晩は中央脊梁由脈を境にして西側ど東側に2分される傾向が強く,本道藤側薦(芦別,士別,富良野,由部,美瑛)の
    アカエゾマツ
    は本道東側産(中頓別,足寄 (I), (II), 本別,丸瀬布,置戸,清里)にくらべて開葉時期が早い。開葉時期は床替などの苗木の取扱いによって変動するが,本研究では早晩の順位の年次変動は少なく,産地の違いにより示された開葉の早晩は遺伝的特性と考えられる。
  • 藤川 徳子
    Edaphologia
    2003年 71 巻 1-8
    発行日: 2003/02/28
    公開日: 2017/07/20
    ジャーナル フリー
    青森県から,Nanhermannia angulata sp. nov.,カドツキノワダニ(新称)とN. triangula FUJIKAWA,1990,トガリツキノワダニが,また岩手県からN. hiemalis sp. nov.,シモヨツキノワダニ(新称)とN. bifurcata FUJIKAWA,1990,エイツキノワダニが,そして両地からN. vernus sp. nov.,サツキツキノワダニ(新称)の5種類を採集し記載した.これらの5種類は一見すると非常によく似ている.しかし,エイツキノワダニとトガリツキノワダニは先端の二分した吻毛によって他の3種類から簡単に見分けることができ,そして前体節部後縁の突起物列の形と胴感盃毛の枝毛のつきかたによって両者を区別できる.他の3種類のうちカドツキノワダニは胴感盃毛の枝毛のつきかたや後体部表面の凹状構造が角型で体は小さいので,他の2種類と見分けられる.残りの2種類は,基節板毛4bと4aの長さの比,生殖門板毛の長さと生殖門板の幅との比,及び第一脚膝節のdとσの長さの比の違いによって区別することができる.
  • 大友 玲子, 原田 洸
    日本林學會北海道支部講演集
    1971年 19 巻 113-115
    発行日: 1971/03/02
    公開日: 2018/04/04
    ジャーナル フリー
    (1)トドマツでは当年葉のN, K_2O濃度と樹高および当年伸長量の間で正の相関関係の傾向が認められたが,P_2O_5濃度と生長の関係はみられなかった。エゾマツでは当年葉のN濃度と樹高および当年伸長量の間で正の相関関係が認められたが,K_2O, P_2O_5濃度と生長の関係はみられなかった。
    アカエゾマツ
    ではいずれの養分濃度も生長との間に関係がみられなかった。(2)当年葉の養分濃度を樹種別にみると,Nはトドマツ,エゾマツ>
    アカエゾマツ
    P_2O_5はエゾマツ>トドマツ>
    アカエゾマツ
    K_2Oは,トドマツ,エゾマツ>
    アカエゾマツ
    >の傾向がみられる。(3)以上の結果を既往の養分吸収に関する試験結果と比較検討し,これら3樹種の中ではトドマツは養分要求度が高く,
    アカエゾマツ
    は養分要求度が低く,エゾマツはその中間に位するものと考察した。
  • 勝木 俊雄, 井出 雄二, 倉橋 昭夫, 鈴木 和夫
    日本林学会誌
    1993年 75 巻 4 号 367-371
    発行日: 1993/07/01
    公開日: 2008/12/18
    ジャーナル フリー
    Trees showing intermediate morphological characteristics between Picea glehnii MAST, and Picea jezoensis CARR. occur in natural forests in Hokkaido, Japan. Their allozyme variations were analyzed by electrophoresis. By the analysis of 14 enzyme systems for artificial hybrids of P. glehnii and P. jezoensis, we detected one locus for glycerate-2-dehydrogenase (G2DH) and one locus for glutamate dehydrogenase (GDH) respectively. P. glehnii and P. jezoensis in a natural forest had different genes at Gdh. The intermediate individuals could be divided into Types A and B by morphological characteristics. Type A individuals had genes from both populations of P. glehnii and P. jezoensis. It suggested that Type A individuals are the F1 hybrids between these two species. Type B individuals had no genes from the population of P. glehnii, but had only genes from the population of P. jezoensis. Therefore Type B individuals were not confirmed as hybrids by this analysis.
  • *田村 明, 生方 正俊, 渡邉 敬治, 山田 浩雄, 福田 陽子, 矢野 慶介, 織田 春紀
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 E04
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    アカエゾマツ
    を雌親、ヨーロッパトウヒを雄親としたハイブリッドトウヒは初期成長が優れ、下刈りコスト低減に貢献できる樹種として期待されている。しかし、ハイブリットトウヒを介在し、自生種の
    アカエゾマツ
    の遺伝構成が変化する恐れがある。本研究では移入交雑の各プロセスを検証し、そのリスクを評価した。ハイブリッドトウヒは開花能力が十分あり、開花時期は両親種と同調した。また
    アカエゾマツ
    を雌親、ハイブリッドトウヒを雄親とした人工交配で得た苗木は成長量および生存率も高く、北海道の環境に適応できる可能性が示唆された。さらに父性遺伝する葉緑体のハプロタイプから
    アカエゾマツ
    とハイブリッドトウヒとの間に自然交雑が起きていることが明らかにされた。以上の結果から、将来ハイブリッドトウヒを造林・普及することによって自生種の
    アカエゾマツ
    にヨーロッパトウヒの遺伝子が移入し、
    アカエゾマツ
    の遺伝構成が変化する可能性があり、その影響について検討する必要があると考えられた。
  • 小野 晃明
    材料
    1981年 30 巻 334 号 719-724
    発行日: 1981/07/15
    公開日: 2009/06/03
    ジャーナル フリー
    The dynamic Young's modulus and the internal friction of many specimens made of a trunk of Akaezomatsu and that of Kuroezomatsu were measured using a flexural vibration method, and the comparison in these properties between Akaezomatsu and Kuroezomatsu was made. In order to find out the difference in dynamic properties of the wood classified by the experience of piano industry, these specimens were classified into the high grade wood used for grand piano soundboards, the medium grade wood used for upright piano soundboards and the low grade wood which is not used for soundboards, and their properties were investigated statistically.
    The main results obtained are as follows:
    (1) It was observed that in acoustical properties Kuroezomatsu was not inferior to Akaezomatsu when used for the soundboards of musical instruments, and that the percentage of the low grade wood of the former was about twice that of the latter. It was also found that such a high percentage of the low grade wood was mainly caused by the colour of Kuroezomatsu. Consequently, it seems that the reason why Kuroezomatsu is not used for the soundboards is not because of its acoustical properties, but because of its low yield.
    (2) The results of the statistical investigation on the properties of the classified wood agreed with the general opinion on the physical properties which are desirable for the wood for soundboards. Consequently, it was found that the selection method of the wood for soundboards used in piano industry, which was learned through experience, was marvelous.
  • 小西 彰一, 鈴木 三男
    植生史研究
    1997年 5 巻 2 号 67-76
    発行日: 1997年
    公開日: 2021/06/16
    ジャーナル オープンアクセス
    最終氷期のトウヒ属の球果化石は,その形態がよく似ているにもかかわらず,
    アカエゾマツ
    ,ヤツガタケトウヒ,ヒメマツハダ,ヒメマツハダ近似種,トミザワトウヒなど,異なった分類群として記載されている。このような異なった同定がなされる原因を明らかにし,最終氷期に生育していたトウヒ属植物の実体を明らかにするための第一歩として,日本産のトウヒ属でもっとも分布域が広く,また形態の変異が大きいことが予想される
    アカエゾマツ
    について,その球果形態の変異を調べた。試料はサハリン南部,北海道内各地,それに本州岩手県の早池峰山で17地点の51個体を1995~1996年に採集した。球果の長さ,幅,種鱗の長さ,幅,最大幅の位置,先端の波打ちの程度を調べた結果,l)
    アカエゾマツ
    の球果は長さが37.7~77.3(平均57.5)mm,幅が14.5~22.1(平均18.3)mm’2)種鱗は長さが11.0~16.2(平均13.6)mm,幅が8.8~12.8(平均10.8)mm’3)種鱗の最大幅の位置は先端に近く扇形になるものから中央部付近で菱形になるものまで変異すること,4)種鱗先端の波打ちの程度はほとんど波打たないものから激しく波打つものまであることが分かった。この球果形態は個体内では均一で変異が少なく,同じ地域の個体間で大きく異なっているが,地域間の球果が形態上から区別できるようなことはないことが明らかになった。
  • *伊豫部 勉, 和泉 薫, 原口 昭
    日本雪氷学会全国大会講演予稿集
    2004年 2004 巻 P2-42
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/09/28
    会議録・要旨集 フリー
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