グリム型イオン源を用いた高周波グロー放電質量分析法において,イオン源のアノードを接地し,
アパーチャー
のみに正のバイアス電圧を印加した.この結果,イオン信号強度は従来のようなアノード及び
アパーチャー
の両方へバイアス電圧を印加する場合よりも大きくなった,ジルコニア焼結体試料における目的元素イオンの信号対バックグラウンドの強度比(
S/
B)は,
アパーチャー
バイアス電圧が55Vのときに最大となり,バイアス電圧を印加しない場合に比べ約20倍向上した.又,最大の信号強度は,高周波電力や試料厚さなどの操作条件とは無関係に,常に
アパーチャー
バイアス電圧が55Vのときに得られた.更にアノードの接地は,高周波ノイズによる測定系への妨害を完全に抑制することにも極めて有効であった.
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