制御された微細構造を有する機能性セラミックスを金属有機化合物を用いて合成することができた. 金属
アルコキシド
の加水分解条件を制御することにより, BaO-TiO
2粉末が得られ, 従来よりも優れた性質を持つ誘電体焼結体を調製できた. ジルコニウム
アルコキシド
をシリカ, ムライト粒子を含有する液相中で加水分解することにより, ジルコニアコーティングした複合粒子を合成し, ジルコニア強化セラミックスが得られた. この複合粒子を焼結することにより, ジルコニア粒子が均一に分散し, 制御された微細構造を有し, 靭性の向上したジルコニア-ムライト焼結体が調製された. リチウム及びニオブの
アルコキシドから複合アルコキシド
が得られ, 化学量論組成のLiNbO
3粉末, 膜, ファイバが調製された. 化学量論組成で, 結晶性のエピタキシャルLiNbO
3膜がサファイア基板上に250℃で合成できた. LiNbO
3膜の配向性と結晶性は, 基板の結晶面の選択と結晶化条件により制御できた. 有機金属重合体の加圧熱分解により, 金属あるいは金属化合物粒子が高分散した, 制御された形態を有する炭素が高収率で合成できた. 有機鉄共重合体-水系の加圧熱分解により, マグネタイト分散球状炭素が調製できた. 本論文は, 金属有機化合物を用いるセラミックプロセシングの結果と特徴について述べる.
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