本研究では、電子商取引の特徴やトラブルとその要因について概観し、特に十代の若者が多く参加しているネットフリマのサイト「マイ
アルバム
」を分析することによって、若者の消費者間取引の実態、問題点やトラプルの要因を明らかにした。消費者間取引には、インターネット・オークション、ネットフリマ、売買掲示板がある。これらの消費者間取引は、特定商取引法のような法律による規制はないが、通常サイト運営者による規制がなされている。消費者間取引においても、事業者と消費者間のような消費者トラブルが多く生じていることが推察され、取引全体の流れの中でさまざまなトラブルが考えられる。ネットフリマ「マイ
アルバム
」では、1つの
アルバム
に平均約30点の商品が掲載されている。3,000円以下の商品が約9割を占め、衣類や服飾雑貨を中心にアクセサリー類、文具・雑貨等が売買されている。この中には、取引が法律で禁止されていたり、マイ
アルバム
の運営者が取引を禁止している商品が含まれていた。また、取引上のトラプルの存在も確認できた。この分析から、若者への注意喚起が必要な事項として、契約意識と安全な取引、事業者としてのモラル、個人情報の保護とその扱い方、商品の選択眼、消費者としてのメールマナーの5つについて言及した。今後ますますインターネットを介した商品の取引が日常化していくことが予想されることから、若者が電子商取引に関わる基本的な知識を学ぶ機会を設ける必要があると考える。
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